妊娠中や産後は体調も精神面も不安……心配事を取り除くためのヒント
妊娠検査薬の陽性が出て喜んだのもつかの間、妊娠中はいつどんなときに何が起こるのかはわからないもの。常に「無事に出産できるだろうか」という不安はつきまといますよね。自分自身の体調を考えながらも仕事、家事、上の子がいればそのお世話もあり、完全に心を休めることは難しいかもしれません。
実際に多くの妊婦は、妊娠中にどのような心理状態や負担感があるのでしょうか。今回は複数の調査結果をご紹介します。
妊娠中は「出産に至るまで」がとにかく不安
まずは「妊娠記録・妊娠日記アプリ トツキトオカ」が、同アプリを使っている妊婦約1000名を対象に行った調査から。体調面や精神面に関する事柄について、妊娠期間中にどの程度、心配や不安を感じているかを聞いています。
「トラブルなく無事出産を終えられるか」については「感じる」、「やや感じる」の回答が合わせて9割以上。「お腹の赤ちゃんが無事に成長しているか」も「感じる」という人が約6割、「やや感じる」という人が約3割もいました。
そのほかにも「出産の痛みに耐えられるか」、「自分自身の体調(つわり、切迫早産など)」といった事柄について不安視する妊婦が多いことがわかりました。出産後の子育てや仕事との両立などももちろん気になるものの、その前段階である出産という大仕事への不安要素が特に大きいようです。
出産だけでなく自分自身の健康状態の心配も
次に三菱UFJリサーチ&コンサルティングが妊婦や経産婦を対象に行った調査を見ていきます。
こちらでは、「自分の体のトラブル」、「妊娠・出産・育児による体の疲れ」、「十分な睡眠がとれない」といった自分自身の体調や健康状態に不安や負担を感じる妊婦が多かった結果に。「特になし」と回答した人は妊婦、経産婦ともにとても少ない結果を見ても、やはり妊娠中は多くの人が何かしらの不安やストレスを抱える現状がわかりました。
メンタルがボロボロ、何とか乗り切った妊娠中の体験談
筆者自身の妊婦生活を振り返ってみても、妊娠中はとにかく自分自身の体のマイナートラブルの連続。2ヶ月弱続いた嘔吐を繰り返すつわりに始まり、肛門科にかからなければならないほどのひどい便秘、お腹から胸周りにまで及んだ強烈な痒みと湿疹、2時間ごとにトイレに行かなければならないほどの頻尿、睡眠不足……。
こうした体のマイナートラブルが続いたことで、「こんな状態で妊娠生活が継続できるのだろうか」「元気な赤ちゃんを出産できなかったらどうしよう」とメンタルもボロボロになり、夫にもキツく当たって夫婦喧嘩にまで陥ったことが何度もあります。
そのため筆者なりの対処法として、SNSやネットで他人の出産報告や子どもとの幸せな生活をなるべく目に入れない、定期的に友人と電話してリフレッシュする、元気なときに夫には「今はメンタルが不安定だから私がネガティブなことを言っても励まして」と伝えておく、といった方法を実践していました。
メンタルケア事業や、産前産後のママをサポートする保険も登場
体調やメンタルの不安要素がつきまとうのは、産前だけではありません。みずほ情報総研が平成30年3月に発表した「産後ケア事業の実態と課題に関する基礎調査」では、産後ケアを実施している、もしくは実施予定の自治体の割合は約60.5%にものぼりました。特に産後のメンタルケアは、産後に行われる保健師や助産師による新生児訪問などでも入念に行われています。
こういった妊婦をとりまく現状からか、株式会社Finatextホールディングスから、2020年8月24日から妊娠から産後までのママと赤ちゃんをサポートしてくれる「母子保険はぐ」が提供されています。妊娠中から加入できる保険で、今までの保険ではカバーできなかった自宅安静や産後うつなどにも通院一時金が支払われる仕組みとなっています。また子どもの入院や手術にも対応。こうした保険があることで妊娠中や赤ちゃんを産んだ後の不安や心配が少し減るかもしれませんね。
なるべく不安や心配を取り除いて妊娠中や産後を過ごすことは、自分自身にとっても夫婦仲にとっても大切。今妊娠中の方やこれから妊娠を望んでいる方は、妊娠中や産後のメンタルケアを自分なりにどのように解決するのかを意識してほしいと筆者は思っています。
文・AKI 編集・しらたまよ