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【コラム:尾木ママの目からウロコの教育論】第1回 叱らない子育て論に至った理由

子育て中のママから、絶大なる人気を誇る尾木ママ。
「尾木ママの目からウロコの教育論」として、全8回にわたってインタビューを掲載します。
記念すべき第1回目のテーマは、「叱らない子育て論に至った理由」です。


―尾木ママの書かれた本『尾木ママの「叱らない」子育て論』を拝読しました。「叱る」のではなく「ほめる」ことで子どもが伸びていく、ということがいろいろなエピソードや実話を交えてわかりやすく書かれていて、とても勉強になりました。叱らない子育て論に至った理由を教えていただけますか?

僕ね、教師人生のスタートは私立の男子高校なの。

当時って、非行に走る高校生や中学生が多くて、シンナー吸ったり、授業をさぼったり、そんな子がたくさんいたのよ。そういう子たちって、叱っても全然言うこと聞かないことが多いのだけど、男の子に対してはそれなりに叱ったりもしてたのよ。

そんなとき、共学の中学校に異動になったの。そのとき、まわりの先生たちから「女子中学生は難しいよ。男子生徒と同じような扱いではいけないよ。女の子には頭ごなしにならないように」ってすごく言われてね、もうすごく恐れながら行ったのね。

女の子も非行に走ってる子がたくさんいたんだけど、マニキュア塗ったり、髪を染めたりしてる子を見つけたら、頭ごなしに叱らないで「それ、どうしたのぉ?」って聞くことを意識したの。「それ、どうしたんだ!」と言うんじゃなくて、柔らかに「どうしたのぉ?」って聴くわけ。発想が柔らかくなるじゃない? すると女の子の考えとその苦悩がよくわかるようになるの。なるほど~って理解できる。
それをすごく意識したわね。

その経験から、「叱らない」ということを身に付けたんだと思うわ。
―男の子と女の子では、扱いを変える必要があるんでしょうか?

もちろん! 女の子はものすごく難しいわ。男の子は理論的に攻めていけるけど、女の子はそうはいかない。男の子と同じように叱ると「なんで? 誰もやってないじゃん」「みんなそうじゃん」みたいな会話になっちゃって解決にならないのね。

こちらが同じ言葉をかけても、受け止め方が全然違うのよね。脳科学的に言っても違うんです。

例えば、ダイエット方法だって、男女では全然違うのよ。男性脳は解決脳。目標を立ててトレーニング内容を記録して結果を出していく。それに対して、女性脳は共感脳。お友達と一緒にワイワイと楽しみながら結果を出す。ね、全然違うでしょ?

アメリカなんかだと、授業の内容も男女で全然違うこともあるのよ。そのくらい大きく違うんだから、扱い方が同じで良いわけがないのよね。男と女は脳の作りが全然違う。そこを理解していれば、なんでもないことよ。
―男の子は叱っても良いんですか?

男の子も叱ってはダメ。叱りつけるとか怒るというような、感情に任せるやり方はダメね。あとね、女の子は特に叱っちゃダメよ。本当は、叱るのと、しかりつけるとか怒るというのは、全然違うんだけどね。

ママスタユーザーの皆さんから募集した「尾木ママへの質問」にもお答えいただきました。
―ママスタでよく議論になっていますが、3歳未満の子どもを保育園に預けることは子どもの成長によくないことだと思いますか? 尾木ママの意見を教えてください。

少し前までは、「3歳までは親がしっかりみなければならない」という教育論が神話のようになっていて、親がべったり一緒にいなければいけないと思っている人も、いまだに多いみたいね。

でも、そんなことはないのよ。

もちろんママの愛情は一番重要ですけど、経済面など様々な理由で保育園に預けるということもあると思います。でも、たとえ一緒にいる時間が十分には取れなくても、その時間の「質」が重要なの。たっぷり愛してあげてくださいね。また、おじいちゃん・おばあちゃんや保育園の保育士さんから与えられる愛情も大切ですよ。多様な大人の愛情に触れさせてあげてくださいね。
尾木ママインタビュー第1回目、いかがでしたか?
頭ごなしに叱るのではなく、「どうしたの?」と聞いて、“共感”してあげる。
子育ては上から目線ではなく、同じ目線で話をするということが大事なんですね。

次回のインタビューテーマは、「子どもに使ってはいけない言葉/使ったほうが良い言葉」です。
お楽しみに。

取材、文・上原かほり 撮影・chiai

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参考トピ (by ママスタコミュニティ
第1回 叱らない子育て論に至った理由