わが子と”心中”しようとしたママが「今だから言えること」
世の中にはさまざまな人生があって、ときには将来に一切の光を見い出せない環境に身を置くママもいるかもしれません。ママスタコミュニティでは先日、「今だから言えること。実は私は……」というトピックタイトルで、突如ひとりのママの壮絶な人生の一場面が語られました。
『私は、2年前に子どもたちと心中をしようとした。結局、手にかける前に思いとどまったのだけれど……。
当時、長男が小5、長女は小2だった。仕事がきつくて、旦那はモラハラ夫で、心が病んでいた。すべてをゼロにしたくて、消えたくて、仕方がなかった。子どもたちを、最低な旦那に託すのも忍びなくて、一緒に消えようと思った。
旦那が留守だったある晩、昼間のうちに買っておいたロープで長男の首を絞めようとした。でも、何だか寝顔がすごく可愛いくて、どうしてもできなくて、泣き崩れてしまった。ひどく後悔した。
翌朝、長男が登校するとき「お母さん、ありがとう」って言ってくれたの。その言葉に心が救われ、私は離婚を決意した。
旦那と別れ、実家にもどり、仕事も順調。息子はバスケ、娘はピアノを頑張っている。転校させることになったけど、友達もたくさんいるようで良かったと思っている。
……つまり、何が言いたいのかと言うと、私みたいな人間でも道は開けるってこと。みんな、人生どうにでもなるよ!』
「生きてくれていて、良かった」
わが子を手にかけようとした事実に、一部からは批判を呼ぶかもしれませんが……過酷な仕事と旦那のモラハラに追い詰められ、「消えたい」衝動に取り憑かれた投稿者ママ。顔も知らない相手と言えど、そんな過酷な地獄を味わった投稿者さんに、ママたちからは温かさのあふれるコメントが届けられました。
『投稿者さんもお子さんも、生きていてくれて良かったよ。良かった……』
『思いとどまれて良かった。これから、もっともっと幸せになって』
『赤の他人がこんなことを言うのは何だけど、あなたとお子さんが生きていて良かった。こういうのを聞くと、人生の選択肢ってひとつじゃないんだなと思う。離婚って大変なことだけど、こうやって再始動しているのを知ると、考え方次第でどうにかなるって感じたよ』
『私も同じような経験があるよ。長男が1歳のころ森の中を車で彷徨っていて、このまま海に飛び込んだら、とか考えてた。
今も何百万も借金があるけどさ、長い目で見たら、消えるなんて勿体ない。今じゃ三児のママだよ。笑っていればいいことあるさ』
ママの過ちに気付いていた様子の息子
そして、さらに投稿者ママの告白は続き、相談も持ちかけられて……。
『子どもたちには、いつか私の過ちを打ち明けないといけないかな? 実はあのとき、長男は気付いていた節があって……。翌朝「ありがとう」と言われたし、私とふたりでいるとき、「あのさ」と言いかけたまま何も話さないこともあった。中1になった今でも、私に「疲れていない? 大丈夫?」と聞いてきたりするんだ』
ママたちは、投稿者さんにどのような言葉を寄せたのでしょうか?
『それは気付いていたのかもね。でも、こちらから言うのはやめてほしい。わが子に深い傷を負わせたことを忘れず、精一杯生きてほしい』
『気付いていたとしても、言わない方がいい。言ってすっきりするのは投稿者さんだけで、子どもは辛いと思う。子どもに「勘違いだったのかも」と思わせるくらい、明るく振る舞うのがいいよ!』
『大切なのは今、そしてこれから。言う必要はないから、子どもには「あなたたちがいてくれて幸せ」ということを伝えていけばいい。投稿者さんの文章を読んでいたら泣けてきた。あなたと子どもたちが幸せでありますように』
『子どもたちも、あのときお母さんがどんな思いをしていたのか、きっと察していたはず。思いやりのある良い子に育ってくれてるね!』
『思いとどまってくれてありがとう。生きていてくれてありがとう。そして、私の心も癒してくれてありがとう。また明日から頑張ろうね、お母さん』
投稿者さんの相談にママたちは、お子さんの気持ちを慮って、過ちは墓場まで持っていくべきという答えを出しました。
それぞれのコメントには、過ちを忘れないでほしいと願ったり、投稿者さんの幸せを祈ったり、投稿者さんの人生に勇気づけられたりしたママの姿があり、同じ母として色々と感じるところがあったようです。
ママたちの言葉を受けて投稿者さんは考えを改め、同時に、”普通の幸せ”の中に暮らす今現在の姿を垣間見せてくれました。
『やっぱり言うべきじゃないよね。あらためて、本当にごめんなさい。
長男がさ、うちに彼女を連れてきたいって言うの。正直、娘とめちゃくちゃ驚いてる。中1の男子ってこんなもの?』
「息子が彼女を連れてくる!」――何気ないはずの発言も、絶望を生きのびたママの、”幸福な今”の姿なのだと思うと、その言葉からは何だか深みが感じられますね。
親子そろって、末長くお幸せに。
文・福本 福子 編集・山内ウェンディ
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