写真写りを良くするためには「効き顔」を意識しよう!カメラマンに聞く「女性・食べ物を撮るときのコツ」
スマホのカメラも年々性能が良くなり、綺麗な写真が撮れるようになってきましたね。カメラが得意でなくても手軽に撮れるのは嬉しい!
ただ「子どもはかわいいのにイマイチ自分が良い表情じゃない」「食べ物がおいしそうじゃない」と感じること、ありませんか? 普通に撮っているつもりなのに、いったい何が足りないの?
カメラマンの土田凌さんが、写真写りをよくするための簡単なコツを伝授してくださいました。カメラの腕を上げたい方は、必見です!
写真の顔の印象が変わる!?「効き顔」って何?
――子どもはもちろんかわいいけれど、その隣の自分が残念に写ってしまっている……とママが感じるケースもあると思います。ママが綺麗に写るコツはありますか?
土田さん:僕が女性を撮るときは「効き顔」を意識しますね。人の顔は目や口など左右対称ではなく微妙に違うので、左右どちらを前面に出すかによって写真の印象も変わってきます。ひとつの目安は、口角です。口角の左右どちらが上がりやすいかを観察して、より上がりやすい方を前面に出してみてください。ちょっとした差ですが印象が違うと思います。
――女性は上から撮る方がキレイ、と聞いたことがありますが、本当ですか?
土田さん:確かに、女性の場合は上から撮ると顔の形が細く見えたりするので、上から撮ることが多いですね。下から撮ると、その人の威圧感や権威性を高められます。女性を下から撮ると、自信があるような印象になるかもしません。
ちなみに企業の偉い男性の場合だと、権威性を高めるため少し下の方から撮ったりします。逆に権威ある人を階段の上から撮るようなことはあまりないですね。
――写真を撮るときに、写った人が目をつぶっていることが多いのですが、これはどうすればいいのでしょうか?
土田さん:シャッターを切るタイミングで目を閉じてしまうんですよね。やはり連写に設定することが一番の対策になると思いますね。
写真写りを良くするための女性の化粧・ファッションとは?
――入学式や記念日の写真を撮るときに、ママの化粧はこうした方がいいというのはありますか?
土田さん:いつもより濃いめのメイクがいいのかなと思います。特に体育館で行われる場合は自然の光ではないので、濃い方がいい気がしますね。
――洋服の色によって顔の明るさは変わりますか?
土田さん:変わりますね。光が自分の服に反射して顔にかかることもありますので、青だと顔が青っぽくなる可能性はあります。白や暖色系の色だと明るく見えるかもしれませんね。
――印象を良くするためには、口は閉じるのがいいのでしょうか、閉じない方がいいのでしょうか?
土田さん:……難しい質問ですね(笑)。僕が結婚式などフォーマルな場で撮る時は、口角を上げて歯は出さないようにしてもらっていますね。ちゃんとした写真の後、くだけた感じの写真を撮るときは、「歯を見せてもいいですよ」とお伝えします。
しかし歯並びが悪いなど歯にコンプレックスがある人は笑うときも歯を出さないのですが、じつは歯を出す方がかわいく写ることもよくあります。ご自分が気にしすぎているだけで、歯を見せて笑う方が素敵に写るかもしれないので、一度試してみてください。
プロから見るともったいない!?やらない方がいい構図とは?
――一般の方の写真をプロの目から見て、「これはもったいない」という写真があると思うのですが、やらない方がいいこと、活用したいモノなどあれば教えてください。
土田さん:引いて、全ての情報を入れてしまう構図はもったいないと思っています。たとえばイベントなどでも会場全体が捉えられる写真より、お子さんに寄って表情を捉える写真のほうがメリハリがあって良いです。料理の写真も同じで、主菜に汁物、副菜などを全部一度に撮ってしまうと中途半端になってしまいます。記録としてなら全て撮ればいいのですが、“良い写真”を撮りたいのであれば、寄って1つメインになるものを撮るのがわかりやすいですし、結果的にいい写真になると思います。
――これはやらない方がいいという構図はありますか?
土田さん:全身のバランスもありますが、“関節で切っちゃいけない”という鉄則があるんですよ。関節で切ると、「この人、脚はあるの?」「首はあるの……?」というように思われてしまうので。上半身を撮るなら、バストアップだと大丈夫ですね。
――スマホで撮るときのオススメの機能はありますか?
土田さん:iPhoneやファーウェイ、Google Pixelなどの機種でいえば、ポートレート機能がいいと思います。後ろをぼかせる機能で、洗練された印象になります。
――これさえ知っておけばなんとかなる、というような超簡単な構図はありますか?
土田さん:一番簡単なのは、3分割法です。画面を縦2本横2本のグリッド線で9つに分けます。線と線が交わる点に被写体を置いてもらえるとバランスが良くなります。個人的には横の方がより効果がある感じはしますが、縦でも横でも絵になりますよ。スマホの機種によっては線を出せるので「グリッド」の設定を探してみてください。
土田さん:また食べ物でいうと、「Cの構図」というものがあります。写真の中に丸いお皿や円になるものを入れるとCの字のような曲線が入りますね。この曲線が、特に食べ物を撮る時には美味しそうに見せてくれるんです。カフェやお弁当でも使える構図ですよ。
すぐに活かせそうな簡単なコツでしたが、知っていると知らないとでは写真の出来が変わってきそうです。ぜひ取り入れて、カメラの腕を磨いてくださいね。