2018年の夏休みは延長するかも!?炎天下での登下校や運動会の練習を踏まえたママたちの考えとは
2018年7月24日午前の記者会見で、菅義偉内閣官房長官が以下のことを明らかにしました。
『小中学校に関する暑さ対策の一つとして夏休み期間の延長を検討すべきだ。総授業数を確保しながら、どのような工夫が可能なのか、文部科学省で検討する(首相官邸「2018年7月24日内閣官房長官午前の記者会見」より要約)』
なぜ、内閣官房長官からこのような発言がなされたのでしょうか。ひとつには、2018年の夏が、時に最高気温40℃を超えるような記録的猛暑であったことが挙げられます。猛暑の影響は子どもたちの学校生活にもおよび、熱中症で亡くなってしまう子どもも出ました。
菅官房長官は同時に以下のような発言もしています。
『児童生徒の安全、健康を守るための猛暑対策は緊急の課題だ。学校へのクーラー設置を支援していく必要は当然ある。2019年のこの時期に間に合うように責任を持って対応したい(首相官邸「2018年7月24日内閣官房長官午前の記者会見」より要約)』
さらに2018年8月7日、林芳正文部科学大臣が定例記者会見において、
『本日、教育委員会等に対しまして、熱中症の事故防止の観点から、必要に応じた夏季休暇の延長等に関する検討を依頼するための通知を発出する予定としております。(文部科学省「林芳正文部科学大臣記者会見録 平成30年8月7日 より引用)』
と述べ、同日全国の教育委員会へ通知がなされました。具体的には、児童生徒等の健康を最優先に考え、総授業時間を確保したうえで、夏休みの延長や登校日の中止、それに伴う冬休み短縮など柔軟に対応するように、との通知です。
登下校も含めると根本的な改革が必要になる、との判断なのかもしれません。学校のすべての教室にエアコンを設置したところで、子どもたちは暑い中基本的に歩いて登下校しなければなりません。登下校の時間に熱中症になる可能性もあります。
ママたちからはさまざまな意見が出ていました。
夏休みの延長、賛成します!賛成派のママたちの考え方とは
『よかった! 昔とは暑さが違うからね。本当によかった』
ママたちは子どもだったころの夏とは暑さが違う! と感じておられる方もいるようです。確かに気象庁によって、日中の最高気温が35℃を超える「猛暑日」が定義されたのは2007年からのことでした。
猛暑日が当たり前のようになってしまった時代では、子どもたちの身体には負担が大きくなるかもしれませんね。
『夏休みに早く入ってくれたら助かる。冷夏だったらいいけど、今年みたいに猛暑はかなり辛いはず。学校にエアコンはあるけど、行き帰りでフラフラだよ』
エアコンが設置された学校に歩いていくまでの暑さ対策をしていなければ、登下校時に熱中症になってしまうかもしれません。とくに日中気温が高い時間帯の14時から15時に帰る子どもたちには、注意が必要になります。単純に「学校にエアコンを設置すればよい」という問題ではなさそうです。
『2018年の夏休みは長くしてほしい! でなきゃ、子どもたち学校に行かせるの怖い』
もちろん単純な問題ではないでしょうが、こちらのママのコメントのように、自治体がその年の夏の暑さに応じて夏休みの期間を臨機応変に変更する方法もいいアイディアかもしれません。
夏休みの延長まではしなくてもいいけれど留意してほしいこと
『休みを増やすよりスクールバスを出してくれた方がありがたい』
夏休みの期間の問題ではなく、やはり登下校の時間帯の気温を心配しておられるコメントがありました。スクールバスで通うのなら、登下校中の熱中症や交通事故の心配も少なくなりますね。
『8月27日から2学期開始。開始と同時に9月の運動会に向けて猛練習。もういい加減運動会は春に変えてほしい。残暑も厳しいだろうからほんとに心配だよ』
現在すでに夏休みが短縮されている、というママ。2学期開始と同時に秋の運動会に向けての練習が始まるそうです。2018年はどのような残暑を子どもたちにもたらすのでしょうか。子どもたちの健康を脅かしてまでやる運動会を保護者は歓迎しないのではないかな、と筆者個人としては考えます。
『暑い時間に帰らないように授業を長くして冬は早く帰らせるとか?』
下校時間を涼しい時間帯へずらすよう調整してもいいかも? という冷静なコメントがありました。学校の時間割を季節ごとに調整する方法ですね。検討してみる価値はあるかもしれません。
『部活がある学校なら屋外活動も禁止にしないと意味ないよね』
いくら学校にエアコンを設置しようが、暑い屋外での活動を減らさなければ意味がないのでは? というこちらも冷静なコメントがありました。予想気温が子どもたちの健康を脅かすような温度になった場合は、屋外での活動を取りやめる、という規則をつくってもらいたいですね。
「子どもファースト」とは何か。現場の決断にゆだねられている
文部科学省が全国の教育委員会に出した通知の中に示された選択肢は、「夏休みの延長」のみではなく、「臨時休業日の設定」や「土曜日の授業の実施」、「夏季休業中の登校日の中止」などまさに「子どもファースト」ともいえるものが提示されていました。一律に夏休みを調整しようとはしておらず、現場の状況に応じて対応してください、というのが通知の内容です。
決断をする現場の先生方や教育委員会の方々は難しい判断を迫られることになるかもしれません。しかし、やってみなければわからないこともあるでしょう。これから、ひとつひとつ選択肢を試していき、経験を積むことで子どもにとって望ましい学校環境が整備されていくのではないでしょうか。
文・しのむ 編集・しらたまよ
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