犯罪が起こりやすい場所は「ひまわり」で覚えよう #子どもを犯罪から守る
子どもを狙う犯罪が後を絶たず、テレビなどで大きく報道されている残虐な事件を見て親として胸を痛めている方も多いのではないでしょうか。子どもたちを犯罪から守るために、私たち親は正しい知識を身につけ、子どもたちにも自分を守るための方法を伝えなくてはなりません。そこで今回は、犯罪行動分析を専門とし、全国で安全教室を行っている清永奈穂さんに犯罪者の行動についてお話を伺いました。犯罪がどのような場所で起こりやすいのか、子どもたちへ伝えるポイントをご紹介します。
犯罪者が犯罪を起こしやすいのは、近づきやすく逃げやすい、狙いやすい人や場所があるところ
犯罪は、犯罪者が近づきやすく、逃げやすい、そして直感的にいいと思うところで起こります。泥棒が入りやすいところや、露出狂が出るようなところは示しやすいですが、路上で声をかけて子どもを連れ去る事件が起きるような場所は、実はこれぐらい挙げられます。
大きく3つに分けると、「犯罪者が近づきやすい場所」、「犯罪者が逃げやすい場所」そして「犯罪者が狙いやすいと思う人や場所」。この3つの中にいくつも分かれていて、近づきやすい場所については空き家や駐車場などの隠れやすいところや狭い通学路、高い塀があるような見通しが悪くひと気がない場所です。逃げやすいのは、交番やパトロールがない、犯罪者を恐れさせる威嚇的なポスターがない、裏通りの多い道などです。これらの場所でいいなと思うタイミングや相手がいたらそこで犯罪が起きるのです。
犯罪者が嫌いなものは「人の目」と「人の声」と「光」
犯罪者が嫌いなものは、人の目と声と、それから光です。パッと照らされることや人から「何やってるの?」と声をかけられたり、見られたりするのが嫌なんです。そういうものがない場所で犯罪が起きやすいと考えられます。
犯罪者が出没する場所は「ひまわり」で覚えよう
ほんの一瞬の隙があるところで犯罪は起きてしまいます。子どもたちには、「ひまわり」という言葉で危険な場所を教えておきましょう。
「ひ」とりだけになるところ
「ま」わりから見えない(見えにくい)ところ
「わ」かれ道・わき道や裏道の多いところ
「り」ようされていない家(空き家)や公園など人の気配のしないところ
1人でいるということは大きい要因です。2人でいても実際に事件が起きることもあるので2人だから安全というわけではありませんが、1人きりの方が狙われやすく危ないことが多いです。
わかれ道は、大通りから一本分かれて入っている道のこと。悪いことをしてもパッと大通りに逃走しやすいんですね。新潟で起きた事件も、大通りから一本入ったところで、さらに利用されていない空き家が近くにあった場所で起きています。
「ゴミ」や「落書き」、「放置自転車」がある地域は犯罪が起こりやすい
また、汚れているところも危ないと子どもたちに教えています。なぜ汚れているところかというと、地域の人がゴミをそのままにしているということは地域に目を注いでない、住みやすくしようとしてない証拠だと犯罪者は思うんですね。ゴミを捨てたままにしているぐらいだから、自分が子どもに声をかけていても何にも見咎められない、犯罪者にとってはいいサインだと思ってしまうんです。
犯罪が起きたところでは、ゴミのルールを守っていない人が多く、曜日かまわずゴミを捨てていたり、落書きや放置自転車が多かったりします。犯罪者は下見をしている段階で、ゴミや落書き、放置自転車があると悪いことをやりやすいと感じます。子どもたちには、「ひまわり」という言葉で危険な場所について教えたり、一緒に散歩する際にどこが危険な場所なのか、一緒に注意しておくことが大切です。
取材、文・山内ウェンディ 編集・横内みか