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山口智充:第8回 毎日を楽しんでワクワクするママの姿を、子どもたちは絶対に見ていると思います

全8回に渡ってお届けしてきた”ぐっさん”こと山口智充さんの連載も、今回で最終回です。お子さんたちのことや奥様のことなどあれこれお聞きしてきましたが、愛溢れる人柄にますますファンになったママも多いのでは? 子育て真っ最中のママたちへ、メッセージをいただきましたよ。

山口智充

お子さんたちはお父さんの仕事に対して、何か言うことはありますか?

あれこれは言わないですね。メディアから発信する情報として、山口智充という人間を切り取って見ているのが世間じゃないですか? でも家族は全情報を知っていますから。オンエアも観ていますし裏話も聞いてすべてひっくるめての山口智充を見てくれているので、ちょっと特別だと思います。僕は自分のライブにあえて家族を呼ぶんですよ。世間が僕をどう評価するかというのを、一番わかりやすい場がライブじゃないですか? 出てきたときの拍手とか、リアクションとか。そんな父親が子どもたちの目にどう映っているのかを聞いたことはないですけど、「こんな仕事をしているんだ」という一番わかりやすい姿を見てもらっているのかなと思います。

子どもたちに働いてる姿を見てもらえるというのは、うれしいですよね。

世間にはいろんな仕事がありますけど、僕の仕事はわかりやすく見せられるのでいいなと思います。ただ子どもたちに誤解してほしくないのは、特別な仕事ではないということ。皆さん一生懸命に仕事をしているし、たまたまお父さんは目立つ仕事をしているだけ。だから「お父さんの仕事のことでからかわれたりするようなことがあったら、いつでも言え」と言っています。そうしたら僕は、その子の親のところに行きますよ。他人の職業をバカにするのはいけないことですから、「そのときは言いに来い」と。

実際にそんなことがあったんですか?

ないです。でもあったときは行こうと思っています。「胸を張って仕事しているから、何も恥ずかしいことはない」と、子どもたちにも言っています。
子どもたちの学校にエンターテイメントの姿を見せに行く機会は、ちょこちょこあるんですよ。先生に「行きます!」とは言うものの、じつは一番緊張する場です。やっぱり「すげぇ!」と思わせたいので、絶対にスベったらダメだし。普段の仕事よりも一番汗をかいてヘロヘロになる舞台ですけど(笑)、やりがいはありますね。

お子さんたちもうれしいでしょうね。では最後に日々子育てに奮闘している読者のみなさんへ、メッセージをお願いします。

山口智充
お子さんがいるということは、僕が今まで話してきたように”家族”というチームでがんばっていらっしゃるんだと思います。でも家族を持ったことで自分の人生がゴールしたわけじゃない。一生続きますから。で、まず自分の人生がハッピーじゃないと、人をハッピーにはできないと僕は思うんですね。だからもっと気楽に、もっと楽しもうとしてほしいです。その姿を子どもが見ているはずなんですよ。
子どもが大人になっていくにあたって一番の見本となるはずの親が、自分の近くで「おもろないわ」とグチばかり言ってたら、「大人って、そんなにつまらないのか」と期待が失せますよね。もっと楽しんでほしいんですよ。楽しいこと=お金がかかると思う方もいるかもしれませんけど、お金がなくてもハッピーになれることっていっぱいありますよ。僕も吉本に入ったときはお金なんてこれっぽっちもなかったですけど、振り返ると毎日がめちゃめちゃおもろかったんですよ。金がなくても楽しめる。これは僕も経験済みです。読者のみなさんが好奇心を持って行動に移して、自分で何かをつかんだり壁を乗り越えていく瞬間を、子どもは見ていると思います。
山口智充

子どもって、びっくりするほど親のことをよく見ていますよね。

僕は子どものころからずっと大好きな車があったんです。子どもが小さいころにそのミニカーを買ったんですけど、たぶん「父さんな、この車、大好きやねん」ってふだんから言っていたと思うんです。で、長男が幼稚園くらいのときかな? ある日その車を手に入れることができたんですよ。ちょっと遠いところまでそれを取りに行って、長男を隣に乗せながら運転して帰ってきたんですけど、そのとき「父さんの夢、かなったね」って言われて。その瞬間、本当にうれしかったんですよね。
子どもは見ているんですよ、うれしそうなオヤジの姿を。今でもたまにその話をするんですけど、たぶん息子も一生忘れないと思うんです。オヤジが語っていた夢を実現した瞬間を、目の当たりにしたわけですから。僕は意識してやったわけじゃなかったけど、自然と子どもも「よし。自分も大人になってがんばれば、夢を実現できるんだ」って思うようになりますよね。手にするしないじゃなくて、何か楽しいことをするとか希望を持つとか、ワクワクしている大人を見られる子どもは幸せだなって思います。のちのパワーになると思います。まずは自分が好奇心を持って行動に移して、楽しむ。ネットでほしいものを探して「わぁ、いいな」となっている姿でも、ドラマを観て感動している姿でもなんでもいいんですよ。子どもは絶対に見ています。
「子どものために」「~のために」というのは、さっきも言いましたけどおこがましいと思うんですよ。僕は「家族のために」と思ったことは、一度もないです。僕がやりたいことをやる。そこに家族が賛同してくれたら、最高です。「今度遊園地に行きたいんだけど、行かない?」って自分から誘う。そんな感じです。「~のためにやっているから、私の時間がない」というのは、寂しすぎますよ。まずは”私”。最高に楽しんで、その姿を子どもに見せてあげてほしいです。


張り詰めている心がゆるっとするような、心温まるメッセージ。あわただしく過ぎていく毎日も、「どんな楽しいことがあるかな?」と好奇心を持てばキラキラ輝き出すような気がします。今後の山口さんの活躍に、さらなる期待が高まりますね。
取材、文・鈴木麻子 撮影:山口真由子

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