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山口智充:第6回 子どもたちには“背中を見せる”ことが一番のシツケだと思っています

お笑いから音楽、演技まで。幅広く活躍する山口智充さん……というよりは”ぐっさん”という愛称のほうがママたちにはおなじみかもしれませんね。出演されているコマーシャルではパパ役も多く、「こんなパパがいれば毎日絶対楽しいのに!」とママたちの好感度も大! そんなぐっさんが語る子育てトーク、第6回目はお子さんたちのシツケについて。「とくにシツケはしていない」という山口さんですが……?
山口智充

社会の小さなルールやマナーって、毎日の経験の中で、身につけていくものですよね。

自分ができていないと、子どもに言うにも説得力がないですよね。子どもがいることで自分も姿勢を正せるところはあります。とはいえ完璧な姿を見せるというわけではなくて。だらしなかったりどんくさいときもあるんですけど、目の前に壁が現れたときは逃げるんじゃなく乗り越えたい。どうやって乗り超えるのか、必死で手段を考えて向かっていく背中を、子どもたちには見せたいです。何度か落ちても必死で食らいついて、結果登りきった姿を見せるのが大人であり親、男としての姿勢なのかなと思います。それができるのも、子どもたちが見ているからだと思います。

山口家ではどんなシツケをされているんですか?

うーん、これといったシツケはしていないんですよ。「部屋を片づけなさい」と言う前に、まず自分の部屋をキレイにしておく。それを見た子どもたちがマネをしてくれたらいいなと思うだけなので。「きれいになった部屋は気持ちがいいよね」と自分自身が思わないと、人間って行動できないと思うんですよ。「やりなさい」じゃなく、まず自分がやる。”背中を見せる”ということが一番のシツケであると思っています。
とはいえ振り返ったら子どもたちがコケていた、なんてこともあると思うんですよ。それを自分が手を貸してあげなきゃいけないレベルなのか、僕だけじゃなく家内も手を貸してあげなきゃいけないレベルなのか、そこを見極めなきゃいけないなと思います。基本的には、見ていられる視野の広さというのも親の課題だと思います。

きょうだいが多いと大変そうですね。

公園で遊んでいる子どもを目の前で見ている物理的なものもあれば、心の目というのもありますね。親と離れて暮らすようになって実際の姿は見えなくなっても、心の目でどれだけ見ておいてあげられるか。それはすごく大きいような気がします。結局は濃度だと思うんですよ。「お父さんの仕事が忙しくてなかなか会えない」というのもあると思うんですけど、それはどの家庭にも多かれ少なかれあって。僕もそうですけど、家に帰れないこともしょっちゅうありますし。家に家族がずっと揃っていたとしても、心が向き合えていないことだってたくさんあると思うんです。でも家にいるときの濃度というか、たとえ5分10分だとしても濃密に子どもと向き合っていれば大丈夫なのかなという気がします。ま、僕は家族が大好きなので、ぐわ~っという感じなんですけど(笑)。

「もう、そんなにこないでよ!」とは言われませんか?

言われませんね。19歳の長男でも、ぐわっとハグしますし。これだけ僕が好きやのに、嫌がられたら寂しいですよ。

お年頃になったら、自然と離れていったりとか……。

ま、そうですね。それは巣立ちだし、喜ばなきゃいけないところだと思いますけど。でも僕自身がスキンシップでぐわっとやりたいんやったら、遠慮なくやります。「イヤや」と言われても、「何がイヤやねん!」と。それが原因で嫌われることはないと思うので。僕はもともと「よそはこうやから」と気にする人間じゃないので、ウチのスタイルはそれでいいと思います。
山口智充

とくにお嬢さんから拒否されたら、深く傷つきそうですよね。

そうですね。まだまだ今のところは大丈夫ですけど、いつかはそんな日もくるのかもしれないです。

「将来娘が彼氏を連れてきても、絶対に会わない」なんてパパもいると聞きますが(笑)?

それは考えたくないです。というより、基本的に考えていないです。とはいっても「彼氏が来たらつっ返してやる!」というようなオヤジでもないと思います。モテないよりは、断然いいじゃないですか? 同性であっても異性であっても娘を好きになってくれる人がいるというのは、すごくいいことだなと思うので。


どうやらこの”スキンシップ”は奥さまにも? 次回はその奥さまについてのお話です。夫婦円満の秘訣もうかがったので、どうぞお見逃しなく!

取材、文・鈴木麻子 撮影:山口真由子

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