何を聞いても「楽しかった」「忘れた」で終わる子ども。うまく話を引き出す方法とは? #ママが知りたい子どもの教育
母:「今日、学校でどんなことをしたの?」
子:「忘れた」
母:「お友達は誰と遊んだの?」
子:「みんな」
母:「給食は残さず食べた?」
子:「食べた」
など、「子どもとの会話が一問一答で終わってしまい、学校の様子が全然わからない」と思うこと、ありませんか? 特に男の子のお母さんに多い悩みかもしれません。子どもからもっと会話を引き出して学校での様子を知るためにはどうしたらいいのでしょうか? お母さんが集まるコミュニティ事業『てらこやクロス』の主催者であり、2児の父親でもある櫻井俊輔さんにお話を伺いました。
学校のことを聞くのは「イベントのとき」だけ
学校の話を聞くときは、席替えや季節のイベント、担当している係りのことなど、ちょっとした出来事があったときに聞くくらいです。というのも、男の子は目の前のことに夢中で、数時間前に起きた過去のことは興味がないのです。聞いたところでそれほど答えてくれないません。ですので、基本的に学校のことを聞くときは、子どもが話にのってきやすい「イベント」のときだけにしてください。
「問い詰める聞き方」だからこそ答えたくない
お母さんの場合は、つい学校のことが気になり「宿題はやったの?」「先生はなんていってたの!?」と、問い詰めるような形になりがちです。ただでさえ話す気がないのに尋問までされたら、子どもはいっそう話したくなくなります。
また、学校というのは親の目が届かないからこそ、子どもだけの世界が作りやすいのです。自分の世界について話すということは、親に自分の世界に入ってきてズケズケといわれたくない、という心の本音が働くのかもしれませんね。
友達からもらった手紙で「学校での様子」を推測
先日、うちの長男は学校で友達と手紙交換をしたらしく、その手紙には「長男君はムードメーカー」「みんなのことをよく笑わせてくれる」などと書いてありました。それを見て「長男はわりとみんなの人気者なんだな」ということを知りました。学校でのことは、本人から聞き出そうと思ってもなかなか難しいですが、手紙で友達との関係が分かっただけで十分だと思います。
月1回程度「困ったことはないか」と聞いてみる
「学校での様子が気になる」「もっと知りたい」という場合は、1カ月に1回くらい「今、困っていることはない?」「学校で嫌なこととかない?」と聞いてみるといいと思います。そのときに「お父さんは、今仕事でこんなことが大変なんだけどね」と、自分の仕事の話をするようにしています。そうすると「実は僕も……」と便乗して話してくることもあります。
子どもに質問してばかりじゃなくて、親も自分自身の話を子どもにしてあげると子どもは自分の話をしやすくなります。対等に話してあげるとコミュニケーションが取れるのでしょうね。どちらかというと、親は子どもの話を一方的に聞きだし、最終的には尋問形式になるわけです。それだと子どもは自分のことを話そうとは思いません。子どもの話を聞くためには、まず自分の話からしてあげることを心がければ、子どもは話をしやすくなります。
子どもが「夢中になっていること」を聞いてあげる
学校嫌いで「学校のことは一切話したくない」という子の場合は、学校のことは聞きません。聞いたところで答えないでしょうね。そのかわり、子どもが夢中になっているゲームの話や、「旅行に行くとしたらどの国に行きたい?」など、子どもが話にのってきやすいような話題をふってあげます。子どもとの会話は、大人と一緒。基本は、相手が話したくなるような話題をふって聞いてあげる。それだけで日ごろ考えていること、思っていることを話してくれるようになるのです。
取材、文・長瀬由利子 編集・北川麻耶