働くママの子どもは可哀想!?「理想の母親像」に苦しむママの葛藤
「仕事をしていると、子どもと一緒に過ごす時間が少ない」「子どもに寂しい思いをさせてしまっているのではないか」と感じてしまうことは、働きながら子育てをするママが1度は考えてしまうことではないでしょうか?
毎朝保育園で、ママとの別れに泣いてしまう我が子。そんな我が子の様子に後ろ髪を引かれながら仕事に行く電車の中で、「ごめんね……」と泣いてしまうこともあるかもしれません。
『花まる学習会』高濱正伸先生の著書『働くお母さんの子どもを伸ばす育て方』によると「母親は子どもに寂しい思いをさせてしまっていることを悔いる生き物」だといいます。
「子どものトラブル」を自分が原因だと責めてしまうママ
「今日の夕方、○○ちゃんはちょっと寂しくなっちゃったみたいで、泣いちゃったんですよ」。夕方7時すぎ、閉園時間ギリギリに駆け込んだ保育園で、担任の先生からこんな話を聞いたら、ママとしてはギュッと胸が締め付けられる思いになってしまうかもしれません。
「もっと早くお迎えに行ってあげたい。でも、今は仕事もがんばらくちゃいけないし……」と悩んでしまうかもしれませんね。
さらに追い打ちをかけるように、子どもが同じクラスの友達を叩いた、なかなかおもちゃをかしてあげられないなどのことでトラブルを起こすと、ママとしては「私がかまってあげられないことが原因なんじゃないか」と、必要以上に自分を責めてしまいます。
「理想の母親像」を追い求め、現実とのギャップに苦しんでしまう
高濱先生によると「子どもが問題を起こすと、ママたちは自分が仕事をしているせいじゃないかと思いがち」だといいます。とくに日本の働くママは「自分のせい」だと思いすぎてしまうのだそうです。
たしかに、0歳児から保育園に預けることで、「そんな小さな子を保育園に預けるなんてかわいそう」という空気感を感じてしまったことはありませんか? 子どもが泣けば「仕事で一緒に居てあげる時間が少ないから、愛情不足なんじゃないか」と不安に思ってしまったり……。「時間をかけて作った料理こそ母親の愛情だから、忙しいからレトルトを使うなんてもってのほか」など、あらゆるところで「母親とはこうあるべき」論がでてきてしまうのです。その結果、知らず知らずのうちに「理想の母親像」を追い求め、現実とのギャップに悩んでしまうことになるのです。
1日5分の抱っこで愛情はしっかり伝わる
これに対して高濱先生は「働くママたちは子どもと一緒にいられないことで自分を責めないでほしい」といいます。「ママが子どもを思う気持ちはとても尊いものですが、子どもは放っておかれる時間でこそ育つ生き物です。そのかわり毎日、子どもに愛情を伝えてあげることが大事」だといいます。
その毎日愛情を伝える方法の1つとして、「1日5分子どもを膝の上にのせて『大好きだよ』と伝えてあげれば大丈夫!」といいます。子どもはママがいない時間こそ、将来自立するために必要な芽を育てているのです。
子どもを預けて働くことは体力的にも精神的にも大変なことですが、将来我が子が自分自身で「メシが食える大人になる」ために必要な時間だと思えば、乗り切れるかもしれませんね。