産院選びは焦り禁物!失敗からわかった選び方のポイント
妊娠がわかったら、赤ちゃんを産む病院を決めなければいけません。産前から産後までの大切な時間を過ごす病院は、どうやって選べばいいのでしょうか。
筆者は2人のママですが、まったく正反対の病院で1人目と2人目を出産しました。その背景には、1人目を産んだ病院での苦い経験があります。自身の経験から学んだ産院選びのコツについてお伝えします。
総合病院で1人目を出産……体調まで悪くなった辛い経験
1人目の出産は、自宅からの距離の近さとNICU(新生児集中治療室)の存在に安心感を覚えて、総合病院の産婦人科を選びました。この病院には個室は設置されておらず、大部屋しかありませんでした。
実際入院してみると、その病院は全体的に設備が古かったことがわかったのです。特に水回りがかなり昔のもので、シャワーのお湯がぬるくて体が冷えてしまうなど、産前産後の体にとっては大きな負担に感じました。食事も美味しいとは言えず、食欲はどんどんなくなる一方……。さらにスタッフの忙しさから赤ちゃんを預かってもらえないこともあり、大部屋の赤ちゃんの泣き声でほとんど眠れませんでした。
気づけば、便通や母乳の出が悪くなったりするなど、体調にまで支障が出てしまったのです。結局その病院では思い描いていたような産前産後の時間を過ごすことはできませんでした。
2人目は個人病院を選択……産後ってこんなに楽しいの?
2人目の出産はこの失敗を踏まえ、別の病院を選ぶことに。先輩ママに話を聞いたり、直接電話をかけたりして、希望に合った個人病院で出産しました。
設備は新しくて水回りの機能も高く、食事も美味しい病院でした。またスタッフから頻繁に「赤ちゃん預かりましょうか? 」と声をかけてもらい、自分の体の回復を優先できて、ゆったりとした気持ちで育児に取り組むことができました。
結果的に、1人目のお産で辛いと感じたことはほぼ解決し、「産後の入院期間って、こんなに楽しいんだ! 」と、退院するのが嫌だったほどです(笑)。
あくまで筆者の場合ですが、育児をスムーズに始めるために産後の自分に必要だったのは、体と心の回復だったのだなと感じました。
産院を決める前に……リサーチのポイントは?
筆者は初めて産院を選んだときには、自宅からの距離の近さとNICUの存在だけを確認して、それ以外の部分についてほとんど調べませんでした。そして設備の古さやスタッフの忙しさなどについて知らないまま分娩予約を入れてしまったのです。
思わぬ失敗を避けるべく、口コミを検索したり、先輩ママから直接話を聞いたりして、設備やサービスの内容も詳しく調べましょう。直接病院に電話をかけてもいいですね。電話をすることで質問に答えてもらうだけでなく、病院の雰囲気が伝わってくることもあるかもしれません。
2度目の産院選びのときに筆者が調べたポイントは、以下の項目です。
自宅からの距離
家から病院までどれくらいの距離なのか、車やバスなど何で行くのか、車の場合は渋滞時の混み具合など。
NICUの有無
生まれてきた赤ちゃんに何か問題が起きた場合、NICUは大きな存在となります。無い場合は、どこの病院に転院することになっているのか聞いておきましょう。
病院設備の充実度
分娩室や水回りの設備の良し悪しは、出産時や産前産後には重視すべきポイントだと筆者は考えています。できれば一度見学しておきましょう。
食事の内容
ホームページやSNSなどで食事の内容を見られる場合があります。
病院スタッフの対応
スタッフに直接聞いても本当のところを知るのは難しそうですが、入院したことのある人から、あるいは病院の口コミサイトから情報が得られるかもしれません。
費用
基本的に妊婦検診や分娩は保険が適用されない自由診療なので、病院のサービスや、分娩時にどのような処置を行ったか、入退院の時間帯などによって費用の額が変わってきます。
個室か大部屋か
他人と同じ部屋で過ごすのが緊張するのであれば、個室を設置している病院を選ぶ手もあります。ただ個室だと大部屋より費用がかかってしまう点はご注意ください。
緊急時の提携先の病院
たとえば助産院などは、緊急帝王切開に対応できません。出産時に何かあった場合、個人病院で対応が難しいと判断されると、近くの大きな病院に転院することがあります。提携先の病院もチェックしておくといいでしょう。
一生に一度しかない、その子が産まれる瞬間。ママがどんな風に過ごしたいか考えたうえで、そのほかのこともしっかりと調べてから決めることをお勧めします。筆者のように辛い思いをしないよう、切に願っております。
文・高村由佳 イラスト・天城ヨリ子