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生活リズムを崩さないためには「365日同じ時間に起こすこと」が大事【花まる学習会 高濱先生】

IMG_1371朝から夜まで仕事をして、家事をして、育児をして……。金曜日の夜にはクタクタ。せめて土日の朝くらいゆっくり寝たい。そう思う大人は多いことでしょう。ついつい子どもたちにも「土日はゆっくり寝ていていいわよ」と寝かせてしまう、なんてことはありませんか? 実は、このちょっとした習慣が子どものひきこもりの原因のひとつにつながっているかもしれません。「花まる学習会」代表の高濱正伸先生にお話を伺いました。
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「土日くらいゆっくり寝たい」の落とし穴

以前から社会問題になっているひきこもり。子どもの頃からひきこもってしまい、成人しても部屋から出てこない。仕事にもいけない。いつまでも親のすねをかじって生きている。将来、みなさんのかわいいお子さんがこんなふうになってしまったら……。心配ですよね。

実はひきこもりが起きる家庭には、ある共通の問題点があります。それはなにかというと、朝晩の生活が逆転している。つまり、生活リズムが崩れているのです。この生活リズムの崩れは、最初はほんのちょっとしたところから始まるのです。それは「土日ぐらい遅くまで寝ていてもいいよ」。このたった一言からです。みなさんのご家庭はどうですか?

生活リズムの崩れは思春期以降コントロール不能

人間は、生物学的に健全であれば365日、朝6時半に起きるようにセットされています。とくに小学生くらいの子どもであれば、旅先だろうが、正月であろうが、毎日同じ時間に起こしてやらなければいけないのです。にもかかわらず、親は自分たちが疲れているからゆっくり休みたいと思ってしまう。「お父さん、お母さんは働いていてクタクタなんだから週末はゆっくり寝るよ」。これは別にいいです。ただし、そこに子どもを巻き込んではいけません。
子どもが起きてくると、親は早く起きた子どもに睡眠を邪魔されたくないから「いいよ、いいよ、寝てなさい」というんです。

ここで問題なのは「土日だから」という理由をつけて「寝坊してもいい」というカードを与えてしまうことです。子どもは思春期になったら、親の言うことを聞かなくなります。そしてこう言います。「中間テストの後ぐらい寝坊したっていいじゃないか。うるさいな」と。
高校生、大学生にいたっては、親はまったくコントロールできなくなります。テスト前だけじゃなく、平日がんばったから、前の日バイトで夜遅くまで働いたからと、どんどん朝起きるのが遅くなり、生活リズムが崩れ始めるのです。

「朝起きられない」人の末路

リズムが崩れた人はどうなるか。実は、それがひきこもりの始まりです。
生活リズムが崩れたことでの一番の問題は、ある朝、突然行けなくなってしまうということです。心が弱い人は、「前の日にちょっと嫌なことがあったからもうだめだ。行けない」みたいな傷つき癖があって、「今日は行けないかも……」と始まるんです。

そういうとき、親は「“行けないかも”じゃないでしょ。起きなさい!」と、声をかけなければいけないのですが、子どもの頃から「理由があれば寝坊していい」というカードをもってしまっている子は厳しいです。

「子どもを健全に育てたい」と思ったらやるべきことはひとつ!

長年塾をやってきて、たくさんの子どもたちを見ているからわかりますが、早寝早起きはとても大切です。生活リズムが崩れてしまっていることで、何人ものうまくいかなかった事例を見ています。小さい頃、親が子どもに「寝坊してもいい」というカードを与えてしまうと、大人になってからだんだんコントロールがきかなくなり、ズルズルとそのまま過ごしていってしまいます。

そうならないためにも早寝早起きの習慣を守ることです。朝、起きられないんだったら、早い時間に寝るようにしましょう。子どもには「遅く起きる」という選択肢は必要ありません。365日、同じ時間に起こしてください。それが子どもを健全に育てるために大切なことです。

取材、文・長瀬由利子

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