山根良顕:第6回 “子育て”って力を抜きまくっていいんだって、伝えたいです
現在、子育て情報番組の司会をされている山根さん。番組を通して学んだことが育児にも活きていると語ってくれました。そんな山根さんが考える“子育て”とは?
現在1歳8ヶ月になる娘さんですが、2人でお留守番はしますか?
しますよ。奥さんが友達の結婚式に出る時や、友達とランチに出かけた時は、娘と2人で過ごしています。そういう時は、公園に行ったりドライブに行くことが多いですね。
1年半の育児の中で、“育児ってこんなに楽しいんだ”と思ったことを教えてください
楽しいのは全てですね。成長を見守ること自体が楽しいですよね。昨日できなかったことが、今日はできるようになった! という成長は、日々見ていてわかることだから、すごく楽しいし、使命感もありますよね。自分たちが見ていないとできないことがたくさんあるから。
最初の頃は小っちゃくて身体もふにゃふにゃでかわいかったし、今はそれと違ったかわいさがあるし、とにかくずっとかわいいですよね。今は、笑わせようとしてきたり、「ぷっ」って口で言ってオナラのふりしたりするんです。そういう娘の姿も、すごくかわいいです。
逆に“こんなに大変なんだ”と思ったことを教えてください
大変だなというのはいっぱいあります。まだ1人ではできないことが多いからフォローしてあげないといけないし、しつこかったりとか(笑)。楽しいことを見つけたら、もう1回、もう1回となったりね(笑)。楽しいけど、体力的にパワーが必要だなと思いますね。それに子どもと一緒にいると“楽しい”というだけではないということを学びました。
例えば、どんなことですか?
今よりもっと小さい頃には、「病気になるんじゃないか」とか「熱が出るんじゃないか」、「鼻が詰まっていたら死んじゃうんじゃないか」と心配になりました。初めてだといろんなことが不安になったりするし、“乳児突然死”の話なんかを聞くと、寝ている時も何度も確認したりしちゃうんですよね。
そういう状況で、常に気を張りながら、奥さんと子どもは家の中にずっと一緒にいるんだと思うと、精神的な疲労はとてつもないと思いますね。その間、パパは仕事をして通勤もあって大変だろうけど、通勤中スマホは見放題だし、音楽は聞き放題だし、行きたい時にトイレに行けて、自分のペースでご飯が食べられる。娘と2人で留守番していると、それができないんですよね。トイレに行こうと思っても泣かれて行けなかったり。見たいテレビも拒絶されたりとかね(笑)。これが、結構なストレスですよね。そう思うと、子育てって楽なことではないなと思います。
NHK Eテレ「すくすく子育て」に出演されている中で特に「これが役立った!」という経験はありますか
あります。番組に出演してくれるパパやママに「みなさん、すごくがんばっちゃうから、そこまでがんばらなくてもいいんだよ」と、先生たちがアドバイスするんですが、そんな言葉を聞いているうちに、僕の気持ちもすごく楽になっています。親は、子どもをしっかりと育てなきゃいけない。責任もある。だから、すごく頑張る。だけど、「そこまでがんばらなくても、ちゃんと子どもは育ちますよ」って、先生たちから安心材料をもらうことが多いんですよね。おかげで、力を抜いていいところは、うまく抜くことができるようになりました。
その中で山根さんが考える“子育て”とは?
子育てって、力を抜きまくっていいんですよね。今は「子育てはちゃんとしてないとダメ!」という風潮があるから、ママにかかってくる負担が重過ぎると思うんです。「ちゃんと育ててあげなきゃ」プレッシャーに、ママたちが潰されてしまうんじゃないかと。
昔は、外で子どもたちが遊んで勝手に学んだり、覚えたりしてくることがたくさんあったけど、今はマナーやルールを全部ママが教えてあげなきゃいけない、という流れになっているように思うんです。そんな環境で、ママたちが頑張りすぎちゃって疲れちゃうのは良くないですよね。「力を抜く時は抜いてもいいんだよ」ということが、番組を通してママたちに伝わっていくといいなと思います。本当に素晴らしいタイミングで素敵な番組に出させてもらってると思います。
山根さんは、お子さんが生まれる前に男の子と女の子、どちらがいいという希望はありましたか?
結婚する前から「子どもを持つなら男の子の方が一緒に遊べていいな」という気持ちが漠然とあったんです。女の子だと懐いてくれないんじゃないか?という不安もあったし(笑)。でも、実際女の子だとわかってからは、女の子にはかわいい服を買ってあげたりする楽しみ方もあるな、と思うようになりました。
実際、娘さんが生まれてから、どうですか?
娘、かわいいですねぇ~。やっぱり、いつか彼氏ができたりするのかな?とか考えちゃいますよ(笑)。ショックを受けるのかなぁとか、変な奴じゃないといいなぁとか。結婚する時がいつか来てほしいなとか、結婚しなくてずっと一人でいるのも心配だなぁとか思うんです。結婚したとしても近くにはいてほしいなとか(笑)。これは、親になってみて、初めてわかる感情ですよね。
お子さんは最終的に何人欲しいですか?
2人目も欲しいと考えるんですが、また同じようなつわりになる可能性もあるじゃないですか。そうすると、二の足を踏みます。1人目の時は、つわりがあんなに大変だと知らなかったので。僕が欲しいと思ったところで、辛い思いをするのは奥さんだから、まだわからないですね。
育児のすべてが楽しいと語る山根さん。とにかく娘さんが可愛くて仕方ないようですね。その一方で、奥さんの抱える不安や精神的な疲労にも目を向けているのは“さすが”でした。「ちゃんと育ててあげなきゃ」プレッシャーからパパ・ママが自由になれる社会になるといいですよね。次回は“奥さまとの関係性”について、お伺いしていきます。お楽しみに!
(取材、文・上原かほり 撮影:泉三郎)
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