小学校低学年でも発生?「おねがい」「いいよ」に隠れる上下関係
「女の子ってめんどくさい!」女の子ママは時々口走ります。水面下でめんどくさいことになる女子バトルは、低学年から始まります。
でも低学年のときの乗り越え方が、高学年以降、人間関係の悩みやいじめのストッパーにならないかな?というスタンスで、ポジティブな解決法を考えていきます。
なかなか貸してくれない友達
校庭の鉄棒で遊んでいたBちゃん、そこへやってきた娘とお友達Aちゃん。Aちゃんも「鉄棒をしたい!」と言っているのに、Bちゃんが独占して貸してくれません。娘は「Aちゃんにも貸してあげて」と言いました。でもBちゃんは、「わかった〜!」と口では言いながらも、やっぱりずっと貸してくれません。「ねえ! 貸してあげてよ!」と娘が何度頼んでも、Bちゃんは「もうちょっとねー」とはぐらかしていたらしいのです。
「そういう時、どうしてあげたらいいかな?」と私は娘から聞かれました。
「おねがい」「いいよ」に隠れる上下関係
そこで私はこう答えました。
「うーん……ちょっとね、お友達にお願いしすぎかもしれない」
「お願いします、みたいな言葉って、王様と家来みたいじゃない?笑」
「貸してあげて」と頼まれて、気持ちよく「うん。いいよ!」と順番を代わってくれる子はもちろんたくさんいます。けれどもお願いをされたことで、「自分の方が立場が強いんだ!」と思ってしまう子もいるのです。
学校の鉄棒はみんなで順番に使うもの。「次はAちゃんの番だよ」とさらっと言うだけでいいのに、必要以上にへりくだることはありません。
「貸してあげな!」の上下関係
「そういえば!」と娘。別のクラスメート、少しいばるタイプのCちゃんは、同じような状況の時に、「貸してあげな!」と上から目線で言い放ったらしいのです。するとBちゃんはすっとその場を離れたのだとか。「でも、『貸してあげな!』は逆にいばってる感じがするんだよ」と娘は思ったそうです。
「お願いだから貸して」と懇願するのも、「貸してあげな!」と命令するのも、実は相手との上下関係を自ら作りだすセリフ。
「次はAちゃんの順番」、たったそれだけの事実をはっきり言うことで、相手の心を刺激せずに済んだりします。(もちろん状況によりますし、相手の私物の話であれば話は別です。)
娘は「あ、そうかも! 明日から言い方変えてみる」と言って納得していました。
文字通り未熟な子供たち。言葉や行動も未熟で傷つけ合って、加減を試す時期。専門家ではないので断言はできませんが、一番身近な女子であるママが同じ立場に立って、相手の行動の理由を分析してあげることが一番の薬になることもあると思います。
パパとも上下関係?
さて、それはママ友の人間関係や、夫婦間での家事分担にも通じるかもしれません。
「ゴミ出しお願い」
「いいよ」
この会話に上下関係が生じている場合もあります。
お願いしない。事実を伝えるってこと、試してみませんか?
文・yuki イラスト・ももいろななえ