<優しい夫が消えた?>ボロくても狭くてもいい……今の生活はツラすぎる!覚悟決めた私【後編まんが】
前回からの続き。数年前の話です。私はサオリ。30代半ばのパート主婦です。会社員の夫ヨウジと、小2の娘ミライ、幼稚園年長の息子カナタの4人暮らしです。1年前、念願のマイホームを購入しました。結婚してからずっと「お金を貯めていつか大きいマイホームを手に入れよう」と夫婦で目標を掲げ、頑張ってきました。優しくて真面目で一生懸命家族のために働いてくれる夫を私も全力で応援してきました。しかしいざマイホームを手に入れると、夫ヨウジが豹変し、モラハラがはじまりました。それでもずっと我慢していましたが、先日「誰のおかげで生活できると思ってるんだ」と言われ、とうとう堪忍袋の緒が切れました。さすがにもう限界です。
あのケンカ以来、私たちはしばらく口をききませんでした。
ケンカから数週間もすると、ヨウジは何事もなかったかのようにシレッと声をかけてくるようになりました。あれだけひどいことを言っておきながら、もちろん謝罪のひとつもありません。きっとうやむやにするつもりなのでしょう。
ある夜、子どもたちが寝静まった後、私はヨウジに転職することを告げました。ヨウジの表情が、一瞬だけ真顔になります。
この期に及んでも、ヨウジはまだ家事はすべて私がやるものと思い込んでいるようです。
もうすぐカナタは小学生、そしてミライも小学3年生になります。少しずつですが、子どもたちも手が離れていきつつあります。今までは家のことを優先していましたが、今回のこともあり、徐々に働くほうにシフトチェンジしてもいい時期かなと思ったのです。
夫ははっと息を呑んだ後、一瞬戸惑ったように瞳をきょろきょろさせましたが、すぐに開き直ったような表情になりました。
私はひと呼吸おいたあと、ヨウジをまっすぐ見据えながらきっぱりと言います。
その瞬間、夫の表情がサッと青くなりました。子どもたちには母親と父親、どちらと暮らしたいか聞くつもりです。しかし、子どもを無視してスマホゲームをしたり、壁を汚すなと怒鳴りつけたりしていたヨウジです。子どもたちが、そんな父親についていきたいと言うとは思えませんが。
ヨウジはショックを受けているのか、しばらく呆然としていました。しかしすぐに気を取り直して、いつものモラハラ全開の態度で食ってかかってきました。
事の重大さを理解したのか、ヨウジは次第に追い込まれていきます。いつまでもグチグチとうるさいヨウジにうんざりした私は、きっぱりと言い放ちます。「家がどんなにボロくても狭くても、精神的に安定できる暮らしのほうがずっといいから!」
マイホーム購入は必ずしも幸せとは限らないことを知りました。外側だけ綺麗でも、中身の家族のあり方のほうが何倍も重要だったのです。その後、子どもたちに話をしたところ、2人とも「ママについていく」と言ってくれました。私は新しい会社で働きはじめながら、引っ越しの準備をしています。
私だってできればずっと家族4人幸せに暮らしたかった。でも、モラハラをされ続けて精神を病むくらいなら、自由を選びます。これからは親子3人で力を合わせ、どんなときでも家族に敬意や思いやりを忘れず生きていきたいと思います。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・大島さくら 作画・ゆずぽん 編集・秋澄乃