<高級チョコを……夫に?>「本当に義理チョコ?」モテる夫に不安はふくらむばかり……【中編まんが】
前回からの続き。私は木村ワカコ(27)。夫のユイトと4歳の娘スズと3人で暮らしています。ユイトとは、私が学生のときに知り合いました。2歳年上のユイトのおおらかさに私が惹かれ、アプローチ。私の大学卒業を待って結婚し、すぐに娘が生まれました。幸せな暮らしをしていますが、私は会社に勤めて働いた経験がありません。そのためユイトが毎日会社に行ってどのようなことをしているのか、想像がつかないのです。
バレンタインデーの時期。ユイトはおととしから「坂下さん」という方からバレンタインに高級チョコレートをもらうようになりました。どういう関係なのか、どういう気持ちでもらってくるのかがわからず、私はモヤモヤしています。今日は休日。スズとユイトは2人で水族館に行く約束をしています。
ユイトとスズのやり取りを微笑ましく思いながら、私はラッピングされた箱を取り出しました。休日になり、今週も忙しかったユイトにやっとチョコレートを渡すことができました。デパートの催事場で1時間も悩んで決めたものです。
2人はウキウキと自宅を出ていきました。ようやくゆっくりできる。ふと、坂下さんからユイトへのチョコレートの箱に目が留まりました。いつも私とスズで食べていますが、今日はせっかく1人だし、コーヒーでも淹れてゆっくり味わいたいと思います。
ユイトがあっさりとチョコレートを私に渡してくるので、浮気は疑っていません。でも、職場の義理チョコにしては、ちょっと豪華すぎる気がして……坂下さんの片思い? と想像がふくらみますが、家庭がある男性を一方的に好きになるのは不毛でしょう。ユイトに聞けないままずるずると来てしまって、自分のことながら呆れます。
私とユイトが付き合い始めたのは私が大学1年生、ユイトが3年生のとき。はじめてやってきたバレンタインデーの時期、ユイトはサークルの同期や後輩からいくつかチョコレートをもらっていました。
ユイトにやんわりと聞いてみましたが、「ただの義理チョコだよ」とあっさり流されてしまいました。けれどなんとなくの予感は当たるもので……。
だから坂下さんから高級チョコをもらったとき、「もしかして」と思ってしまったのでしょう。気持ちが顔に出てしまったことで、スズにも心配されてしまいました。
その後、休憩を終え部屋を片付けていると、ユイトの仕事鞄から何かが落ちました。スズがバレンタインのときに書いていた手紙です。
あらためて読むと「パパ だいすき」のかわいい文字が踊っています。スズがこれを書きながら、「大切なひとに贈る手紙だからね」と大人びたことを言っていたのを思い出しました。
スズとユイトの顔が浮かびました。坂下さんからのチョコレートの箱を見ていたときにスズが、「ママ、大丈夫?」と言ってきたことも。あのときの私はきっと怖い顔をしていたのでしょう。
私が大切に思うのは、ユイトとスズです。大切な人にモヤモヤをうまく言えなかったり、心配をかけてしまったりしている自分が、なんだか嫌だと思えました。
ユイトがもらってきているチョコレートは、恋愛の意味ではなく、何か他の好意かもしれません。モヤモヤしたままより、はっきりユイトに聞いたほうがいい。サバサバしている人にとっては遅すぎるかもしれませんが、私はようやく決心できました。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・もえこ 作画・春野さくら 編集・塚田萌