<親の離婚イコール……?>暴力的な父に耐える母と私たち姉妹「……離婚するのかな?」【前編まんが】
私(マコ)は現在33歳です。数年前に結婚して2人の娘がいます。両親は私が小学校高学年の頃に離婚しました。両親の離婚を機に私と4つ下の妹(ミイコ)が2人とも母に引き取られ、私が進学で家を出るまで3人で暮らしました。
自分が親という立場になったからか、最近、両親が離婚したことを振り返るようになりました。ケンカが絶えない両親や、それに怯える私たち姉妹のことです。離婚後の生活で不安に思っていた時期のことも思い出します。
ガチャ。母が玄関を開けると、チェーンがかかっていました。
そして玄関には見慣れない靴が。華やかなハイヒールでした。
その後もう一度外出して、しばらく時間が経ってから家に戻りました。見慣れないハイヒールや母の様子を見て、胸がざわざわするような落ち着かない気持ちになったのを覚えています。今思えば、私たちの留守中に父の不倫相手が父に会いに来ていたのでしょう。
その当時、両親はよく夫婦ゲンカをしていましたが、ハイヒールがあった日を境にケンカの頻度が多くなり、くわえて激しさも増したように思います。
キレた父が、テーブルの上にあった皿を台所に向かって投げていたのです。泥酔していた父は千鳥足でソファに向かい、そのまま寝てしまいました。私は父が割った皿を片付けました。
その後も私は母と父が修羅場になるのを恐れ、父が無防備に出しっぱなしにしていた、飲み屋やアダルトなお店のカード(キャバクラ嬢の名刺や、きわどい写真のショップカード)を見つけるたび、新聞紙にくるんで勝手に捨てていました。
数日後、母と私たち姉妹が寝静まったあとに父が酔って帰宅。当時、夜遅くに父が酔って帰ってくるたび、夫婦ゲンカになる流れが多かったので(今日はケンカしないといいな)と思っていました。
私は飛び起きて、母たちの寝室へ。すると父が、逃げる母を追いかけてなぐりかかろうとしていました。殺気だった父の表情に母の危機を感じ、「お父さん、やめて!」私は走った勢いのまま父を押し倒しました。
そう言われたものの、心臓がバクバクして随分と長い時間、寝られませんでした。
親が離婚イコールかわいそう、という考えが今でもあるようですが、私が子どもの頃はその風潮がもっと強かったように思います。でも私は早く父と母に離れて暮らしてほしいと思っていました。どちらかと言えば、父に出て行ってほしいという気持ちでしょうか。とにかく毎晩のように繰り広げられるケンカが怖くてたまらず、安心して寝られる夜が欲しかったのだと思います。その証拠に、父と母の離婚が決まった日はぐっすり眠ることができました。
原案・編集部 脚本・rollingdell 作画・春野さくら 編集・塚田萌