夫に片想いした仮面夫婦の行く先は? ときめきもせつなさも追体験できる、ママスタ発ラブストーリー
結婚すれば相手へのときめきは薄れていくものですが、ごくまれに結婚してから恋愛が始まることも? ママスタに寄せられたとある悩み相談から始まった、波乱のラブストーリー。見守るママたちも一緒に胸をときめかせ、ときに悲しませたひとつのトピックをご紹介します。この物語が行き着く先はハッピーエンド? それとも…?
すべてのはじまりは「政略結婚したのですが…」という悩み相談
ことの起こりは26歳・専業主婦のあやこさんから寄せられた、悩み相談でした。大学卒業と同時に、5歳年上の男性と政略結婚させられたというあやこさん。
「夫婦になってからも彼とは一緒に暮らしていません。私は義両親が用意してくれたマンションに、彼は『仕事に行くのに便利だから』と会社近くのマンションを借りて住んでいます。妻役が必要なときだけ顔を合わせますが、会話はとくにありません。話すときはおたがい敬語です。結婚当初はひとり暮らしで遊び回れて、生活費ももらえるなんて最高だと思っていました。が、最近ふとこのままでいいのか疑問を抱くようになりました。せっかく縁があって夫婦になったのだから、心を通わせて家族になりたい…。でもこれまで割り切って過ごしてきたのに、今さら「仲よくしましょう」なんて言えないし。どうすれば夫婦っぽくなれますか?」
「政略結婚だなんて、今どきあるの?!」と驚いたママたちからはいくつもの提案が寄せられます。
「まずは歩み寄ってみれば?『用事はないけど、会いたくなって来ちゃいました』とか」
「別居しているマンションに、おっさんと住んでいたら衝撃だよ」
「女がいそう。逆におっさんだったら、あきらめがつく気がする。でも向こうにその気がなさそうなら、こっちから歩み寄るしかないよね」
真面目なあやこさんは、ママたちの質問やアドバイスにも一つひとつ律儀に回答していきます。
「子どもを作るつもりはないのかな?」という質問にも
「じつは手もつないだことがありません。
子どもは『28歳くらいで産みたいな』となにげなく言ったら『じゃあ、そうしましょう』と言われました。ほかに女がいても不思議はないですよね」
などと、お返事。そしてアドバイスを受けて、まずは電話をしてみることにしました。
「勇気を出して電話してみました!
『どうしたんですか?』とびっくりした声だったので
『用はありませんが、ちょっとお話したくて』と、頑張って言ってみました。他愛もない話をしたかったのですがなにせ共通の話題もないので、『では他愛もない世間話をしてください』とフッてみました。すると笑ってくれ…彼が声を出して笑ったのを聞いたのは、はじめてでした。すごく緊張していたので、その声で安心して泣きそうになってしまいました。でもその後もとくに話は弾まず。一応『土日はお仕事がお休みでしたよね?』と尋ねるとそうだとのことなので、彼のマンションに行こうか迷い中です。
食事とか、作って持って行ったら重いですかね?」
「いきなり家で食事よりは、外でのほうが重くなくていいんじゃないかな」というコメントに、
「外に食べに行くなんて、考えもしませんでした! ちょっと聞いてみようかと思います」
はじめて電話をした勢いに乗り、再度誘いの電話をしてみます。
「思い切って誘ってみたら『用があるので』と言われ撃沈していたのですが、さっき折り返しの電話があり誘ってもらえました! しかもいつも会うときはタクシーで現地集合&解散なのに、今日は迎えに来てくれるそうです。わー、緊張します」
と、あやこさん。
勇気を出した電話のおかげで、結婚後はじめてのデートが実現
一生懸命なあやこさんに感化され、寄せられる書き込みも熱を帯びてきます。
「私も祖父母に決められていた結婚です。最初は他人同士のようでしたが、同じ家で同じ時間を過ごすうち少しずつ夫婦らしくなりました。今では子どももふたりできて、この人と結婚してよかったと思えるほどになりました」という体験談。
「素直に『普通の夫婦になりたい』と話してみたら? せめて週末くらいは一緒に食事をして、そのうち子どもができたら一緒に暮らしたいと。嫌な気分にはならないんじゃないかな。距離を縮めたいのなら早いほうがいいし、おたがい努力してダメだったら今のスタイルに戻ればいいしね」というアドバイス。
もちろん「政略結婚したなんて、お金持ちなの?」や「今までキスやエッチはしていないの?」「いいな〜。片想いみたいで、キュンキュン。ちなみにダンナさんはイケメン?」などという、ネットならではのあけすけな質問も。真面目なあやこさんはそれにもいちいちお返事していきます。
「おたがいの親の会社の利益のために結婚しました。
親には『政略結婚でも、時間がたてば夫婦らしくなるわよ。私たちみたいに』と言われました。時代錯誤ですよね。でも中学生の頃から『お見合い結婚するんだよ』と言われていたので、抵抗もなくすんなり結婚しました。とくにうちはお金持ちではなく、一般家庭ですよ」
「結婚してもチューもしていません。変ですよね。主人はイケメンというか…結婚式に呼んだ友達には『(俳優)田辺誠一がメガネをかけている顔』だと言われました」
そんな話から、ご主人の呼び名はいつしか「田辺」に(笑)。
「田辺誠一…最高です。さらにメガネだなんて、萌えまくり。そんなことはさておき、食事に行くのね! こっちまでニヤけちゃう。でも、あせらずにね」
「自分のことのようにうれしい! 誘われただなんて、向こうも意識し始めているんじゃない? 頑張って」
たくさんの応援コメントを胸に、ディナーに向かったあやこさん。
「主人が仕事の連絡で席を立ったので、個室なのをいいことにママスタに来てしまいました…」
と、デートの真っ最中に書き込みに登場します。臨場感ある展開に、読んでいるママたちもドキドキが止まりません。
「食事の最中に『そういえば○○さん(主人)のお部屋に行ったことはないですよね」と言ったら、『このあといらっしゃいますか?』と聞かれ…思わず会話を濁してしまいました。どうする、私? 考え過ぎか、私? 主人はまだ戻ってきていません。
私、今気づいてしまったのですが、主人にときめいてしまっています。好きなのかな」
この告白に、読んでいたみんながいっせいに色めき立ちます。
「なんかキュンキュンする〜。頑張って!」
「ニヤけてしまう〜。部屋に行ってみてもいいんじゃない?」
ディナーに行った翌日、あやこさんからはウキウキの報告が届きます。
「あれから主人の車でマンションに案内してもらいました。
コーヒーをごちそうになっていると、主人が向かいのソファーから私の隣に来て座り、沈黙。今こそ距離を縮めたいことを伝えるチャンス! とわかっていたのですが、動悸がひどくて私もそのまま沈黙しているだけでした。すると彼が『結婚指輪、普段からしてくださっているんですか?』と聞いてきたので『毎日着けています。○○さんはどうなさっているんですか?』と聞き返したら『なんとなく外していましたが、これからは着けようかと思います』と。なんだかすごくうれしかった! 帰りは私のマンションまで送ってもらったので『今日はありがとうございました。お礼に今度何か食事を作って持って行ってもいいですか?』と聞いてみたら、『ありがたいのですが、気持ちだけで十分ですよ。おやすみなさい』…私は軽くフラれているのでしょうか?
ちなみに部屋のテレビボードの棚に、女物のショップバッグがたたんであったのが見えたのですが、どう思いますか?」
報告を受けて盛り上がるママたち!
「読んでいて、こっちがドキドキしちゃいました。次はもう少し会話を頑張れたらいいね。紙袋は怪しいけど、今まで別々に暮らしてきたんだから仕方ないよ。『頑張らなくていいよ』は、ダンナさんもきっとびっくりしたからじゃない? フラれてなんかいないよ」
「頑張ってほしい。おたがいメアドは知らないの? もしわかるなら、昨日はありがとう的なメールを送ってみるとか? おたがい人柄もまだよく知らないだろうし、まずはあせらずゆっくりと知り合わないと」
あやこさんはそんなアドバイスを受け、すぐにメールをしてみました。
「キターーーー! です! メールの返事が来ました! 『こちらこそ食事につきあっていただいてありがとうございました。今夜はご予定ありますか?』って書いてあります! 私なんて今夜は『鉄腕!DASH!』と『イケパラ』観るくらいしか予定ありませんよ。予定はないと返事してみます!」
一歩踏み出したことで、今まで知らなかった事実が次々に…
誰もが清楚なお嬢様をイメージしていたあやこさんでしたがTOKIOファン、しかも城島リーダー推しとわかり(笑)グッとみんなの親近感がアップします。そしてこのままうまくいくのでは?! と期待をした2度目のディナー。が、ここでちょっと雲行きが怪しくなってくるのです…。
「今日は最悪な食事になってしまいました。
最初はネタを用意していっただけあって、会話も弾みはしないもののキャッチボールにはなっていたんですが…。食事が終わる頃に『よければ今日もマンションに寄っていかれますか?』と聞かれました。そこで素直に『はい』とだけ言えばよかったのですがガマンできなくなり、『○○さんには彼女とか、いらっしゃらないんですか? もしいるなら私がお部屋に出入りするのは失礼になるんじゃないかと思って』と言ってしまったんです。するとすっごく冷たく『あやこさんにはいらっしゃるんですか? 私に遠慮はいらないので、自由にされてけっこうですよ』と。カチンときたので『質問に、質問で返すのはやめてください。私にやましいことはありませんので』と言うとタメ息をつかれ『男は信用しないほうがいい。私も含めて、という意味で』と言われました…チーン。つまり”女います”宣言ですよね? タクシーで帰ってきてしまいました。なんであんなことを言っちゃったんだろ。いや、むしろ女がいるとわかってよかった。
いや、よくない! 涙が止まりません。あー後悔。ひとり言を書きまくって、すみません」
混乱するあやこさんを我に返したのは、みんなからのメッセージでした。
「後悔しているなら、メールしよう。仲よくなりたくて電話をしたこと、ダンナさんのことを好きになったこと、昨日女物の紙袋を見つけてヤキモチを焼いたことが今日の発言になってしまったこと。メールして謝ろう」
「今から電話で、好きな気持を伝えられたらいかがですか? 今までが普通の夫婦のようではなかったし、ここで素直な気持ちを伝えなければあやこさんが何を考えているのか伝わらない気がします。応援しています」
ハッとしたあやこさんは「みなさん、本当にありがとうございます。目が覚めました。とにかく最初に嫌な話題を持ち出したのは私なんだから、謝らなければおかしいでしよね。素直にメールしてみます」。
そしてあやこさんが再び頑張ろうとした矢先、これまで隠されていた真実がわかるのです。
「昨夜彼がいきなり部屋に来ました。
すごくびっくりしましたが、みなさんにもらったアドバイスを脳内で復唱しながら
・結婚したのだから家族になりたい・好きな気持ちに気がついた
・紙袋のことと女がいると言われてショックだったことの3点を伝えました。
彼はずっと沈黙していたあと、
『正直、突然で戸惑っています』と言いました。
『女性問題について、私の勘違いですか?』と聞くと『最低だと思うでしょうが、勘違いではありません」とはっきり言われました。
そしておたがい望んだ結婚ではなかったので、私も割り切っていると思っていたこと。
たぶんほかに男がいると思っていたこと。
結婚前に本気でつきあっていた彼女がいたが、愛人にするわけにもいかないので別れたこと。
そこからは何人もの女性と割り切ったつきあいをしてきたこと。
そうしたことを告げられました。『もうわかったので、帰ってください』とお願いすると『帰りたくないというのは、勝手ですか?』と聞かれたので『今一緒にいることは無理です。アタマが混乱しています。○○さんに女性がいても離婚しようとは思いませんから、安心してください』とだけ超早口で言って、寝室に飛び込みました。部屋の外から名前を呼ばれましたが『早く帰ってよ!』と言ってしまいました…初タメ口。ハハハ。せっかくみなさんに応援していただいたのに、全然ダメな結果になってしまいました。
結婚しているのに、失恋してしまいました。
みなさん本当に親身になってアドバイスしてくださったのに、こんな報告になってしまって本当に本当にすみません」
少しずつ自分の感情を相手にぶつけるようになっていくふたり
ショックを受けたあやこさんでしたが、これまで一緒にドキドキしてきたママたちもそれは同様でした。
「割り切ったつきあいは、これからも続けるつもりなのかなぁ。親同士が決めた結婚だと、浮気もガマンしなくちゃいけないの? っていうか、割り切ったつきあいってなんだよ!」
「えーーーーヤダーーー! 今晩家に行ってごめんなさい、好きですって抱きつくのはダメなの(;;)?」
最初は取り乱していたママたちでしたが、時間とともに冷静な意見が目立ち始めます。そして、それがあやこさんを次の行動へと押し出すことになるのです。
「気持ちはすごくわかります。でも今まで無関心でいて数日前にはじめてまともに食事したのに、突然『女がいるなんてショック』と怒られてもダンナさんも驚きだと思います。こちらの気持ちは伝えたのだから、次はあちらの気持ちを聞く番だと思います。逃げたくなるかもしれませんが、ダンナさんに歩み寄る気持ちがあるのか、このまま仮面夫婦を継続していきたいのか。どのみち、このままではもういられないですよね」
「私は焦りすぎだと思うな。知り合い程度だったのが急に夫婦になりたいなんて言われても、田辺だって戸惑うよ。ゆっくりおたがいのことを知っていけばいいじゃん。いきなりどうしたいかを告げられても、田辺だってあやこさんのことをよく知らないんだもん」
「みなさんのアドバイスを読んでいるとハッとすることがたくさん書いてあって…。勝手に気持ちを伝えて彼が戸惑うのは当たり前なのに、思いやりがなかったと反省しました。みなさんの親切なお言葉を見ていると、それだけで前向きな気持ちになれます(涙)。
ところで真面目な内容なのに主人のことを普通に”田辺”と書いてあるので、吹き出してしまいました。
今度あったら間違えて『田辺さん』と呼びかけてしまいそうです」と、あやこさんも気持ちに余裕が出てきます。
その後ご主人から「電話しているのになぜすぐ出ないんですか?!」とキレ口調の電話があると、あやこさんもみんなのアドバイスを忘れつっけんどんに「何かご用でしたか?!」と返答。おたがいに少しずつ自分の感情を出していくようになるのです。
「安心したり不安になったり、たくさん話したりケンカしたり…。絆ってそうやって深まっていくんですよね。忘れていた気持ちを思い出しました。ありがとう」と、まわりで応援しているママたち自身もふと我が身を振り返ってみたり。
そしてお待ちかねの続報が届きます。
「まずは昨夜の失礼を謝り、私が彼を好きな気持はたしかなので今後について話し合いたいことを伝えました。
結論からいえば、時間がほしいそうです。今女性と切れていないことと、主人自身も自分を見つめ直したいそうです。私のことは正直これまでそういう対象として見ていなかったそうですが、
『もちろん離婚という選択肢は私たちにはありませんので、それだけははっきりお伝えしておきます」と。
来週の水曜日に一緒に来てほしい集まりがあるそうで、その日にまた会って話しましょうということでした」
「元カノの話にもなりました。とても真剣につきあっていたそうで、私と結婚するために別れたこと、だから当初は私が悪いわけではなくても私のことを快く思えなかったこと…。今はそんなふうには思っていないけれど、だからこそ恋愛対象として見たことがなかったそうです。元カノにもう恋愛感情はないけれど、たまに相談に乗ったり飲みに行くこともあるそうです。
なんでもかんでも正直に言いすぎだよ! とノドまで出かかりましたが、ゴックンしました」
悲しみのどん底へ…そしてトピックも閉鎖に?!
その場では泣くのをグッとこらえたというあやこさんですが、ついに感情が爆発。
「悲しいです。
何が悲しいって、私との結婚が原因で元カノと別れた、それで私をウザいと感じていたって…。私のせいじゃないし! そんなに元カノが好きだったなら、会社をやめて家出して彼女と結婚すればよかったんじゃないの?! なんで私が笑ってほしくて一生懸命しゃべっているのに、口角上げて聞いてるだけなの? しかも片方だけ!
笑ってよ! あー悲しいよー。会いたいよ」
このコメントを受けてみんなの涙腺も崩壊するのですが、一方で「これ、どうせ作り話でしょ?」と横槍を入れるコメントも現れます。「田辺! こっちこい! 田辺め! コノヤロー、悲しませやがってー」と、エスカレートしていく書き込みも現れ、「妄想が激しくなってきたよね」「もう、いい加減にしてほしい」という人も出始めます。
それを受けたA子さんはこのトピックを閉めることを決意します。
「私はこのトピを立てて、はじめて彼に対して行動を起こせました。本当にみなさんのおかげです。でもこうやって書き込むことで不愉快な思いをされる方もいらっしゃるのが現実なんですね。申し訳ありません。トピを閉めさせてください」
えっ! こんなモヤモヤした状況のままで終わりにしちゃうの?! 応援してきたママたちからは、再開を望む熱烈な声が寄せられます。とはいえ全体のコメント数を見れば、終了宣言後も残りのコメントが1,000件以上あることがわかるので再開は予想できるのですが(笑)。
「閉めたあとにもたくさんのコメントをいただいて、なのにお返事もせず申し訳ありませんでした。皆さんが貴重な時間を使ってアドバイスしてくださっていたのに、心配かけっぱなしで閉めるのは本当に恩知らずな行為でした。まだ反省中ではありますが、水曜日まではこのまま報告させていただいてもよろしいでしょうか?」
「みなさんからのアドバイスを拝見するうちに、だんだん自分に足りない部分が理解できてきた気がします。好きだという気持ちは伝えましたが、好きになってもらう努力が足りなかったというか。彼からは『時間がほしい』と言われていましたが、その後も何度か連絡をもらっているのだから、そのとき素直に『電話をくれてうれしい』と態度に出せばよかったのかもしれません。彼のことを淡々としていて何を考えているのかわからないと思っていましたが、私こそ彼に対して壁を作っていたような気がします」
素直になろうとするあやこさんに寄せられる、温かなメッセージ。
「あれやこれやと考えすぎず、自分に正直になればよいと思いますよ。いってみればどこの夫婦だって他人同士。仲よく見えても家庭内ではいろいろあります。相手に愛情を求めるのなら、まずは自分から相手を思いやる気持ちが大事。”ほしい、ほしい”では本当の愛情は返ってきません。頑張って、自分の素直な気落ちを伝えられる日が来るといいですね」
あやこさんだけでなく、読んでいる他のママたちにもじーんとくるこんなコメントも…。そしてあやこさんがまた頑張ろうと思い始めた折り、ついに事件が。
それって誰のこと? 一本の電話が思わぬ展開に
少しでも前進したいと思ったあやこさんがご主人に電話をすると、どうやら飲み会の真っ最中──。
「急用ではないので切ろうとしたら、彼が電話の向こうで誰かに『やめろよ、飲みすぎだよ』と。すると電話口に出た男性が『○○ちゃん? 土曜の夜にごめんねー。もう話は終わったから、よかったら○○ちゃんも出てきなよ、ね?』とガーッと言うので『すみません、どなたですか?』と聞くと『え? え?』とあちらもびっくりした様子で。すると彼があわててそれに代わり『申し訳ない、友人が酔っていて失礼なことをしました』と。○○ちゃんはなんとなく元カノか今つきあっている方だろうと思ったので、『いえ、気になさらないでください』と言って切りました。するとすぐ折り返しがあり『さっきのことは…』とだけ言いかけ沈黙するので、『元カノですか?』と聞いてしまいました。『違います』と言うので『問い詰める筋ではないのはわかりますが、誰ですか? ただの友達ですか? さっきの男性は誰ですか?』と聞くとだいぶ沈黙されたあとに『それも違います。さっきのは△△です、大学時代の…(私も会ったことのある方でした)』と言われて…」
そこでアタマのタガがポンと外れてしまったというあやこさんは、こう一気にまくし立てたそうです。
「女がいるのは仕方ないけど、友達公認でつきあっているっておかしいんじゃないですか? 私だって○○さんのまわりの方とお会いする機会がありますよね、結婚式とか集まりとか。なのに友達に彼女を会わせるって、何よ? あなた既婚者だってこと、忘れているわけ? 一応不倫なんだから、隠れてやるのが道理でしょ! っていうか結婚したときそっちから別居するって言い出したのに、勝手に女作ってんじゃねーよ!!」
これまで「素直になって」「もっと田辺さんの気持ちを考えては」とアドバイスしてきたみんなも、いっせいにあやこさんを「よくぞ言った!」と褒め称えます。
「なんかすっきりした。恋人同士だってケンカくらいするよ。冷静でいられないくらいの気持ちをぶつけられて、よかったと思う」
「やるな、あやこ。理不尽にキレているわけじゃないんだから、大丈夫だよ。そりゃキレるよね。友達公認にするとか、田辺が調子に乗りすぎているし、その女とはセックスだけの関係じゃないのは間違いないね」
翌日、ご主人はあやこさんのマンションを訪れます。しかも電話で話をした、大学時代の友人を連れて。
「△△さんは何度も頭を下げられて、帰って行かれました。
そのあと主人は部屋に上がるなり『申し訳ありませんでした』と土下座してきました。まさか土下座されるとは思わなかったので私もあわてて『もうやめてください!』と願いすると、ようやくイスに座ってくれました。まず私が昨夜声を荒げたことを謝り、思い切って『割り切った関係ではなく、本気でつきあっているんですか?』と訪ねました。彼が『信じてもらえないかもしれませんが、本気の女性はいません。友人と会わせたことは、軽率すぎました。もう二度としません。男として最低でした』と言うのでそれ以上責められなくなり、『お話はわかりました。もういいですから、謝らないでください』と言いました。すると彼がまたしばらく黙ったあとで
『どうしていつも責めないんだ? 結局またこれで今まで通り、向き合えない夫婦に戻るということですか』と」
するとまたあやこさんのタガが外れてしまいます。
「はぁ? 逆ギレですか? あなた、私にどうしてほしいわけ? 私が浮気しないでーって、泣けばいいの? それなら昨夜ひとりでやったから、大丈夫ですから」
「どうして俺の前でそんなふうにしないんだよ?!」
「泣く原因が、あなただからでしょ?」「……もう、敬語、やめませんか?」
そして結局またXデーの水曜日まで、頭を冷やすことにしたそうです。
「彼は彼なりに、まだ考える時間がほしいそうです。私にも本当にこの先ずっと自分を信じて一緒にいたいのか、今までのように距離をおいて暮らしていくのがいいのか考えてほしいと言われました。敬語でない会話は、慣れずに逆に難しかったです。今でも彼を好きですが、『こんな俺を信じられるのか』と言われ、思わず『今はわからない』と言ってしまいました。
これが本音です。まず、頭を冷やします」
みんなの応援が導いた、ハッピーエンド!
もやもやとした気持ちのまま数日が過ぎ、とうとうある結論にたどり着きます。
「気にしてくださっているのに、なかなか報告ができずに申し訳ありません」と、普段のあやこさんらしい丁寧な書き出しから、報告は始まります。昨夜ご主人があやこさんのマンションを訪問。またも沈黙からスタートしたそうですが、あやこさんは勇気を出してこう宣言します。
「私は離婚したくないよ。好きだから。そりゃ最初は会社のために結婚したけど、今はもし離婚しても会社の迷惑にならないと言われても、離婚したくない。○○さんが好きです」
「…ごめん、申し訳なかった」
「ごめん、なの? 気持ちに応えられなくてごめんなの?」
「信じてもらえるとは思っていない。でも、話を聞いてほしい」
「わかった」
「ちゃんと女と別れてきたから。結婚した当時は昔の彼女のこともあって、あやこのことをよくない目で見てきた。でもだんだんそんな気持ちはなくなってきた。家族や会社関係ともうまくやってくれて、ありがたいという気持ちを持つようになった。気持ちの面でも頼りにするようになっている。でもあやこは別々に暮らしていることに満足しているように見えたし、自分もそこに甘えて遊んでいた。金曜日に電話がかかってきて本当に驚いたけど、いつもの感じじゃないことがうれしいと思った。『他愛もない世間話をしてください』と言われて、そのときすごくかわいいと思ったし、好きになったよ」
それなのにその後あやこさんから告白されたとき「時間がほしい」と言ってしまったのは、ほかに女がいるんじゃないかと言われたから、嘘をついてもうまくいくわけがないと思っていたから、女がいるのにあやこさんを好きになったと言って軽い男だと思われたくなかったから…。あやこさんはこう続けます。
「彼が急に立ち上がってフローリングに正座して、『許してもらおうとは思っていない。一生かけて償います。どんな形の夫婦でも、不倫をしていい道理はなかった。もう絶対に女関係で苦労はかけない。だから、これからは俺についてきてください』と言われました。私はすぐには何も言えず固まってしまっていたのですが、『嫌と言わないでくれ』と言われたので『嫌なわけがない、うれしい。なんと言っていいかわからなくて黙っちゃうのはよくないと最近わかったから、思ったまま言う。うれしい。うれしすぎる』と言いました。とりあえず昨夜はマンションに彼がそのまま泊まり、先ほど帰りました。今夜からこちらに帰るようにするそうです。まだ信じられないけれど、今日から一緒にいられるんだー! と飛び上がりたいくらいうれしいです。
みなさんにたくさんたくさんアドバイスをもらって優しさをもらって、自分に足りないものや欠けていたものを見つけることができました。
本当にみなさんのおかげです!」
あやこさんが一番最初に悩みを投稿してから、半月足らずで辿り着いたハッピーエンドです! 「おめでとう」のコメントが次々に押し寄せました。
「あやこさん、おめでとうございます。報告を読みながら、泣きました。最初から応援していて、いつのまにか恋愛小説を読んでいるみたいに感情移入していたようです。本当にハッピーエンドでよかった。夫婦としての生活はこれからですが、きっとあやこさんなら幸せな家庭を築けます。お幸せに」
「おめでとう!! あやこ~! 自分のことのようにうれしくて泣いた(笑)。田辺は寂しがりやっぽいから、その気持ちに共感してあげるといいんじゃないかな。これから素敵な家庭を築いてね!」
喜びや悲しさをA子さんと一緒になって追体験するうち、自分までこの物語の主人公になったように感じた人が多かったようですね。「今、こんなことがありました」というネットならではの臨場感や、本当は素直なのについ意地を張ってしまうあやこさんの愛されキャラも、このトピックスを盛り上げた大きな理由でしょう。
一番最後にある書き込みは、トピが終了してから数年後にあやこさんがママスタに寄せた「その後の話」です。晴れて本当の夫婦になったふたりは、今どうしているのか? 当時このトピックスに参加していなかった人だって、やっぱり気になりますよね。長い長いトピックなのであらすじをチェックしていくのもよいのですが、この物語を丸ごと味わいたいのならぜひ全コメント込みで最後の書き込みにたどり着くことをおすすめします!
文・編集部 イラスト・さど
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