いつでも、どこでも、ママに寄り添う情報を

【お金のギモン解決!第4回】年金はきちんと納めていますが!私たちは将来年金をもらえるのですか?

中野晴啓さま4

前回からの続き。20歳以上の国民が納めている年金。将来もらえなくなる、という心配はないのでしょうか。年金は大切な老後の資金ですから不安に感じているママもいるかもしれません。そこで日本の年金制度や、将来もらえるはずの年金について、「なかのアセットマネジメント」の代表を務める中野晴啓さんにうかがいます。
中野様.prof

年金制度がなくなることは考えにくい。でも……?

――年金制度は少子高齢化に伴って破綻する! という話を聞いたりもします。本当でしょうか?

中野晴啓さん(以下、中野さん):私は日本の年金制度が破綻することはないと考えています。というのも年金などの公的制度が破綻してしまったら、国の信頼に関わるからです。公的制度さえも維持できない国と思われては、日本の価値は大きく下がってしまいます。それは絶対に防がなければなりませんから、国はどんなことがあっても年金制度を守るでしょう。

――年金制度はなくならないとしても、もらえる金額が減る可能性はありますか?

中野さん:その可能性はおおいにありますね。現在年金をもらっている人たちと同じ額を、将来私たちがもらうのは難しいかもしれません。今の年金制度を維持するためには、現役世代の負担を増やすこと、年金をもらう側の年齢を上げること、この2つが鍵になります。後者については、令和2年の年金制度改革で年金をもらい始める時期の選択肢が増え、仮に75歳からもらうとしたら、65歳でもらうよりも84%増額となりました。

日本は長い間、60歳で定年退職し年金生活が始まることが前提にありました。それは人生80年と考えられていたからです。しかし今は、人生100年時代。60歳はまだまだ現役ですし、70歳まで働くのが当たり前の社会になってきています。そのように社会が変化しているのですから、制度もそれに合わせて変わっていくのは当然でしょう。

年金は自分の子どものためと考えよう

――年金制度が変わるのは仕方ないとしても、もらえる金額が減ったり、もらえる年齢が上がったりすることには不満を感じる人も少なくないのでは? 「それなら納めたくない」と考える人もいそうです。

中野さん:年金は今もらっている人の分を自分たちが払っていると考えると、納めたくないと思ったり投げやりになったりするかもしれません。でもここは考え方を変えて、将来の子どもたちのために納めていると考えてほしいのです。納めない人が多くなればなるほど、その皺寄せは子どもたちにいってしまうわけです。子どもたちの負担が大きくなって、生活が大変になってしまうかもしれない。それを防ぐためにも、年金を納めるのはとても重要なことなんです。

(編集後記)
中野さんから「年金制度は破綻しない」とうかがい、正直ほっとしました。納める金額が増えるのでは? 年金受給開始が遅くなるのでは? と不安に感じることもありますが、将来の子どもたちのためと考えると、制度を維持することの大切さもわかる気がします。
次回は、国民が負担している税金に関してのお話をうかがいます。

※本記事は2023年10月に取材を行いました。記事の内容は取材時時点のものです。

第5回へ続く。

文・川崎さちえ 編集・すずらん イラスト・加藤みちか

関連記事

【お金のギモン解決!第1回】買い物に行くと「高っ!」食料品や日用品が値上がりを続ける理由は何?
買い物に行くと、以前よりも食料品や日用品の価格が上がっている! そう感じる人は多いのではないでしょうか。さらに生活を支える電気やガス、水道の料金の値上がりも家計を直撃しています。なぜこれほどまでに...
【お金のギモン解決!第2回】なぜ今の日本では給料がなかなか上がらないの?理由は……
前回からの続き。「ここ何年も給料がほとんど上がらない」そんな悲鳴にも近い声がニュースでも話題になっています。物価が上がる中では、給料が増えないと生活が苦しくなるばかりです。今回も「なかのアセットマ...
【お金のギモン解決!第3回】貯金が一番安全と親にも言われて信じていたのに……違うの!?
【第1回】から読む。 前回からの続き。子どもの教育費や自分たちの老後の資金として、貯金をしているママも少なくないでしょう。「お金は金融機関に預けておけば安心」と考えているからかもしれません。けれ...