<30歳のおばあちゃん!?>自分の子がほしい!「家族を大切に」は洗脳?逃げよう!【第5話まんが】
前回からの続き。私はユウナ。一回り年上の彼、ジンと結婚しました。ジンには元奥さんとの息子、大学生のアスカがいます。ところが私たちの結婚後すぐにアスカの彼女カリンの妊娠が判明したのです。やがて2人の間にキラという赤ちゃんが生まれ、私たち夫婦とアスカ夫婦は同居をすることに。しかし産後のカリンは心を病んでしまい、キラを私たちに託して実家へ戻ってしまったのでした。その後、2人は離婚し、キラを引き取ったアスカ。しかし当時の彼はまだ高校生なので、結局キラの子育ては私ひとりで担うことになっていたのでした。
私の義理の息子であるアスカは、2歳の息子、キラを私に丸投げして大学生活を謳歌しています。親の愛情を十分に受けず育っているキラは、愛情不足からなのか毎日癇癪を起こして暴れまわっています。私はそんなキラをどこか冷めた目で見つつも、一生懸命身の回りのお世話をしてきました。
しかし、キラのお世話は本当に大変で、家でも外でもトラブル続きです。私は疲労困憊で、このままでは心身ともに壊れてしまいそうでした。
正直、いまだに「ママとしての愛情」がどんなものなのかわかりません。何をされても可愛いと思えるような、無償の愛? 自分の命と引き換えにわが子を守ろうとする覚悟みたいなもの? は芽生えていません。
私はただ、誰もしないから仕方なくキラの世話をやっているだけなのに。でもそんな私の空虚な気持ちを知ってか知らずか、ジンは瞳を輝かせながら話を続けます。
アスカの将来を考えたら、子どもがいないほうが再婚に有利だとか、アスカには未来があるだとかムチャクチャな言い分を並べながら「いい案だろう」と言わんばかりにドヤ顔で語り続けるジン。私の不満はとうとう抑えきれなくなりました。
どうして私ばっかり我慢しなくちゃいけないの!? 私だってジンとの子どもが欲しかったのに。本当は結婚後にすぐ妊活をしようと思ってたけれど、先にカリンに子どもができたから……私の人生計画はアスカたちのせいでめちゃくちゃでした。
「私は血のつながった自分の子どもを産みたかった!」そう主張する私に向かって、ハアーッと深くため息をつき、軽蔑したような目で私を見てきました。
私は「自分の子どもを産みたい」という気持ちをエゴだとバッサリ切られ、キラを息子として受け入れられないだけで冷酷と言われてしまったのでした。
「血がつながった子どもじゃないと愛せないっていうのは、ユウナのエゴだ。血のつながりがなくたって愛せるだろ。一緒に暮らしていくことで、本物の親子のような絆が生まれる。それが人間ってものだろう?」これがジンの本当の気持ちだとしたら……もう私たちは分かり合えないのかもしれない。
「ユウナにはすごく感謝してる。ユウナじゃなきゃできない。」それは、甘い言葉のようでしたが違います。これは洗脳です。私はこの言葉に騙されて何年もここに縛り付けられていたと気が付きました。
ジンの手を振り払い、私はマンションを出ていきました。キラが昼寝から目覚めたら、どうなるのでしょうか。私の代わりに世話をして、夕食を食べさせてお風呂に入れて歯磨きや寝かしつけまで。普段から育児を私に丸投げしてきた人たちに、これができるのでしょうか?
ふと心配になりましたが、それでも私は走り続けました。とにかくあの場所から、ドロドロした地獄のような空間から逃げ出したかったのです。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・大島さくら 作画・まゆか! 編集・横内みか