<最愛の母との別れ>心の穴は埋められないけれど「子どものため長生きする」前を向く【第4話まんが】
前回からの続き。最近のお話です。私は25才のアリサ。2才半のミユと10ヶ月のユナを育てるママです。夫のコウタと協力しながら家族4人で元気に暮らしています。実家はわが家から新幹線で3時間ほどの距離にあり、私と母は毎日のように連絡をとってそれぞれの日々を共有していました。しかしある日、母が突然亡くなったのです。「当たり前」だった日常が一転してしまった瞬間に、私は心がついていきませんでした。さらに葬儀後に母の遺品を片付けていると、母が死産だった弟たちを想いながら「お母さんも死んだら、会いに行くからね」と綴った手紙を見つけてしまい……。今ごろ天国で家族団らんをしているのかと思うと、無性にうらやましくなってしまう自分がいて、私は自分の気持ちに整理がつかないまま泣いていたのでした。
私の様子を心配して見に来たのは、亡くなった母が庭で倒れているところを発見してくれた隣家の宮川さんです。母の死という現実を目の前にして、今まで我慢していた何かが一気に崩れ、涙が止まらなくなってしまった私。そのそばで宮川さんは、ただただ寄り添ってくれたのでした。そして……。「あのね、アリサちゃん……。お母さんが亡くなって空いてしまった心の穴はね……埋まらないのよ」
「寂しいけれどね……時間はかかるかもしれないけれどね。ああしておけば良かった、なんて後悔、誰でもする。それでもね、たくさんの後悔を抱えながら、心に空いた穴に慣れながら、それでも生きていかないといけないのよ」宮川さんの言葉は私のぐちゃぐちゃの想いをひとつひとつほどくように、優しく胸に響きます。
「そうやって日々を積み重ねていって、ある日振り返ると、お母さんのことを笑って話せる日がきているはずだから。だからたくさん泣いて、悲しみなさい。……それで……自分の子どもたちには、こんな想いをさせないためにも……。あなたはもっと長生きしなさい」「……おばさん……」
「お母さんが亡くなってしまった年齢よりも、もっとずっと、ずーっと、おばあちゃんになるまで、長生きしなさい。いつかアリサちゃんが天国に行ったときに、お母さんやお父さん、弟たちに『おばあちゃんになったんだね!』って驚かれるくらいにね」
振り向くと、宮川さんの後ろにホテルに向かったはずの夫と娘たちがいました。「ママー! だいじょーぶ? 『えーん』しちゃったの?」ミユが泣いている私に抱きついてきます。「ミユ、いるからね~。だいじょーぶだよ~」私はミユを抱きしめながら、ワンワン子どものように泣きました。
母がいなくなってぽっかり空いた心の穴はふさがることはない……。ただその穴が空いた状態に慣れるだけ。まさにその通りなのかもしれません。けれど自分と同じ悲しみを子どもたちにさせないためにも、私も健康に気を付けて長生きしなくては……。そう思えたことで、少しだけ前を向くことができた気がしたのでした。いつか私が天寿を全うしたら、おばあちゃんの姿で天国で家族と再会して「こんなに年を取るまで頑張ったのよ」と驚かせたいと思います。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・渡辺多絵 作画・りますけ 編集・井伊テレ子