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栃木県矢板市・齋藤淳一郎市長 第1回「矢板市が特に力を入れた3つの支援」

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栃木県は北関東に位置するいちごの生産が盛んな県。県庁所在地の宇都宮は餃子の製造販売に力を入れています。
今回インタビューに答えてくださったのは、そんな栃木県の北部に位置する矢板市の市長、齋藤淳一郎(51)さんです。3人のお子さんのパパでもある齋藤市長。矢板市を子育てしやすい街にするため、市長として新しい取り組みもスタートさせました。
妊婦さんや産後のママのケア、そして子どもたちのサポートなど、矢板市ならではの取り組みについてお聞きしました。
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東京から車で2時間。矢板市の魅力とは?

――齋藤市長は、ここ矢板市で生まれ育った「矢板っ子」とお聞きしました。そんな齋藤市長から見て、矢板市はどんな街ですか?

齋藤淳一郎市長(以下、齋藤市長):矢板市は東京から約140km、東北自動車道を使えば2時間ほどで到着する栃木県の北部に位置します。矢板インターチェンジと矢板北スマートインターチェンジの2つを利用できるので、アクセスもしやすいと思います。
スポーツも盛んで、私立の矢板中央高校のサッカー部は過去10年間で全国高等学校選手権大会ベスト3が3回、ベスト8が1回という成績を残しています。観光では、日光国立公園の中に含まれる「八方ヶ原」のレンゲツツジ、そして神秘的なブルーで人気の「おしらじの滝」が、おすすめスポットです。人口は3万人ほどで小さな街ですが、子どもからお年よりまで誰もが暮らしやすい街づくりを目指しています。

矢板市が力を入れて取り組んできた3つの子育て支援

――矢板市が最近、子育て面で取り組んでこられたことはありますか?

齋藤市長:大きくわけて3つあります。1つ目は「矢板市子ども未来館」の創設、2つ目に給食費の補助、3つ目に「中学生放課後学習塾」の開校です。
まず1つ目に挙げた「矢板市子ども未来館」についてですが、令和3年2月に「矢板市子ども未来館」(愛称:イケポス池田キッズハウス)がオープンしました。1階に矢板市の木材を使った大型の遊具を設置し、2階には個室の子育て相談室、中学生や高校生が利用できる学習室、調理室、飲食ができる休憩場所がある総合施設です。子どもたちが集う場所に大型遊具をもつ自治体は少なくありませんが、2階にさまざまな用途に応じた部屋をもつところは珍しいのではないでしょうか。ママ・パパたちが気軽に利用できる場所をつくることで、ママ・パパたち同士がネットワークを作り、子育てで孤立しないように、と考えています。

――子どもたちの遊び場とはどのようなスペースですか?

齋藤市長:1階が、子どもが自由に遊べるスペースになっています。なかには他の子どもたちの輪に入れない、遊び方がわからないお子さんもいるようですが、そのようなときには、資格を持った児童厚生員がお子さんの発達に合わせて「こんな遊びをしてみない?」と提案しています。親御さんも専門家の提案によってわが子の興味に気づいたり、接し方を学んだりと新しい発見をされるようです。

学校給食費の補助で家計をサポート

――2つ目の給食費の補助について教えてください。

齋藤市長:近年の物価上昇の影響を受けて、同様の取り組みをしている自治体もありますが、矢板市は令和元年に1ヶ月分、令和2年は2ヶ月分、令和3年は3ヶ月分の給食費を補助しました。令和5年も3ヶ月分の補助をしています。
また給食で使う食材は地産地消を掲げ、お米は矢板産、野菜もできるだけ地元のものを使うようにしています。子どもたちには、食からも矢板市のよさを感じてもらいたいですね。

中学生放課後学習塾で受験生をサポート

――力を入れたことの3つ目にあげられた「中学生放課後学習塾」とはどんなものですか?

齋藤市長:令和5年6月に中学生が利用できる放課後学習塾を開校しました。対象は中学3年生で、令和6年3月までの10カ月間、数学と英語の授業をそれぞれ22回行います。学習塾といっても講師が一方的に教えるのではなく、生徒が自分で課題を見つけて勉強をする場所です。部活のない日の放課後に民間の塾講師が指導にあたっています。

――学習塾を開校した目的はなんですか?

齋藤市長:中学3年生は受験を控え、学校や塾での学びのほかに、自宅での自主的な学習も必要です。そのため自主性が伸びるようなサポートをする学習塾を目指しました。自治体が民間の塾講師に依頼するのは県内でも珍しいケースですが、生徒たちにとっても学校とは別の先生との学びは刺激が大きいようです。

(編集後記)
齋藤市長が子育て支援として特に力を入れてきたと話す3つのことは、妊婦さんから義務教育中の子どもたちまで、トータルでサポートする子育て支援策でした。
第2回では、栃木県内で初めて宣言した「こどもまんなか応援サポーター」について具体的にお聞きします。

※取材は2023年11月に行いました。

第2回へ続く。

文・川崎さちえ 編集・すずらん イラスト・crono

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