<不倫だった父と母>「子どもは罪悪感を抱く必要はない」心が軽くなった父の妻の言葉【第6話まんが】
前回からの続き。私はユウカ。現在交際中のシンタと結婚することになりました。私の両親は、私が中学生のときに別れてしまったため、結婚式には父も呼びたいと母に話します。すると父と母が実は不倫関係で、私はその末に生まれた子どもだという事実を知ることに……。さらにそのことを知った直後、父が余命わずかで、私に会いたいと言っているとの連絡が入りました。私自身もまだ両親の事実を受け入れることができていませんでしたが、散々悩んだ挙句、私は父に会いに行くことにしたのでした。
大きく息を吸い、思い切って病室の扉を「コンコン……」とノックをします。すると……病室のドアが開きました。眼の前に現れたのは恐らく奥さんでしょう。「ユウカさんね?」その声を聞いた途端に、恐怖と緊張が最高潮に沸きあがってきました。
私がうつむいて立っていると……「……顔を上げなさい!」と叱咤されました。「あの……。本当に……すみませんでした……」
「なんであなたが謝るの? 母親のことであなたが罪悪感を抱く必要はない!」
「言い方を変えれば、あなただって私と同じ、両親の不倫の被害者じゃない。何も悪くないあなたを責めるほど、私は落ちぶれていないの。早く入りなさい」言い方が強く一見怖い人でしたが、その言葉には優しさと誠実さを感じました。
「ユウカさんが来てくれたわよ」そうして私は、病室に足を踏み入れました。10年以上ぶりに会った父は、見るからに弱々しくなっていました。
かつての面影はほとんどなく、静かに最期を待っていることが一目でわかりました。ただ、私のことを見つめる目が記憶の中の父と同じあたたかさをしていたのです。「お父さん……」私は自分の感情を上手く表現できず黙り込んでしまいました。言いたいことがたくさんあったはずなのに……。
想像の中で、私は父に不倫を問い詰め、非難して、きつく当たっていました。でもいざ父を目の前にすると言葉がなにも出てこないのです。代わりに涙が溢れて止まりません。
「母親のことであなたが罪悪感を抱く必要はない」父の奥さんはハッキリ言いました。その力強い言葉に、なんだか心に引っかかっていたものがストンと落ちる気がしたのです。そして久しぶりに父の顔を見て、言葉にならない感情が涙となって流れていました。「ごめんなぁ……」母と同じく、父も私に謝るばかりです……。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・渡辺多絵 作画・よしはな 編集・今淵凛