<父と兄のモラハラ>幼少期からバカにされ続け……守ってくれた母。私へ成人式の着物【第1話まんが】
私は幼いころからずっと、父と兄にバカにされ続けてきました。それがいつからなのか、ハッキリとは覚えていません。けれど、私の成長とともに露骨になったのは覚えています。
大きくなっても、父と兄の見下しはエスカレートするばかり。私がお小遣いとお年玉を貯めて買った望遠鏡も私の許可無く兄に持っていかれました。「イヤだよ……! お兄ちゃんに貸すと絶対返ってこないもん!」拒否をしても兄は高圧的な態度でねじ伏せてくるのです。たとえ父に助けを求めても……。
母も父に強く抵抗はできません。しかし私に優しく寄り添って味方してくれました。私の心は母に守られていたのです。
母がいてくれたから、私はあの家族の中でもなんとかやっていけた。そう言っても過言ではありませんでした。
「成人式だもの、お母さん奮発しちゃう!」私が18歳のとき、母が成人式用の着物を仕立ててくれることに。母は実家がとても裕福で、母自身も資産を持っていたため、お金を使うタイミングには惜しまず使う人でした。こうして、母は私の成人式に最高級の着物を仕立ててくれたのです。
「チハル……キレイよ」「お母さん、ありがとう! 私、この着物一生大切にするね!」父は成人式の着物を好意的に見ていませんでした。兄も全く興味がなさそうな素振り。それでも母はどんなときも争いを好まず、笑顔で父の嫌味をかわしながら家族を繋いでくれていました。私たちが「家族」でいられたのは、きっと母のお陰だったのです。私の就職も、結婚も、出産も……。人生の節目には母がいてくれて、いつも一緒に歩んでくれていました。
母は病気で他界してしまいました。思えば長男至上主義の父と、父の言いなりでわがまま放題の兄。私は2人にないがしろにされ続けた人生でした。でも、いつも私の味方でいてくれた母。父や兄をたしなめながら家族を繋いでくれていたのです。その母が亡くなってしまった今、母が守りたかったこの「家族」の中で、私はどうしていけばいいのか……悩んでしまうのでした。母のいない家族は、私にとって何になるのでしょうか。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・渡辺多絵 作画・マメ美 編集・今淵凛