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玉城デニー沖縄県知事 第5回「プライベートでは4児のパパ。子育て経験を通して学んだこと」

玉城デニー知事5

前回からの続き。沖縄県知事として活躍する玉城デニー(本名:康裕)知事。二男二女を育てた際の思い出などについて伺いました。子育てを通して学んだこと、子育ての悩みを抱えるママたちに伝えたいこととは?
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最初はお風呂に入れるのも心配だった

──玉城知事は、プライベートでは4人のお子さんを持つパパですね。

玉城デニー知事(以下、玉城知事):二男二女がいます。長男と長女が生まれた頃は、会社員をしていました。土日出勤をしていたこともあり、正直、子どもたちとあまり接する時間はありませんでした。子育ては妻に任せっきりだったため、お風呂も心配で入れられないぐらいでした。

──子育てをする上での役割分担などはありましたか?

玉城知事:妻にはいつも「とにかく一緒に遊んでちょうだい」と言われていました。3人目となる次男が生まれる頃、会社員からタレント活動に舵を切ったこともあり、時間に余裕が持てるようになってきました。そのため出勤前の午前中、家で過ごす時間があったことから、次男に離乳食を食べさせたり、おむつを替えたり、遊び相手になったりしていました。

4番目の次女に対しては、小さい子の扱いにも慣れてきたことから、妻に言われた通りひたすらずっと相手をしていました。私の顔を見ると「お父さん仕事は終わった? 一緒に遊ぼう」と誘ってくるのです。次女は一人遊びも好きでしたが、一緒に遊ぶときはひざのうえに乗せて、ままごとや紙芝居、お話大会などをしました。

子どものスポーツ活動を通して知った地域のサポート力

──お子さんのスポーツ活動にも参加されたそうですね。

玉城知事:次男が小学4年生でバスケットボールチームに入りました。父母会で大きな容器にスポーツドリンクを入れて、子どもたち1人1人のドリンクボトルに詰め替えたりしましたよ。たくさんの保護者が関わることで成り立っているのだなと改めて感じました。

また子どもは4人で終わりだろうと思っていたことから、それまでなかなか参加できなかったPTA活動にも全力で取り組みました。長男長女のときはなかなか子育てに関わる時間がなかったものの、次男次女の子育てに関わったことで、改めて子育ての楽しさを感じることができました。子育てを通して、私自身の世界が広がったと思います。

娘の代わりに孫を迎えに行くことも

──お子さんたちは、幼い頃、玉城知事と過ごしたことについて何か言っていますか?

玉城知事:時々子どもたちが小さかった頃の話はしますが、覚えてないというんですよね(笑)。次女を膝の上に乗せたことや、次男のためにスポーツドリンクを用意したことは、一応覚えているようです。

──今度は大人になったお子さんたちの子どものお世話がありますね。

玉城知事:長女も次女も大人になり、今は子育てをしています。最初に次女が母親になり、続いて長女も母親になりました。ママの先輩は次女なので、いろいろ教えてもらったり、子どもたちの洋服の見立てをしたり、とてもとても仲が良いです。

長女は、たまたま近くの保育所に入ることができました。保育園の帰りにわが家に孫を連れて寄ることもあり、賑やかです。仕事が忙しいときは「ちょっと時間がないから、じいじが迎えてちょうだい」と頼まれることもあります。孫を迎えに行ったとき、保育士の先生たちには驚かれましたね(笑)。

子育ての悩みを抱えるママに伝えたいこと

──子育てをしていると、尽きない悩みがついて回ります。たとえば、不登校の子を持ち悩むママもいます。悩みを抱えるママたちに伝えたいことはありますか?

玉城知事:私自身も4人の子育てをするうえでいろいろ悩みました。だけど悩みには必ず、解決のためのヒントがどこかにあると信じています。そのヒントを見つけるためにも、地元の社会福祉協議会や行政の窓口を訪れて相談してはいかがでしょうか。そこからサポートの方法などを一緒に考えていきたいと思います。

同時に、子どもたちにはがんばったらいいことがあるんだよと伝えてほしいです。いいことを見つけるために子どもたちが自分で考えて、行動すること。時には、貧困などが原因で環境が整わないことがあるかもしれません。そのときは、地域社会で協力し合って子たちとその家庭をサポートし、彼らの未来をより良くしていくことが必要だと思います。

(編集後記)
沖縄県の県民性や子育て支援、そして玉城知事自身の幼少期やパパとしての姿も見られた本連載。住民が持つ温かさや子どもを見守る姿勢などが、沖縄の地域ぐるみの子育てにつながっているのでしょう。玉城知事と沖縄県のみなさん、ありがとうございました。

玉城デニー知事より ママたちへのメッセージ

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※本記事は2023年8月に取材を行いました。記事の内容は取材時時点のものです。

取材・編集部 文・間野由利子 編集・荻野実紀子 イラスト・ゆずぽん

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