いつでも、どこでも、ママに寄り添う情報を

life

“子育ては楽しい”を発信していきたい【熊谷俊人千葉県知事・第1回】

熊谷俊人千葉県知事_インタビュー記事01
2009年、31歳のときに全国最年少の市長として千葉市長に当選した熊谷俊人さん。現在、千葉県知事として活躍しています。同時に、小学生2人の父親としてTwitterなどでも子育てについて積極的に発信。自身の子育てから学んだ経験を生かして、政策などにも取り入れているといいます。普段は見えない「父親」としての熊谷俊人千葉県知事の子育てについてお話を伺いました。
熊谷千葉県知事プロフィール

「子育て=大変」ばかりクローズアップされがちだけど

――現在、2児のパパでもある熊谷知事は、Twitterでもご自身の子育てについて積極的に発信されていますね。

熊谷俊人千葉県知事(以下、熊谷知事):「子育ては大変」と感じている若者も多いと思います。私自身、子どもが生まれるまでは「子育て=大変」だと思っていました。テレビなどを見ていても「子育ての楽しさ」よりも「大変さ」を取り上げた番組のほうが多い印象で、子育ての楽しさはあまり放送されていないように感じていました。ですから私自身が子育てを通して楽しかったこと、嬉しかったことなどを積極的に発信していこうと思ったのです。

――知事としての仕事はとても忙しいと思いますが、育児にはどのようにかかわっていますか?

熊谷知事:自宅に帰る時間が遅いため、今は子どもたちのために手作り学習プリントを作っているんです。回答に丸をつけたり、コメントを書いたりしてコミュニケーションを取るようにしています。

――熊谷知事は「歴史好き」だと聞きますが、お子さんたちへの教育にはどう取り入れていますか?

熊谷知事:家に歴史漫画がいっぱいあるので、子どもたちも自然と手に取って読むようになりました。家族旅行を計画する際も、武田信玄など歴史上の有名な人物にゆかりの深い地域をピックアップして調べたり、世界遺産にも登録されている群馬県の富岡製糸場の見学に行こうかと話したりしています。

子育ての大変さを実感し、改めて支援の必要性を感じた

――熊谷知事は、お子さんたちが小さい頃から積極的に子育てに携われてきたそうですね。どんなときが一番大変でしたか?

熊谷知事:第一子が生まれたばかりの頃、妻と交代で夜泣きする子どもをあやしたのが一番大変でしたね。やっと寝たと思って布団に寝かせたら、その瞬間子どもがパチッと目を開けて大泣きする。それでまた最初からやり直し……。これを繰り返していると、もう夜が明けている。いったいこのような日があと何日続くんだろうと思っていました。

離乳食や着替えも大変でしたね。子どもの成長に合わせて、少しずついろいろなものを食べさせていくのですが、離乳食をスプーンですくってあげても子どもが食べてくれないこともある。洋服も「今日は寒いからこれを着ようね」といっても、子どもが「いやだ!」といってなかなか着ない。子どもが洋服を着てくれないと、保育園に送っていく時間が遅くなり、仕事にも影響が出てくる。「早くしてほしい」と思ったこともありますが、育児は思い通りにいかないものなんですよね。

よく世の中で子どもの虐待について取り上げられます。もちろん、思うようにいかないからといって、子どもを叩いてしまうのはよくないことです。ただ親も気持ちに余裕がないと追い詰められてしまうのかもしれないと、改めて育児の大変さを実感しました。

――夫婦で対応できればいいのですが、実際はママひとりですべてやらなければいけないことも多いです。

熊谷知事:1人で子育てをしているパパやママの場合、自分で感情をコントロールできない瞬間もあるでしょう。そんなとき親や友達、行政などの育児支援を受けるなど、身近に相談できる人がいたら、気持ち的にも体力的にも全然違うだろうなと思います。実際に自分で子育てをしてみて、まわりからの支援がいかに重要かということを実感しました。

「男性の育児参加」に違和感あり!

――実際に子育てに携わっていると、政策なども違ってきそうですね。

熊谷知事:実感があるのは大きいですよね。私は、子どもが生まれる前から子育て政策に力を入れてきました。しかしやはり実際に自分の子どもを保育所に通わせてみると、ほかの子の保護者の方と話す機会も増えますし、保育士さんたちがどんなことを感じているのかもよくわかるようになりました。そういった意味でも、園への送迎や保護者会などにもできる限り参加してよかったと思います。

――子どもを通して保育園と関わることで、見えてきた問題点はありますか?

熊谷知事:たとえば、子どもを預かる保育士さんは、女性のほうが圧倒的に多いのですが、男性保育士さんが一定数いるほうがバランスはいいだろうなとも思います。そのため千葉市長時代には、男性保育士さんたちの活躍を応援するプランを作りました。保育所はただ単に子どもを預ける施設ではなく、保育理念に沿って子どもたちの育成を行っている重要なところです。男性保育士さんへの理解を深め、性差にとらわれず子育ての質を高めていくことが必要だと感じています。

――子育て政策などを作るにあたり、意識していることはありますか?

熊谷知事:私が意識していることは、あくまで私個人の家庭は「数ある家庭のひとつでしかない」ということ。「自分の経験値や体験を一般化しないように」と考えています。

また千葉市長をやっていたときから、「男性の育児参加」という言葉はよくないと感じていました。「母親の育児参加」とは言わないわけだから、男性も父親としての自覚をもって主体的に育児に取り組むべきだと思います。とはいえ、私自身もどうしても時間が取れず、育児を妻にお願いしてしまっているところもあります。これからもできる限り育児に関わり、同時により多くのパパやママたちの声に耳を傾け、政策にも反映させていこうと思っています。

【第2回】へ続く。

取材、文・間野由利子 編集・荻野実紀子 イラスト・Ponko

間野由利子の記事一覧ページ

関連記事

「児童虐待はどうしたら防げる?」保護者とともに地域ができること【熊谷俊人千葉県知事・第2回】
前回からの続き。「子どもの虐待ニュースでは保護者だけが責められがち。だけどそれでは何も変わらない」と語るのは、熊谷俊人千葉県知事。さらに「子どもの虐待は誰にでも起こりうる」と言います。では「子ども...
「明石から5つの子育て支援モデルを全国へ」【明石市 泉房穂市長・第1回】
こども医療費の無料化、第2子以降の保育料の完全無料化に加え、0歳児の見守り訪問「おむつ定期便」、中学校の給食費が無償に、公共施設の入場料も無料化など、兵庫県明石市が実施している「子育て5つの無料化...
福岡市長、絵本『アヒルちゃんの夢』をきっかけに「親子で発想の転換をして夢を叶えて」
福岡県福岡市の市長を務める高島宗一郎さん。「親子の対話のきっかけになれば」との思いから作られた、絵本『アヒルちゃんの夢』(エッセンシャル出版社)を2022年12月12日に出版しました。空を飛びたく...