<元夫と暮らす中2息子>誰もいなくなったひとりの部屋「さみしい」【第15話まんが:元夫の気持ち】
前回からの続き。
数年前の話です。俺は40代のシンイチ。元妻のユキエと離婚をして、息子のエイジと両親のいる実家で暮らしてきた。1度は息子は元妻と暮らしていたが、わけあって戻ってきた。今は俺の実家で俺と両親と一緒に暮らしている。離婚から十数年、元妻は再婚して子を産み新しい人生を送っている。そして俺は両親から「家を売る」、エイジから「全寮制の高校に入る」と告げられた。
俺はドキッとした。両親にはお見通しだったのだ。ユキエを傷つけたこと、エイジをそのための道具に使ったこと。それだけじゃない、いつも自分のことばかり考えていたことも。
エイジだけはずっと俺のそばにいてくれると思っていたのに、信じていたエイジはもう元嫁ユキエと再婚相手のところにいたのでした。
エイジは「父さんは母さんの悪口ばかり言っていたけど、母さんは言わなかったよ」と言ってきた。俺のことは嫌いじゃない、育ててもらったこと感謝している。そしてこれからも親子だよ、と。そう俺をなだめるエイジは、もう俺の知っている子どもではなかった。父さんも頑張って! というエイジに俺の方が動揺してしまったんだ。
そしてエイジは最後にこうも言ってきた。
「変わってないのは父さんだけだからね」その言葉に俺は言葉をつまらせた。我が子なのに、俺はなにも言い返すことができない。エイジは俺から離れて、自立の道へと行ってしまったのだ。
こうしてエイジは実家と元妻との行き来することが多くなり、元妻の新しい家族とも仲良くやっているようだ。その後、エイジは希望していた全寮制の高校に合格し、家を出て行ってしまった。
俺はひとり暮らしの部屋を借りた。しばらくしてから、両親は高齢者向けの住宅へ入居していった。
息子と両親、元妻とすべてを失った俺は毎日無気力に生き、後悔ばかりが頭に浮かんだ。
結局、俺はひとりになってしまった。きっと全く変わることができなかった俺は、周りの変化や成長についていけずに取り残されてしまったのだろう。俺が今味わっている孤独感は、かつて元妻に味わわせてしまった感情だ。せめていつか元妻に心からの謝罪ができるように、今は目の前の生活をひとつひとつ頑張っていくしかないのかもしれない。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・渡辺多絵 作画・猫田カヨ 編集・井伊テレ子