<元夫と暮らす中2息子>「父さんが裏切った」離婚の理由を知った日【第11話まんが:息子の気持ち】
前回からの続き。
数年前の話です。俺はエイジ。4才のときに両親が離婚した。離婚の理由は分からないけれど、母親と暮らしたあと、しばらくして父親と祖父母と暮らすようになった。中学2年生になったある日、母さんが再婚していたと分かり、父さんは「薄情な裏切者、最悪な女」と吐き捨てるように言った。しかし本当の離婚理由を知っていた俺は……。
中学生の頃、初めて知った両親の真実。俺も成長していたから、書面に書いてあることはだいたい理解できた。「不貞行為」「慰謝料」「養育費」と衝撃の言葉が並んでいたけれど、そんなことよりも俺が気になったのは母さんのこと。今まで父さんの言葉を信じ、母さんが悪いとばかり思っていたけれど、本当は違ったんだ。俺は母さんになんてことをしてしまったんだろう……。
母さんは父さんに裏切られていた。だけどひとりで働いて、俺を育ててくれて、それなのに……。
そんな母さんに俺は「優しくしてくれるおばあちゃんと暮らしたい」なんて。なんてひどい仕打ちをしてしまったんだろう。
あのときは祖父母に心配をかけたくないのと、いまさら母さんに会えないと思って、胸にしまっていたけれど、もう俺は、我慢ができなかった。父さんのせいで離婚になったのに、父さんの嘘で、母さんと会えなくなって、ずっと騙されていたんだ。
でももう父さんに気を遣いたくない。母さんのことハッキリさせたいんだ。俺は全部知っているんだから。
でも俺には父さんを責められないある理由があった。それは……。
父さんが母さんにしたことは最低だし、騙していたことは許せない。でも俺も母さんを追い詰めて、傷つけてひどいことを言った。俺も父さんと同じだ。結局俺も母さんを裏切ってしまったんだ。
幼い俺は母さんを支えてあげることができなかった。追い詰められたように怒るばかりの母さんがつらくて、一緒にいる生活から逃げたんだ。俺も父さんと一緒で、母さんを傷つけたんだ。だから母さんが再婚したと聞いて、すこしホッとしている自分がいた。「母さんは今、ひとりじゃないんだな」と思うと安心したんだ。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・渡辺多絵 作画・猫田カヨ 編集・井伊テレ子