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呼吸整体師に学ぶ心と体が変わる呼吸法

毎日無意識のうちに行っている呼吸、1日に何回行っているかご存知ですか? 実は約3万回も繰り返しているのです。この無意識のうちに行っている呼吸を少し意識して変えることで、自然治癒力がアップし、不調のない健康な体へと変わることができるのです。

「緊張」と「力み」で浅く止まりやすい呼吸に!

今、あなたは健康ですか? 肩こりや頭痛、腰痛、肌荒れ、倦怠感はありませんか? 育児中のお母さんたちであれば、1つ以上当てはまる方がほとんどなのではないでしょうか。実はこれらの不調の原因は呼吸にあるのです。シャンプーをする時、歯を磨く時、食器を洗っている時、無意識のうちに体がこわばり力んだり、呼吸を「ウッ」と止めていることはありませんか? 必要以上に手や足、体がこわばっていませんか? 実は、そんな時、呼吸は浅く止まりやすくなっているのです。

呼吸循環により自然治癒力がアップする

浅く止まりやすい呼吸は、体は緊張しやすく、関節はぐっとしまります。動きも硬くなり、呼吸循環、体液循環も悪くなり、内臓、リンパ、血液、免疫、自律神経など、健康を司る各種機能が低下します。その結果、慢性的な疲れ、風邪、頭痛、肩こり、腰痛、生理痛、生理不順など、あらゆる病気の芽へと育っていくのです。
呼吸というのは、息を吸うと体の胴体の部分――体幹が風船のようにふくらみ、息を吐くとしぼみます。この「ふくらむ」「しぼむ」を繰り返すことで、体の中心から手足の末端へ、そして末端から中心へと、血液、リンパ、体液などとともに全身をめぐっているのです。この呼吸循環によって自然治癒力が向上し、健康な体へと導いてくれるのです。

10年以上続いた数々の不調がたった1年で解消

かつては、私自身が不調まみれでした。十代の頃に足も腰も骨折し、医者から一生治らないといわれたほどの重度のアトピー、内臓疾患、女性疾患など、不調のオンパレードでした。
ある時、同業者であり、中学時代からクローン病という免疫疾患による難病を患っていた夫が、普通に生活できるようになっていたのです。入退院を繰り返し、骨川筋衛門のようだった夫が動けるようになった理由は、呼吸を整えることによって自然治癒力が向上し、体質そのものが変わったからだったのです。それから私も、口呼吸を鼻呼吸にし、歯磨きをする時の不必要な力みなど“体グセ”を修正し続けました。その結果、1年たたないうちに、あれだけ苦しんだすべての不調がきれいさっぱりなくなっていたのです。
これまで無意識に行っていた呼吸に意識を向け、見直すことで、今ある不調はもちろんのこと、この先発現するかもしれない不調の芽を根こそぎ抜き取ることができるのです。今を変えることで、この先不調とは縁のない、真に健康な体へと変わることができるのです。呼吸は、その土台作りなのです。

体の中心で深く吸うための2つの呼吸法

私自身の体験を通して学んだ呼吸法を、今記事を読まれているあなたにお伝えしたいと思います。1日約3万回繰り返す呼吸を変えることで呼吸が変わり、深く吸える、呼吸が流れる体へと変わってことを実感していただけることでしょう。

ワーク前の呼吸とワーク後の呼吸の違いをチェック

立った状態で1回深呼吸をします。その状態をよく覚えておいてください。以下のチェックリストも確認するとよいでしょう。

チェックリスト

□息を吸った時、あごがあがり、吐くと戻った
□息を吸った時、上半身が後ろにのけぞるような動きが出て、吐くと戻った
□息を吸った時、両腕が脇から離れた。また手のひらが体の前を向いて、吐くと戻った
□息を吸った時、お尻やひざ、足の指に力が入って、吐くと戻った
□息を吸った時、胸やおなかが大きく前に膨らんで、吐くと戻った

呼吸を中心におさめる

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浅く止まりやすい呼吸を深くできるようにするためのワークです。体全体の力みを改善するとともに、中心で呼吸ができる状態にし、中心で呼吸をするとはどういうことかを実感することができます。シンプルな動きですが、極めて効果が高い動きです。このワークを行うことで、呼吸が深くなると同時に、体の緊張もやわらげることができます。1日の始まり、1日の終わりの疲れを取る時、ちょっと疲れたなと思った時に行ってください。

【動きの解説】

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1、しゃがんだ状態から手を前につきます(手と手の幅は、肩幅より少し広めにとる)

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2、手のひらを床から離さない状態で、お尻をあがるところまで斜め後ろにあげます。この時手ではなく、できるだけ足に体重を乗せておきます。

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3、その場でしっかりと足踏みをして、右足、左足、膝をしっかりゆるめて、息を吸って、吐く息で足を前に運びます。

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4、写真のようにお尻をあげたまま、できるだけ重心を後ろにたもちつつ、吐く息で足を前に運びます。この時、手のひらはしっかりと床につけたままで歩きます。

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5、上の写真のように、手と手の間につま先が入るくらいまで歩いたら、足をそろえてそこで一旦停止。吸う息をコントロールしながらゆっくりと体を起こして立ち上がります。

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6、立ったら1回深呼吸をします。
7、1~6の手順を合計5回ほど繰り返します。

うずくまり呼吸法

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間違った呼吸をしていると、呼吸は中心を通らず、体の上部や全面に逃げてしまいます。この逃げをなくして、体の中心で深い呼吸ができるようになる呼吸法です。呼吸が逃げてしまうと、体の中で呼吸によって起こる「ふくらむ」「しぼむ」という動きが弱くなります。それが弱くなると体液循環や自律神経だけでなく、筋肉の質や関節、内臓の動き、免疫などが低くなります。日々のセルフケアとして、時間のある時に行うと非常に効果的な呼吸法です。

【動きの解説】

椅子に座るか、立って行います

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1、上の写真のように、両手を合わせて肩甲骨から腕を前に突き出し、同時に背中を丸くする。

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2、まるくした背中をキープしたまま、絡ませた指をほどき、腕のひじと、ひじから先をくっつける

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3、その状態で、両ひじを自分のおへそにつけるように体を前屈する。

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4、前屈したら、自分の手の甲で殻を挟むようにする。

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5、そのポジションで5~8秒くらいかけて背中全体に息を入れていく。

6、息を吸いきったら、今度は10~20秒くりあかけて、体の中にある空気を全部出しつくすように息を吐いていく。

7、これ以上吐けないというところで、3~5秒ほどかけて吐く。

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8、ゆっくりと息を吸いながら体を起こす。

9、この手順を5~10回繰り返します。

2つのワークが終わったら、呼吸の違いを確認しましょう

すべての手順を終えたあとに、もう1回深呼吸をしてみましょう。手足がポカポカしてくる、体が軽くなるなど、体の変化に気づいた方も多いのではないでしょうか。同時に、明らかに深く吸えることを実感していただけたかと思います。またこのワークを行うことでチェックリストにあるような、無駄な動きも出にくくなります。これが中心で呼吸している感覚です。何度も繰り替えし、この感覚を体に覚え込ませていくことが大事です。

【プロフィール】

森田愛子 先生
鍼灸マッサージ師、ヨガインストラクターとして“体を育てなおす”をコンセプトに、渋谷鍼灸理学治療室(K-Raku Style)を運営。女性の体質改善や産前産後ケアを得意とする。1児の母。

K-Raku style http://www.k-raku.jp/

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文・長瀬由利子

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