<高1息子が不登校に……?>思い出した!母の言いなりだった子ども時代【第8話まんが:父の気持ち】
前回からの続き。俺は妻とひとり息子のタクトと暮らしている会社員です。地方の片田舎の出身で、子ども時代はとてものびのびとした環境で育ちました。海や山に囲まれ、遊ぶ場所には困りませんでした。しかし小学校3年生になるころ、母に電車に乗ってある場所に連れていかれました。
母が俺に望んだのは、塾通いをして進学校といわれる中学に合格すること。ちゃんと勉強してしっかりした大人になれ、と言われました。小学校の授業が終わると友達と虫取りや木登りをして遊んでいた俺は、突然のことに戸惑うばかり。しかし勉強が不得意ではなかった俺は塾通いの末、隣県の割と有名な私立中学に入学。まあ、そのあと反抗期を迎え勉強をしなくなり、中学、高校の成績はほとんどビリというオチがつくのですが。
高校生になっても勉強はせず遊んでばかりの俺だったが、高2の終わりぐらいに「このままでいいのか」という気持ちが芽生え始める。周りの友達はなんだかんだ勉強をしていたから、自分もそうするべきでは? と思い始めたんだ。その後、猛勉強の末なんとか大学に合格。母の希望だった大学には及ばなかったが、それなりに有名で人から褒めてもらえるような大学だった。
社会人になってミノリと結婚してタクトを授かったとき、自分の母みたいな親にならないように気をつけた。自分の希望をタクトに押し付けたりしない。息子にはのびのび育ってほしかった。ただし真っ当な人生を送れるように、レールはしっかりと敷こうと思っていた。タクトがゆっくりと気負うことなく進める太めのレールを。俺の母が敷いたレールは狭くて、俺は苦しかったから。
俺は母の言いなりだったから、タクトはのびのび育てようと努力してきました。妙な期待などせず、ただ真っ当なちゃんとした人生を送れるように……。自由がきくレールをタクトの人生に敷いたつもりだった。ただそのなかでも努力や頑張りは必要で、タクトは疲れてしまったのかもしれない。
ミノリは社会人になって職場で苦しんだ出来事を俺に語ってくれました。さらに「タクトの気持ちがわかる。タクトは私に似ているところがある」と言っていた。俺はどうなんだろう? これまで上手くいかなかった物事は俺にもいくらでもある。つらくって逃げたり、自分の気持ちを誤魔化したり。俺も昔はタクトのように苦しんだじゃないかと、そのことに気づいたのです。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・ちーめい 作画・まゆか! 編集・横内みか