「自由だから」「不登校だったから」通信制高校を選んだ理由とは?卒業後に抱かれるイメージも
近頃は大都市圏だけでなく地方都市でも、通信制の高校が増えている印象があります。かつてなら全日制の高校に通いにくい子が「仕方なく」行く最後の選択肢というイメージもありましたが、最近はそうではなさそうです。
多い理由は「不登校」。しかし、あえて通信制を選ぶ子も
『通信制の高校を選んだ理由を教えてください。最近はけっこういるよね。しかも高校生活を楽しんでいる感じ』
投稿者さんからの質問です。「通信制でも、何日かは学校に通っている子もいるのかな? 同じ高校の友達と遊んでいる」とのことなので、近所で通信制高校の生徒たちを見かける機会があるのかもしれません。
コメント欄には自分自身が通信制高校に通っていた人、通っている(いた)子を持つママたちからの声が届きました。
『中学校で不登校だったから』
『中学生時代の反抗期がひどく「高校には進学しない」と、まったく勉強しなかった。低ランクの高校すら怪しくなり、友達が行くことになった通信に一緒に入学した』
一般的なイメージとして強いのは、やはり「中学時代の不登校」ではないでしょうか。
全日制・定時制の高校から転入・編入するケースも、少なくありません。
『上の子は高校で“やらかして”しまい、退学。温情で「進路変更」という名目にしてもらい、通信へ。下の子は発達障害で、高校は定時制。でもそこでいろいろあって不登校気味になり、通信へ』
お子さんふたりが通信制高校というこちらの方、「通信制高校が選びやすい時代じゃなかったら、ふたりとも中卒だったかも」といいます。
『娘は第一志望校に落ち、仕方なく女子校へ。雰囲気になじめず不登校になり、通信制に転学しました』
他にも「高校にはスポーツ推薦で入ったものの、ケガで部活ができなくなった」「滑り止めで入った高校のレベルが低すぎて」「数学の単位を落としてしまい」など、事情はさまざまです。
『不登校だった子が多いけど、経済的理由や「やりたいことがある」という子も。娘の学校には芸能活動している子たちもいるよ』
通信制高校はスケジュールの融通がきくことから、スポーツや芸術・芸能の分野で目立つ活躍をしている子たちもいるようです。「仕方なく」ではなく、「あえて」通信制高校を選んでいるのですね。
もう昔のイメージではない!?今どきの通信制高校は
投稿者さんが見かけた「通信制なのに、学校に通っている子」も、たしかに少なくないようです。
『週5日のコースなので、普通の高校とほぼ変わりません。娘は楽しく通えているので、転学してよかったです』
卒業に必要な単位を習得することで、高校の卒業資格を得ることができる通信制高校。スクーリング(学校で直接授業を受けること)、レポートの提出(添削指導)、テストなどが、主な勉強法となるようです。学校によってはそれぞれを、自分に都合よく組み合わせることもできるとか。コメントをくれたみなさんのお子さんも、思い思いにカスタマイズしているようです。
『ちゃんと部活もあるよ。私もこんな学校に行きたかったな』
『1〜2年生でたくさん単位が取れたから、3年生はほとんど学校に行かなくてもいい感じ。娘は自主的に行事の実行委員長とかをやって、楽しんでいる』
こちらの娘さんは大学進学予定だそうで、お友達もほとんどが進学予定だとか。行事や部活まであるようで、全日制の高校とあまり変わらない印象です。「今の通信制は進んでいる。昔のイメージじゃない」という声もありました。
『互いの生き方を尊重する人が生徒にも先生も多く、自分のペースで自分らしく学べる。スポーツや趣味に没頭できるし、同年代よりも技能を身に着けやすい。実は利点ばかり』
こんなコメントもありましたが、一方では反論も。
『人によっては利点もあるだろうけど、利点ばかりではないよ』
いまだに根強いマイナスイメージも。払拭するのは当人次第
どうやら通信制高校には向いている子、そうではない子がいるようです。
『自分でスケジュールを組まなきゃいけないから、人任せな子は無理だと思う』
『基本的に自宅学習がメインだから、自己管理力がすべて』
たくさんの自由があるのはよいことですが、自由には必ず責任がついてきます。高等学校卒業資格取得という最終的な目標にたどり着くまで、自分を律することができるのか? 「通信制高校では滞りなく卒業を全員ができているわけではないらしい」という声もありました。真偽はわかりませんが、途中でリタイアしてしまう子もいるのかもしれません。
お子さんが通信制高校を卒業したという方からも、デメリットを挙げたコメントが寄せられました。
『週5登校でも、通信は通信。社会的には「不登校?」「成績不振?」といったイメージがまだ強い。あらゆる場面でなぜ通信制高校なのかを尋ねられる。そこで堂々と答える強さがないと、単に高卒資格を持っているだけの人扱い。就職でも地元中小企業では、避けられる傾向があります。集団行動が苦手な人とみなされることも』
お子さんがアルバイトに応募したときにも「自由を主張できる高校生活を送っていたのですね。でも、仕事では周りの人と合わせることも必要。それができますか?」などと、尋ねられたそうです。「履歴書にも書くことになるし、それが現実なんだろうな」という反応もありました。
しかし通信制高校から大学進学を目指す子もいるように、そこから明るい未来を切り開く可能性はゼロではありません。先ほどデメリットを教えてくれた方は、こうもいいます。
『自分で計画してやるときはやる、遊ぶときは遊ぶ。自己管理ができて「自分はこう考えている!」と言える子は、希望する進路につながっていった印象があります』
メリットもデメリットもあるのは、どんなスタイルの高校でも同じです。通信制高校のメリットがその子にとってデメリットよりもずっと魅力的に思えるようなら、それ以上は周囲がどうこういうべきではないのでは?
寄せられたコメントのなかには「通信制高校にしてよかった」という声も見られました。それが自分にとってよりよいと思えるのなら、「あえて」通信制高校を選ぶのもアリではないでしょうか。
文・鈴木麻子 編集・秋澄乃 イラスト・Ponko
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