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現役ワーママが感じた、ママ経験が仕事に生きる「3つのスキル」

ママの中には、いったん子育てに専念するためにお仕事を辞めて、「子どもが大きくなったらもう一度働きたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。でも現実的にいざ社会復帰……という頃にはお仕事から離れたブランクも長く、働く時間に制約があることも多いので、自分がどんな風に仕事で貢献できるのか不安になりますよね。

私は二回の産育休を取りながら、働き続けているワーキングマザーですが、実はママ業にはビジネスの世界でも活かせるスキルがたくさんあると実感しています。ママ業に専念した時間をただのブランク期間にするのはもったいないので、ママ経験がビジネスの世界で活かせるスキルを厳選して3つ紹介します。
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優先順位付けが格段にうまくなった

仕事に自由に時間を使えた時代のように、片っぱしから仕事を片付けるというやり方だと、育児で時間に制限がある人はどうやっても仕事が回りません。だから、仕事上での重要度や難易度、かかる時間を瞬時に計算して、どの仕事から片付けるべきなのか、優先順位を判断しながら取り組みます。これってビジネス上ではすごく重要なことですが、「とにかく働きたい」マインドの新入社員にはなかなか身に付かないし、意識しづらいスキルでしょう。

ところが、育児中のママ、とりわけ複数の子どもがいるママにとっては、自然と研ぎ澄まされるスキルです。例えば、夕食作りの途中で上の子がおもらし! と同時に下の子が泣きだしたとして、どこから手をつけるべきか……育児あるあるのこのシーンの対処法はまさに優先順位付け。優先順位と同時に、何をどこまでやれば及第点なのか、ということまで考えませんか? この迅速な優先順位付けは忙しい接客業や受付業務、子ども相手のお仕事などでは十分にアピールポイントになりそうです。

多様性への理解がある

最近では、企業でも働き手の不足を受けて、ダイバーシティ(多様性)を重視するようになってきました。性別はもちろん、外国人、障害者、高齢者、セクシャルマイノリティなど、職場内には多様な人材が集うようになってきました。ところが、過去の同じ価値観を持つ仲間たちとだけ仕事をし、家庭や地域活動に触れてこなかった男性社員たちは、こうした急激な多様性の波を受け入れられずに困っています。ときにセクハラやパワハラ、差別発言などで、人間関係のトラブルを引き起こします。

ところが、ママの世界は子どもを接点にして、多種多様な人たちと関わりますよね。特に公立小学校に行けば、経済状況や年齢、就業の有無、育ってきた環境などもバラバラな人たちと関わらざるを得ません。ときには子供会や町内会などで、地域のお年寄りと一緒に活動する人もいるでしょう。こうした「自分と立場や価値観の違う人と1つのプロジェクトを達成した」経験は、職場で多様な人材と働いていく上で大きなアドバンテージと言えます。このような経験のある方は、多様な人材がいる職場でなくても、人間関係をうまく進められると評価されるでしょう。

人を育てることを本気で考えている

ママは1年365日、子どもの成長について思いを巡らせています。世の中の管理職と言われる人たちの何割が毎日、部下の成長について考えているでしょうか? 「私は365日いつでも!」という管理職には出会ったことがありません。

ママは「歯磨きを嫌がらずにさせるにはどうしたらいいか」「お友達と上手に遊ぶにはどうしたらいいか」なんてことを絶えず考えています。そのために、本を読んだり、インターネットで他のママの体験談を検索してみたり、ママ友に聞いてみたり。これってすごいことだと思いませんか? さらにただ子どもができるようになることを目指すのではなく、無意識に「子どもが自分でやれるように」という「自立」という方向性で動いています。
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きっと社会人経験のある人なら一度は「できない人の気持ちが分からず、頭ごなしに指示する上司」や「何でも自分でやってしまう上司」に出会ったことがありますよね? 子育てしたことがあるママなら、そんなマネジメント方法では、その場ではイヤイヤやっても部下の将来には良くないことだとすぐに分かります。子育てって、本当にマネジメントと同じだな、というのが私の実感です。事実、私の職場にいるママ管理職は部下の育成が上手な人が多いです。

学生のアルバイトが多い仕事や、教育系のお仕事、ステップアップが目指せそうなお仕事には、育児経験をぜひアピールしてみてください。

懸命に育児をした経験をアピールしよう

いかがですか? こうして子育て経験をビジネスに置き換えてみると、ブランクと思っていた時間は決して働く上で役に立たない時間ではないですよね。私自身も正社員ながら時短勤務をしている身なので、育児休業や短縮している時間が仕事にとってマイナスだけではない、という発想をすることで気持ちが少し楽になりました。

今回は3つだけ挙げてみましたが、きっと他にも仕事に活かせるママ業スキルはたくさんあるはず。再就職を目指すママは「子育てが落ち着いたので……」というありきたりな一文だけでなく、ぜひご自身がママとして得たスキルをアピールしてみてくださいね。

文・犬山柴子 イラスト・んぎまむ

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