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小池百合子東京都知事 第2回「子どもたちの笑顔があふれるチルドレンファーストを目指して環境整備」

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前回からの続き。
「子育て支援をするには、各家庭を直接支援するとともに、社会全体を変えていく必要があります」と語るのは、小池百合子東京都知事。インタビュー第2回目では、保育園の待機児童問題、パパやママが働く会社への支援策など、「環境面」による子育て支援をお話しいただきました。

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「子育て」か「仕事」か。選択を迫られるママたち

――子育てをするママたちのなかには、保育園や学童に子どもを預けられない、時短勤務が難しいなどの理由で、仕事を続けるか辞めるかを迫られる人も多いと思います。小池都知事のお考えをお伺いできますでしょうか?

小池都知事:子どもか仕事のどちらかを選ばなくてはいけないという二者択一は、もうすでに今のライフスタイルに合わないと思っています。そういう選択肢を迫られていること自体、私はあまり納得していません。

人生1回きりです。子どもを産み育てたいし、仕事でがんばって自己実現もしたい。両方欲しいですね。これはわがままなことではなく、当たり前の話です。かつ、仕事をすることで経済的な裏打ちにも繋がっていきます。

――地域によっては、子どもを保育園に空きがなく、預けられない場合も。

小池都知事:私は、2016年に知事に就任したとき以来、待機児童をなくすと申し上げてきました。2016年に8,466人いた都内の待機児童数は、2022年では300人と着実に減ってきています。「保育所などの整備促進」「人材の確保や定着支援」「利用者支援の充実」という三本柱が、待機児童の解消という成果に繋がっていると思います。

「待機児童」という言葉を、過去にはあったけれども今後忘れ去られるようにしていかなくてはいけないですね。

 「育休」改め「育業」に。呼び名変更の意図とは?

――2022年に開催された育休取得応援サミットで、小池都知事は、「育休を改め育業と呼びましょう」とお話しされていました。呼び名の変更には、どんな意図があったのでしょうか?

小池都知事:「育休=育児休業」に対して「仕事をさぼっている」みたいなイメージをもつ人がいます。そのため「育児は大変だよね」という思いを込めて、どんな愛称がいいかを一般募集しました。多くの応募の中から「育業」という言葉を選び、改めました。

 東京都、男性職員の育児休業取得率が6年で6倍に!

――育児休業を取ると、職場の人から「こっちにしわ寄せがくる」と文句が出ることもあります。

小池都知事:社会全体で育児への意識を変えるためにも「イクボス宣言」をして、育業を取りやすくしてもらう取組を都庁自身も始めました。「育業を取りたいのですが」と言ったとき、上司が「それはよかったね。しっかり育児に専念してください」といったら、男性も育業が取りやすくなりますよね。

私が東京都知事に就任した2016年と比べて都の男性職員の育業の取得率は6倍になり、現在42.5%にまで上昇しました。都内の民間企業に対しても育業を取得しやすくするため、支援金なども出しています。6年前の男性による育業取得率は7.4%でした。今、こちらも3倍の23.8%になりました。

総額1.6兆円!史上最大のチルドレンファーストの予算を組み、切れ目ない支援を実施

――東京都に住む子育て世代に向けて、これからの具体的なビジョンを教えてもらえますか?

小池都知事:東京都では、これまでもこれからも、子どもたちの笑顔があふれる「チルドレンファーストの社会」を目指しています。特にこのところ人口や少子化に対して、ようやく日の目が見られる状況になってきました。東京都としては、ここをさらに後押しをしようと考えています。

今年度は総額1.6兆円という史上最大のチルドレンファースト社会の実現に向けた関連予算を組んでいます。キーワードとして「シームレス」、切れ目のない支援をすること。すべての子どもが自分らしく健やかに成長できる状況を目指します。

東京で流れができますと、日本全体に子どもに対する支援や取り組みが広がっていくと思います。それによって「望む人誰もが子どもを産み育てやすい社会にしていく」という大きな目標の実現へとつながっていくのではないでしょうか。

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取材、文・長瀬由利子 編集・荻野実紀子

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本記事は2023年3月に取材を行いました。記事の内容は取材時時点のものです。

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