<在宅ワークママ座談会>【後編】時給で稼げると思ってる?家で働くと大変なことって何?
前回からの続き。皆さんは「在宅で働いている」と聞くと、どんなイメージを抱きますか? 在宅で働いているママたちに話を聞くと、会社員としての在宅勤務か、それともフリーランスで在宅ワークかで、実情はかなり違うようです。ただ今回集まってくれたママたちはみんな、「在宅で働いている=ラク」と思われているのではないかと感じることがあるそう。マスタセレクトの読者たちが、在宅で働くことの実情を知らない人たちに、知ってほしいことを教えてくれました。
【今回の座談会メンバーはこちら】
酒井さん:地方在住。小学校低学年の娘1人。在宅勤務と出社を併用している。
久保田さん:都内在住。小学校高学年の娘1人。以前は会社勤めだったが、現在はフリーランスで在宅ワーク。
中村さん:地方在住。小学校低学年の娘と、もうすぐ保育園を卒園する息子のママ。久保田さんと同じくフリーランスで在宅ワーク中。
実はメンタル維持が大変!?
久保田さん:私、以前いた会社にリモートで働きたいと交渉したら「PCでのやりとりだと文字だけになるし、メンタルのサポートまではできないからおすすめしない」って断られたことがあって。「在宅ワークだと、そんなにメンタルやられるんだ」って驚いたんですよ。でも実際やって、初めて在宅で働く大変さを実感しましたね。やったことない人には伝わらないかもしれない。
中村さん:家族以外の誰とも喋らない日ってありますよね。
久保田さん:あるある!
中村さん:私、もうすぐ保育園の送り迎えがなくなるから、先生たちとのお喋りもなくなっちゃう。本当に誰とも話すことなくなるかも……
久保田さん:たまにリモートのミーティングに参加すると、自分の顔のシワがめっちゃ気になるんですよ(笑)。普段、表情が固まったまま仕事しているんでしょうね。ほんと表情筋の衰えがヤバい。
在宅ワークのメンタルヘルスは課題
フリーランスだけでなく会社員の場合でも、在宅で働くことによるコミュニケーション不足や長時間労働などでメンタルヘルスの不調につながる可能性が指摘されているのだとか。周囲の人とのちょっとしたお喋りがストレス解消になったりしますよね。
在宅ワークを時給換算するのは間違い
酒井さん:フリーランスの場合、時給じゃなくて成果物で収入を得ることが多いと思うので、ラクすればラクしただけの収入になるし、サボればそれだけ収入ダウンになる。このシステムを根本的に分かっておいてほしいとは思います。
中村さん:たしかに!
酒井さん:現に、フリーランスで在宅勤務希望の人から、「家で子育てしながら、ちょっとラクしながら働きたい」という言葉を聞くことは多いですしね。
久保田さん:それはちょっと……。
酒井さん:「子どもが学校にいる間の5時間×週5日間で、1カ月やったら○○万円くらいの収入になりますか?」という会話もよく耳にしますね。時給換算してるんですよね。
中村さん:それだったらパートの仕事に出た方がいいという考え方もできますよね。働いた時間分、確実に稼げそう。
久保田さん:在宅ワークをそんな風に見てる人が多いってこと。時給の思考なんだ。
酒井さん:ちょっと大げさかもしれないけど、1時間でも10万円稼げる人もいれば、10時間働いても1万円稼げない人もいる。そういう意味で、会社員の私から見て、在宅でフリーランスの人たちって、あえてイバラの道を選んだ人たちなのでは? と思います。
フリーランスとして在宅で働く際に考えておきたいこと
1時間で相応の時給分稼げる人はいいですが、そうとも限らないですよね。「こんなに時間がかかったのに、得られた収入はこれだけ……」とガッカリする可能性だってあるわけです。在宅でフリーランスで働くメリット・デメリットをしっかり考えておかないと、かえってしんどい思いをすることになるかもしれません。
誰でもできるかと言われたら……
中村さん:最近、大企業でフルリモート解除するところが増えているらしいですね。サボる人が多いかららしいですが。
酒井さん:それはマネジメントの問題だと思うけどな。
久保田さん:さすが!
酒井さん:だって大人なのに監視されないと仕事できないって、どう思います? 自分の子どもが宿題やってるのを後ろから見て「サボらないように見てるからね」と言ってるのと同じでしょう。
久保田さん、中村さん:……。
酒井さん:だからこそ切に言いたいのは、在宅ワークをする人は選ばれし人。在宅で誰も見ていない環境で、それでも成果物を出せるという点ですよ。その時点で勇者というか、在宅勤務は誰にでもできる仕事ではないと言いたい!
中村さん:在宅でできるスキルを得るために、それまで頑張ってきた一面はありますよね。
酒井さん:ある程度、在宅でも成り立つスキルを持っている人だからできる。ラクな仕事ではないでしょう。
フリーランスに必要なのは心構え
実際にサボる人が多いかどうかは定かではありませんが(笑)、在宅で勤務していると会社の目が直接届きにくい環境であることはたしかです。それでも会社員であれば給料は得られるでしょうが、フリーランスだとサボった分だけ収入は減ります。仕事にまつわるスキルはもちろんのこと、自分を管理する能力を持っていることもフリーランスでは重要なようです。
在宅で働くことのメリット・デメリットを改めて認識して
何事も「良い面」と「悪い面」があるものです。在宅で働くことについても同じではないでしょうか。職場まで通勤して働く大変さからは解放されるけど、自己コントロールの大変さはあります。仕事のクオリティとタイムスケジュールを、どちらも自分で管理できないと在宅での仕事はこなせないかもしれません。またメンタル面でも孤独に陥る可能性もあります。たとえば分からないことがあったとき、「ちょっとコレ教えて~」と気軽に隣りの人に聞くことができないのが意外としんどいという人もいるかもしれません。
もちろん在宅で働くことを選んだ場合、「家族の近くで働ける」「通勤に時間を取られない」などのメリットもあります。どちらのワークスタイルが良いかは比べようがありませんが、人それぞれの能力・条件、置かれた環境等を考慮したうえで、一番しっくりくる働き方ができたらいいですね。
文・千永美 編集・Natsu イラスト・Ponko
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