<子どもに人生を捧げる>【後編】同じ職場のママから育児でマウント?イライラしないためのヒント
前回からの続き。同じ職場のママの「子どもに人生を捧げている」ように見える生き方に苛立ちを感じ、「そんな人生、嫌じゃない?」とママスタで同意を求めた投稿者さん。ママの生き方をめぐって意見が集まり、十人十色でいいのだということが再確認されました。同時にママたちは、なぜその発言に苛立つのか? と、投稿者さんの内面に鋭く切りこみます。わが子に人生を捧げられない負い目や、相手への嫉妬心の可能性が挙げられた一方、「子どものためだけの人生が嫌なのではなく、そのママが嫌なのでは?」とさらに原因を探る声が上がって……。
相手のママの発言、実はマウント?
『悪意があるのか分からないけど、ニュアンスによっては「子どもが低学年の頃は働こうと思わなかった」の発言はマウントだと思う。投稿者さんは、進学校や習い事の話でもマウントされてると感じるんじゃない?』
『私はずっと兼業だけど、人生観が違うだけでどちらも間違ってない。でも、あえて「低学年の頃は働こうと思わなかった」と主張されるのなら嫌。「自分の子育てが当然」っていう雰囲気ならしんどいね』
『投稿者さんが言いたいのは、子どもを預けて働くのを否定された気がするってことじゃない?』
人と付き合っていくなかで相手の価値観を知っていくのは自然なことですが、ときに相手の悪意や優越感を感じとることも。意識的にせよ無意識的にせよマウントなのか、単に無邪気に自分のことを語っているのか判然としませんが……。投稿者さんが育児を否定されたと感じるのなら、少なくとも投稿者さんにとってはマウントとなり得ますし、思わず相手を嫌悪するのは人の心理としては自然なことかもしれません。くわえて「負い目」や「嫉妬心」を、もしも投稿者さんが心の内に隠していれば、嫌悪感はさらに膨んでしまいそうですね。
そもそも、相手の生き方を肯定的に見られないのは、ナゼ?
『どっちの立場でも、自分が選んだ道が正しいと思いたいから、そんなことになるんじゃない?』
『自分の生き方が正しいと思うから、他人の違う生き方に苛立つ。そして自分の正しさを主張して、他人に認められたい。投稿者さんもそのママも、価値観が違うだけなのに「自分が正解」とイライラしてる感じはしんどそう』
『自分の人生、自分が納得できていればそれで万事OKなはずなのに、価値観を押し付け合うから厄介になるだけなんだよね』
互いに敵対心を燃やしていると見たママから寄せられる意見に、思わずハッとしたのは筆者だけでしょうか? 育児も人生そのものも、どのママも必死に取り組んでいるもの。そこにはありとあらゆる選択肢が転がっており、都度自分の意思で自身にとっての「最善」を選びとっていることでしょう。数々の選択に裏打ちされた自分の人生が、正しいと認められると嬉しいものですよね。反対に自分の生き方と相違して見える他人の人生は、脅威となる場合があるのではないでしょうか? そうなると相手の人生を批判してみたり、マウントしてみたりと……自分の生き方を死守したいがため、穏やかでないことが起こる可能性も。本質を見つめれば、ママたちが語るように、ただ誰もが自分が正しいと思いたいだけなのに、やるせなくなりますね。
「相手と価値観がマッチせずとも、競わない」は、基本中の基本
そんななか当たり前のことを力強く主張してくれるママもいて……。
『自分の選択が良かったと思いたいだけなのに、攻撃的になるのは悲しいね。賢い人は他人の生き方に水を差すようなことはしないよね』
『わが子への愛情の注ぎ方なんてひとつじゃないからね。子どものためだけに生きる人も、そうでない人も「自分とは違う母親はダメ」と見下す人間にはなりたくないよね』
自身の価値観で懸命に生きている分、今回のようについ異なる価値観に本能的にファイティングポーズをとってしまう日もあるでしょう。それでも、相手の価値観を貶めるような思考や言動を慎もうとするのが本当に賢い人ではないでしょうか。そんな人が増えれば、多種多様なママのあり方ももっと当たり前になりそうですね!
自分の生き方に自信をもって大切に
『私は息子を学童に入れてて、ある日専業主婦のママに「お子さん、可哀想」と言われた。でも「ひとりっ子だから、人間関係を大切にしたいから学童に入れてるの」と育児方針を話したら、言われなくなったよ』
『もし負い目があっても、職場のママに自分の育児を否定されたと思っても、自分の生き方に自信があるなら、そこまで気にしないはず。正解なんてないんだから、自分が決めた生き方に自信もちなよ!』
なぜ自分は今歩んでいる人生を選択したのか? その背景にしっかり目を凝らすと、生き方にもっと自信が湧きそうですね。自信が湧けば、他の人生を歩む他人の言葉も、単なる外野の雑音として聞き流せたり、はたまたそんな人生もあるのかと面白味を感じたりもするかもしれません。胸を張って生きる自信のため、投稿者さんのご自分を見つめる作業を応援します。
文・みちはら宵子 編集・きなこ イラスト・Ponko
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