<父親の子育ての成果>パパが乳児期の育児に積極的だと、思春期のメンタルヘルスの不調が減る!?
情緒が不安定になったり気分が落ち込むなど、メンタルヘルスが不調になることも多いのが思春期です。感染症の流行以来、とくにその傾向が顕著(けんちょ)になってきたのかもしれません。「精神的に弱い」などといわれることもある現代っ子たちですが、その原因がごく小さい頃、乳幼児期に関係があるとしたら……?
先日公表されたある調査結果から、思春期の子どものメンタルヘルスを健康に保つためのヒントが浮かび上がりました。そのカギは乳幼児期。その時期に父親が育児に多く関わった子は、メンタルヘルスの不調リスクが減るというのです。
赤ちゃん時代から、育児に積極的だった父親の子どもは……?
調査を公表したのは「国立成育医療研究センター研究所 社会医学研究部・加藤承彦室長らの研究グループ」です。
乳児期における父親の育児への関わりが、子どもが16歳時点でのメンタルヘルスの不調にどう関連しているのかを分析しました。
分析対象になったのは2001年に生まれた日本全国の1万8,510人の子どもがいる世帯。父親の育児への関わりの程度をもっとも少ない群から多い群まで4つに分け、それぞれの群における16歳時点での子どものメンタルヘルスの状況を比較しました。
「育児への関わり」とは、おむつの取り替えや入浴などのこと。調査結果によると、もっとも育児に関わった群では、もっとも少ない群と比べて、不調のリスクが10%下がっています。つまり乳児期に父親が育児に関わることが多いと、長期的に子どものメンタルヘルスの不調を予防する可能性があるということです。
育児への関わり具合は「パパの好き・嫌い」を分ける!
これまでにも「パパが育児に積極的な家庭ほど、子どもの情緒は健やかに育ちそう」と、ぼんやり考えていた人は多いでしょう。それが実際に証明されたといえそうです。
ママスタコミュニティにもパパの育児にまつわるトピックが、しばしばあがります。その中のひとつ、「ダンナは子育てにおいて頼りになる?」というトピックに寄せられたコメントをご紹介します。
『夫は子どもたちが大好きで、乳児の頃から離乳食作りと授乳以外は全部積極的だった。小学生の頃は、夏休みの工作や自由研究もすべてお任せ。「今日はお母さんの休日だ!」と子どもたちを連れて、ハイキングやレジャー施設に連れて行ってくれた。大学生になった今も子どもたちは、父親と一緒に出かけたがるよ』
『ダンナは仕事が忙しいから普段はワンオペだけど、休日はめちゃくちゃ戦力! 子どもの世話でできないのは、爪切りと耳掃除くらい。だから子どもたちはパパが大好き』
わが子が小さな頃から積極的に育児に関わってきたという、パパたち。明るく楽しそうな家庭像がイメージできますね。
では一方で、パパが育児に関わってこなかった家庭はというと……?
『おむつも換えたことがないくらい、何にもしなかった。今は中高生になった子どもに何か言っても、「お父さんには聞いてないから!」と拒否される。ショックを受けてるけど、自業自得』
『子どもふたり中学生だけど、今まで何もやってこなかった。ふたりとも父親のことはあまり好きではない』
このお子さんたちのメンタルヘルスについてまではわかりません。ただこうしたパパたちの子どもは、思春期になった時点で少なくとも「パパが好きではない」ことでは一致しています。大好きなパパと、好きではないパパ。どちらと一緒に暮らすほうが、気持ちが安定しているか? 単純な比較はできませんが、想像してみると答えは浮かんできそうです。
パパの育児参加は、未来のわが子の心にも影響する?
前出の「国立成育医療研究センター」が2021年12月に実施した調査によると、小学5〜6年生の9〜13%、中学生の13〜22%に中等度以上の抗うつ症状がみられたとのこと。幼少期のパパの育児への関わりでそれが少しでも軽減されるのであれば、取るべき方法はひとつです!
パパたちの育児参加は、子どもが思春期になったときにパパと良好な関係が築ける・築けないというだけでなく、メンタルヘルスにまで影響を与えると判明した今回の調査結果。ダンナさんに「やっぱりパパの存在は大きいんだね」「パパの頑張りが子どもの心に影響を与えるなんて、すごいね」と、声かけしてみてはいかがでしょう。それによって少しでも、パパの育児に関わるモチベーションが上がればうれしいですね。
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