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<ママの働き方・保育士編>勤続20年の保育士さん。保育園で働くメリット・デメリットを聞きました

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自分の仕事だけではなく、子育てや家事もこなす毎日。働くママたちは時間に追われることも多いですが、仕事にやりがいを感じることもあるでしょう。

ママスタセレクトではお仕事インタビューと題し仕事をしているママに職業についての本音を聞いています。今回の職業は保育士さん。今働いているママも、これから仕事を始めようとしているママも、自分に合った職業を見つける参考にしてみてはいかがでしょうか。小学2年生の男の子、年中の男の子、1歳の女の子のお子さんがいる、保育士歴20年のママさんにインタビューしました。

時短勤務の保育士の日常は?

――お子さんが3人いらっしゃって、1番下の子は1歳。1日の勤務時間はどのくらいですか?

現在は1日6〜7時間の時短勤務で働いています。私の働く保育園では、育児休業から1年で復帰したら3〜4ヶ月後にはフルタイム勤務になるという暗黙のルールがあります。しかし3人子育て中だとフルタイム勤務は難しいので、ここ1年ほどは時短勤務を認められています。時短勤務ではありますが勤務時間は固定されておらず、早番や遅番がある不規則なシフト制です。

――遅番の場合、帰宅時間は何時ころですか?

保育園を利用するママたちのお迎え時間によって変わってきますね。私の働く保育園では、18時以降は延長保育、最終のお迎え時間が19時です。延長保育の予定がなければ18時ころには帰れます。

――ママの就寝時間は何時ころですか?

パパがご飯を食べている間に洗濯物を干して、後片付けをするので23時に寝室に行きます。早番で帰ってきても家の片付けをしておいた方が後々ラクかなと思うので結局動いてしまい、寝る時間は同じですね。

――子どもたちのお世話や自分の出勤準備もあります。朝は時間があまりないですから、大変と思います。どうやって乗り切っているのでしょう。

私が家を出るのは7時10分〜15分の間なので、大人1人では時間が足りません。私ができることはやって、あとは家族に頼るしかないですね。実母と同居していますから、実母の助けもあるのが大きいです。それでも手が足りないので、私が早番の日はパパも早起きをして、子どもたちの身のまわりの世話をしています。

――自分だけの時間はありますか?

正直、あまりないですね。寝る前に、少しだけスマートフォンで息抜きをするのが日課になっています。

――出産されてからお仕事に復帰するのは、大きな環境の変化だと思います。もともと職場復帰の予定だったのでしょうか?

あくまで私の場合ですが……。そもそも職場が、「育児休業をとるなら1年で復帰」というのが大前提になっているので、私もその流れに乗って1年で復帰しました。目標があったというよりは、「退職が選択肢になかった」というほうが近いかもしれません。3回の出産後はそれぞれ育休を経て、保育士として職場に復帰しています。

保育士として働き続けることのメリットは?

――保育士さんの職業について、ここはダントツにいいところ! と言える部分はどんなことでしょう。

子どもの成長に携われることではないでしょうか。0歳児から満6歳まで、長期的に子どもの成長を見られるのは保育士の特権かもしれません。私は幼稚園の免許も持っていますが、子どもの成長が見られることから、保育士のほうを選んでいます。

また子どもだけではなく、働くママ・パパのサポートができるのも嬉しいですよね。

――働くママ・パパのサポートも、保育士さんたちの務めなのですね。

私たち保育士は子どもだけでなく、親御さんのサポートも必要と考えています。子どもを育てているママ・パパの表情を見て、必要であれば相談に乗っています。特に育休明けはそうですが、孤立の子育てになっているママ達は表情が暗く張り詰めていたりしますね。

――きっとみなさんそうなのでしょうね。しかし親子ともに寄り添ってくれる先生がいると、親御さんも元気が出ますね。

そう言っていただけると嬉しいです。保育園は子どもを預ける場所ではあるけれど、お迎えに来たママ・パパと一緒に子どもの成長を分かち合える、心の拠り所のような場所と思っています。「本当は復職したくなかった」、「1対1の子育てで鬱々としていたけれど、自分の時間を持てるようになって良かった」など、リアルな悩みや気持ちを教えてくれるママもいますね。そういう私も、ママになって初めて、本当の悩みの種が分かったように思っています。

――ご自身は出産のたびに育休をとり、保育士に復帰されているとうかがいましたが、なぜ保育士に戻ろうと思えたのでしょうか。

結局、「保育士の仕事が好きだから」ということでしょうか。あとは私がパートで働くのはお給料の面できついという経済的な理由もあります。保育士は雇用がしっかりしていますし、まずなくならない職業だと思います。これから子どもが大きくなりお金がかかることを考えても、保育士に戻るのがいいと考えました。

自分の子どもの行事に出られない……。ママとしての葛藤も

――「好き」を仕事にできるのは素晴らしいことですよね。反対に保育士という仕事にネガティブな部分はありますか?

悩みは年齢によって変わりますが、保育士は女性が多い職場です。上下関係があって学校の部活のような雰囲気で、例えば若手は掃除などの時間が長く、保育に携われる時間が短くなることもあります。人間関係に困るケースはあるかもしれません。

また業務が勤務時間内に終わらないということもありました。お便りなどの書類は以前は手書きでしたが、今はパソコンを使うので、そこまで時間はかからないかもしれません。ほかには保育の準備として、材料を切ったり貼ったりするのにも時間がとられますね。

子育て中の保育士として、今の悩みは早番遅番の負担や、子どもの行事が重なったときですね。

――お子さんの行事と仕事が重なったときはどうされていますか?

職場の先輩方は、仕事と子どもの行事が重なっても仕事を優先することが多いです。職場の通例として、そういうことが多かったんですね。今も、先輩方に仕事を休む相談はできますが、正直あまり良くは思われていないかなと感じています。

――ほかに保育士ならではの悩みはありますか?

矛盾を感じながら働いている保育士ママもいると思います。わが子が病気になったらそばにいてあげたいけれど、誰かに預けて仕事にいかないといけないこともあるんです。わが子が体調不良でも出勤しないといけないときは、子どもに「一緒にいてあげられなくてごめんね」と申し訳ない気持ちになります。わが子が心配なのに、他の人の子どもをお世話している自分は親としてどうなのかなと、モヤモヤしてしまいますね。私自身、もう仕事を辞めようかなと思ったこともありました。

有休をとるときも上司に、「子どもが熱なのですみません」と言ってしまいます。本当は「すみません」と謝ることではないんですけどね。

ママの悩みや不安に寄り添えるなら保育士さんに向いているのでは?

――保育士の不足とはよく言われていますが、年齢を問わず保育士を目指すことは可能でしょうか。

できると思います。ご自身で育児を経験されている方なら、子どもを預けるママの気持ちも理解されていると思います。保育はロボットにはできない仕事ですし、ママたちにとっても同じ働くママ目線の保育士さんは心強いでしょう。また保育士免許のいらない範囲で、保育補助として働いている人もいますよ。

――保育士に向いているのは、どのような人だと思いますか?

ママたちの悩みや不安を理解して、寄り添いたいという気持ちがある人は、保育士に向いているのではないでしょうか。保育園は子どもを預ける場所ではありますが、お迎えにきたママと一緒に子どもの成長をわかち合える、心の拠り所のような場所でもあると思います。「本当は復職したくなかった」というママの気持ちを受けとめたり、逆に「子どもと1対1でちょっと辛かったけれど、自分の時間を持てるようになって良かった」と言ってもらえたりもします。保育士は、悩むママたちに寄り添える人に合った職業だと思います。

――社会復帰に悩まれるママへ伝えたいことはありますか?

保育園に預けるママの中には、子どもと離れることが不安で、子どもが小さいのに保育園に預けて働くことの罪悪感がある人もいます。仕事に行く前に泣かれたら後ろ髪引かれるとは思うのですが、もう一度社会に戻る嬉しさがある人も実際にいるんですよ。

離職されたママたちは、力を持っていると思います。世の中は人手不足ですし、私たち保育士で言えば、保育補助の先生はすごく入ってほしいです。社会復帰には一歩踏み出す勇気が必要ですが、踏み出しさえできれば生活が豊かになりますし、社会から必要とされることで自尊心をケアすることにも繋がりますよ。

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文・こもも 編集・主婦ママ美

【つぎ】の記事:<パート新人にモヤっ>働きやすい職場なのに「無理です」融通の利かない人が気になる【第1話まんが】

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