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<ママの働き方・派遣社員編>夫の転勤や子どもの成長に合わせて働き方を変えられるのが派遣社員の魅力

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旦那さんの転勤による移住、妊娠や出産による働き方の変化など、女性の働き方は家族の状況によっていろんな変化をします。そんななかでも派遣社員という働き方は、柔軟に働き方を変えながら仕事を続けられる1つといえるでしょう。実際に派遣で働いていたAさんにどんな働き方をしていたのかお伺いしました。

一度出産でキャリアを諦めた人には派遣社員がおすすめ

――これまでの簡単な経歴を教えてください。

結婚前は、事務職で正社員でした。結婚し、夫の転勤を機に地方に移住したため会社を退職。その後は職業訓練校に通い、大手派遣に登録して営業事務の仕事を始めました。その後、妊娠を機に仕事を離れて出産、さらに、夫の転勤で東京に移住。できるだけブランクをあけずに働きたいと思い、子どもが2歳になってからまた、派遣に登録しました。いわゆる転勤族で、今は派遣業務をお休みしています。

――出産後に派遣社員を選んだ理由はなんですか?

一度派遣で働いた経験があったので登録から派遣までの流れがわかっていたことと、夫の転勤が多いため3カ月更新で働く派遣の形態が働きやすかったためです。また子どもがいるので週3回、かつ時短という働き方を選べました。自分の希望にあった働き方ができる仕事は、パートよりも派遣のほうが見つけやすいと個人的に思います。

――仕事を再開するにあたり、ご家族の反応はどうでしたか?

夫はとくになにも言いませんでした。義母も夫が0歳のときから保育園に子どもを預けて働いてきた人なので、心配はされたものの反対されなかったです。ただ、実家の母は専業主婦だったこともあり、「子どもが3歳になるまでは自宅でみるべき」「預けるなんてかわいそう」という感じでしたね。しかし母と話し合った結果、母は私の働きたいという気持ちを理解してくれました。

――保育園など子どもの預け先はすぐに見つかりましたか?

保育園を見つけるのはかなり大変でしたね。当時住んでいたところが保育園の申し込み激戦エリアだったこともあり、なかなか見つかりませんでした。そんななか1つの保育園で急遽空きが出て、登録。しかし求職中の場合は2か月以内に働けるところを見つけないと子どもが退園となるルールだったので、必死に仕事を探しました。

――仕事はすぐに見つかりましたか?

おかげさまですぐに見つかりました。アルバイトやパートの場合、1社ごとに履歴書を書いて面接に行って採用か不採用という形になると思います。それをやっていると、あっという間に時間が経ってしまうので、「これだと(保育園を退園するまでの)2カ月間に仕事が決まらない!」と思い、派遣会社に登録しました。出産前に一度派遣社員を経験していることもあり、一連の流れがわかっているのも大きかったですね。

派遣の場合は、一度登録すると派遣会社でスキルチェックを行い、そこから先は派遣会社の営業の方が私の希望と企業の希望にあったマッチングを行って紹介してくれます。そのため1社応募するごとに書類を書く手間などがかからないのも助かりました。子どもがいると、なかなか落ち着いて文字を書くことができないので、そこも派遣でよかったなと思っていることの1つです。

――仕事にブランクがあると不安もあるかと思いますが、どうでしたか?

派遣会社にもよると思いますが、私が登録したところは大手派遣会社だったからか、スキルアップ研修がありました。たとえば当時は、エクセル、ワード、パワーポイントなどを受けられました。
出産などでブランクがあると、仕事を再開するときに不安を感じる方もいると思います。また派遣社員として働きながらもっと仕事のスキルを伸ばしたいという人もいると思います。そんな人にとってこのスキルアップ研修というのは、すごく役立つんじゃないかと思います。

――講座は有料ですか?

私の登録していた派遣会社に限っての話ですが、派遣として働いている間は無料で受けられました。まだ派遣先が決まっていなくて派遣会社に登録だけしている状態だったら、有料にはなりますが受けることもできました。ただ私が講座を受けたときはコロナ禍の前だったこともあり、講座は対面かつ夜の時間帯が多かったです。昼間に受けられる講座も増やしてほしいなと思っていましたが、きっと今は、オンラインで受けられる講座などもありますよね。

いろんなスキルアップ講座が受けられるのも、派遣に登録してよかったなと思う理由の1つです。

働き方を考えれば子どもの体調不良に柔軟に対応できる

――お子さんが生まれてから派遣社員として働いてみていかがでしたか?

私の場合、子どもが小さかったため急な病気で保育園から呼び出されることを考えて、週3回、9時半から3時までという形で勤務していました。そのほうが、急な休みがあっても別の日に出勤して仕事をできるからです。実際には、娘が保育園から呼び出されたことは一度もありませんでしたが。

子どもを育てながら働くとなると、やはり子どもの体調不良によって柔軟に対応してもらえる職場が助かります。派遣の場合は、事前にそのことをお伝えしたうえで勤務時間を決めているので、子育て中のママでも安心して働けると思います。また派遣先の企業の方も、「急な休みもありうる」ということがわかっているので、お互い安心して仕事ができるのではないかと思います。

――仕事をするうえで困ったことはなかったですか?

派遣先の企業の方はとてもいい人が多かったのですが、正直にいうと1人だけ高圧的な人がいて、かなり困りました。あまり詳しくは言えないのですが。

――その場合はどう対処したのでしょうか?

派遣会社の営業の方に相談しました。週3回の仕事という限られた条件ということもあり、次の仕事があるか少し不安でしたが、別の仕事に変えてもらうことができました。新しいことにチャレンジすることは私自身、苦ではないのですごくほっとしましたね。

もし、どうしても派遣先が合わない場合は、契約を更新しないという選択ができるのも派遣の良さだと思います。私の場合、派遣の契約は3カ月ごとだったので、その都度会社から継続するかどうかの確認がありました。

社員やパートといった場合、他の仕事に移る場合は、転職活動などをする必要があります。派遣の場合は、自分の働き方やスキルに問題がなければ他の会社を紹介してもらうことができるので、その点は気が楽なのかなと思います。

――派遣社員という働き方は、どんなママに勧めたいですか?

私は、夫が転勤族だったため、継続して同じ会社で働くのが難しくて派遣という働き方を選びました。私のように家族の仕事の関係で転勤が多い人は、派遣という働き方が合っているのかなと思います。

私のように週3回、時短で働くという派遣の仕事はあるので、小さな子どもを持ったママにもおすすめです。また、産休に入る社員さんの代替として復帰するまでの間だけのお仕事もときどきあるので、「ちょっと派遣で働いてみたい」という人もチャレンジしてみるといいと思いますよ。また正社員として就職するのが難しいような大手企業でも、派遣社員としてなら働ける可能性があります。いろんな会社が見られるのも派遣の魅力の1つですね。

一度仕事を離れると、復帰するのに「大丈夫かな?」と思う人もいるでしょうが、そういう場合は派遣社員として登録し、講座を受けて自信をつけてから仕事をスタートするのもいいのではないかと思います。

取材、文・間野由利子

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