<旦那が行方不明>もう旦那はいらない。子ども3人を連れて実家に帰ろう【第10話】
前回からの続き。行方不明になった旦那の居場所を、とうとう私は突き止めました。旦那はやはり、「るみ」の自宅にいたようです。るみと彼女の子どもたちと4人で歩いている様子は、家族そのものでした。ショックを受けましたが、私の心に浮かんできた思いは「生きていてよかった」というものでした。もう旦那は違う道を行くのだと思った私は、だまって身を引くことにしました。離婚届を義父に託し、子どもたちを連れて実家に帰ることにしたのです。
義父に離婚届を託し、私と子どもたちは新生活を始めるために家を引き払って、実家へ向かいました。
引越し当日。実家に到着すると同時くらいに
「RRRRRRRRRR」
私のバッグのなかで旦那が置いていった携帯が鳴りました。非通知です。もしかして……おそるおそる電話に出ると
「……もしもし……」
「あ……俺だけど……」
旦那の声を聞くのは2ヶ月ぶりでした……。
「もしもし、元気?」
「……いいえ」
「いま、どこ?」
あまりに普通に話す旦那に怒りを感じながらも……冷静に淡々と答えようとしていました。実家に引っ越しをしている最中だと伝えると……。
「……なんで?」
「なんでもなにも、もう私と子どもたちはいらないから捨てて出て行ったと思うので、どうぞあの方と一緒になるなり、このまま好きにしてください。離婚届はお義父さんに渡してありますので……」
「いや、別れるとか捨てるとか、俺一言も言ってないよ?」
「いやいやいやいや……ここまでしておいてふざけないで!!!」
旦那の勝手な言い分に頭がおかしくなりそうでした。何も言わず急に出ていって他の女とその子どもたちと暮らしていたくせに……!
「俺は……お前の作ったメシじゃないとダメなんだよ」
「はぁ? 浮気しといて……おかしくなった?」
「だから浮気なんかしてないって! 引っ越したら俺はどこに戻ればいいんだよ」
「…………今日引っ越しだし、ちょっと意味わからなすぎるから、一回考えさせて」
「分かった。また連絡する」
他の女とうまくいかなくなって私の元に帰ってきたのかもしれません……。それに「お前の作ったメシじゃないとダメなんだ」って何様のつもり!? 別れを決意した最中、理不尽すぎる旦那の言い分に怒り心頭でした。
引越し当日にかかってきた旦那からの電話。勝手に失踪しておいて「別れる」とは言っていないって開き直りもいいところ……。急になに? なんなの? それに一緒に暮らしておいて浮気はしていないって……。捨てたつもりもないって……。あの女と子どもたちと団地で暮らしていたのはなんだったの? 都合がよすぎる……。電話を切ったあとから、ますます怒りが沸いてきてしまいました。
絶対に旦那のもとに戻ってなんかやるものか……。私たちがいなくなって、ひとり寂しく、自分のしたことをうんと……うーんと後悔すればいいんだ……。
離婚届はお義父さんへ渡したけれど、手元に残したままにしてある旦那の携帯を握りしめながら、私は前を向きました。
―――しかし、新生活はそううまくはいきませんでした。
<編集部コメント>
他の女性の元へ走ったサトルを責めもせず、そっと身を引くことにしたゆき。サトルと話し合うことなく、自宅を引き払い、実家に帰ることを考えます。当日、2か月ぶりにゆきの元に電話が掛かってきます。ゆきのプライドを打ち砕き、不安に晒して苦しめたサトルから「なぜ引っ越すの?」の一言が。何もわかっていない旦那さんに、読者のなかには「こっちこそなぜ?」と聞き返したくなったママもいるのではないでしょうか。夫婦で考えのズレを感じたことのあるママは少なくないかもしれません。でもサトルの態度はあまりにもズレすぎている! モヤモヤとしたママもいるかもしれませんね。
文・渡辺多絵 編集・編集部 イラスト・Ponko
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