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<旦那が行方不明>義父と一緒に浮気相手のいる家へ。旦那を発見して……【第9話】

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前回からの続き。突然、旦那が家に近寄らなくなりました。理由はわかりません。最初は週1~2回ほど寝るために帰っていたのですが、ある日を境に行方不明になったのです。会社に連絡するともう退職したとの言葉。義実家にも帰ってきてはいないと言います。手掛かりは、旦那の携帯に親しげなメッセージを送ってきた「るみ」という名の女性。つらく苦しい思いを抱えながらも、私は子どもたちのために立ち上がることにしました。必死で旦那のパソコンで調べた、彼の会社の同僚と連絡を取ると、彼は「るみ」の正体を教えてくれたのです。彼女が住む団地に、義父と行ってみると……。

日曜日、お義母さんに子どもたちを預け、お義父さんと隣の県にある団地へ車で向かいました。部屋の番号は分からなくても、近くで張っていれば旦那に会えるかもしれない。何がなんでも旦那を探し出そうと必死な気持ちでした……。

団地が何棟かあるので数日通うことになるかもと思っていた矢先、車の中から目に留まった男性―――それは旦那でした。

年上のこわばった顔の女性と、旦那、そしてその女性の子どもらしき男の子が2人。4人で笑いながら歩いていたのです……。車内からその姿を目撃して思わず息をのみました。
次、旦那に会ったら何て言ってやろう……いきなり殴ろうか……それとも罵声のひとつでも浴びさせてやろうか……いきなり離婚届を突き付けてやろうか……いろいろ考えていました。たくさんの恨みの言葉を用意していたはずなのに、旦那を見て最初に出てきたのは心の底から出た言葉でした。

「よかった……。生きてた」

音信不通になり不安でたまらなかった日々を思うと、相手の女性とその子どもたちと一緒にいようが、どこで何をしていようが、これがわたしの本心でした。でも1ヶ月ぶりに見る旦那の顔は痩せてあまり幸せそうには見えませんでした。

失踪した旦那が他の女とその子どもたちと歩いている……。はたから見たらその姿は家族そのもの。付き添ってくれたお義父さんとその様子を車内からただ呆然と見つめることしかできませんでした。

沈黙を打ち消すように、お義父さんが「どうする?」と私に聞きます。旦那を見つけたら絶対連れ戻す……はじめはそんな強い気持ちでこの団地まで来ました。覚悟を持ってきたはずなのに……お義父さんは申し訳ないような心配そうな顔で私の顔を見つめます。

「……もういいです。無事ならもう……」

たった一言、絞り出した声は消えそうなくらいか細いものでした。パパの帰りを健気に待つ子どもたちにとって、私は残酷な答えを出したのかもしれません。でも、今の旦那のところに行って連れ戻すことができるのでしょうか……。強引に連れ戻してもまたあの女のもとに帰ってしまうかもしれない。何度も子どもたちに不安な思いをさせたくないという気持ちもありました。

ある日、突然携帯を置いていなくなってしまった旦那。おそらく女のところにいるだろうとは思っていたけれど……心のどこかで最悪な展開も考えていました。何かに悩んで命を絶っていたら……心配で心配で仕方ありませんでした。生きていてくれたなら、もうそれで良い……。生きて、彼は別の人生を選んだんだ。

だったらもう、私の出る幕はない―――。

お義父さんは身を引くことを選んだ私に何度も申し訳ないと謝ってくれました。
私はもうあの人と話すことはないと、お義父さんに離婚届を託しました。そして子どもたちを連れて実家へ帰ることを伝えました。

「……できの悪い息子で申し訳ない……」

何度も何度も頭を下げてくれたお義父さん。私は東京の住んでいるマンションを解約し、実家に引っ越すことにしました。バタバタと手続きやら何やらであっという間に時間は過ぎていきました。

子どもたちには、パパが失踪して他の女性のところに行ったとは口が裂けても伝えられません。急に引っ越しが決まったことに戸惑う子どもたちに「おばあちゃんのお店の手伝いに行こう。パパはお仕事があるから待っていてもらおう」と明るく嘘をつくしかありませんでした。

「大丈夫。あなたたちには、ずっとママがいる……。ずっと……」

子どもたちをただ、ぎゅっと抱きしめることしかできませんでした。

すべて一から出直しだ。今までは旦那におんぶ抱っこだったけれど、今度は私がしっかり働いて子どもたちを立派に育ててみせる……。そう固く決意をし、実家へ向かいました。

<編集部コメント>
自分の力だけでゆきはとうとうサトルの居場所を突き止めました。あっぱれという他はありません。ここで旦那の前に飛び出して、なぜ会社も家庭もほっぽり出してこんなところにいるのかと詰めたいところ。でもゆきはそうしませんでした。「生きているだけでよかった」とそっと身を引こうと言うのです……。この決断に反対するママがいるかもしれません。しっかり話し合った方がいいと思うママもいるでしょう。逆に、ゆきの気持ちがわかる、私なら同じことをするというママもいるかもしれません。どうせ離婚をすることになるのなら、パパと争っている姿を子どもに見せたくない思い……。それも母心なのかもしれません。

【第10話】に続く。

文・渡辺多絵 編集・編集部 イラスト・Ponko

※この話は体験者本人のご協力の元作成しています。

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