<経験あり!>スマホもインターネットもなかった頃、不便だけれどなぜか楽しかったあの時代
今の時代、調べたいことがあればスマホやパソコンですぐに検索できます。はじめて行く場所は地図アプリで調べればいいし、遠くへ引っ越した友達ともSNSで繋がっていられます。インターネットが普及し、手元にスマホやパソコンがあるおかげですよね。しかし、現在アラフォーやアラフィフのママたちは、10代~20代の多感な時期にスマホはまだ発売されておらず、インターネットも今ほど手軽に使えない環境でした。生まれたときから気になったらすぐに検索できる環境が整っていた世代のママからしてみると、想像がつかないかもしれませんね。ママスタコミュニティにもこんな質問が上がりました。
『スマホも携帯電話もインターネットもない頃、お店や病院を探したり口コミを知りたいときはどうしていたの? はじめて行く場所は地図を持って行った? 遠くに住んでいる人と連絡を取るときは電話か手紙だった?』
この質問に、ママたちからたくさんの懐かしいエピソードが寄せられました。
病院は電話帳で探すか知人の紹介。グルメ情報は雑誌やテレビから
『病院はいちかばちかで電話帳で探す』
『とりあえず近い病院に行ってみる』
『ご近所や友達からの情報で決める』
病院の評判を知りたいときはご近所さんや友達から「あそこの先生は腕がいいよ」「あそこはいつも混んでいるよ」などの情報が頼りでした。まさに口コミです。あとは電話帳で探し、評判はわからないけれどとにかく飛び込んでみる……という体当たりの探し方しかありませんでした。相性のよい先生に出会えるかどうかは運次第でしたね。
『お店を探すときは、情報誌とかレストランガイドみたいなのが今より充実していたんだよ。雑誌をめくりながら時間を過ごすのも楽しかった』
グルメ情報、映画やコンサートの情報……当時は雑誌から最新の情報を得ていました。そのための情報誌が本屋にずらりと並んでいましたよね。雑誌を囲みながら友達と遊びの予定を立てたのも、いい思い出ですね。
『テレビを見て美味しそうなお店、と思ってメモ取るのを忘れたら、テレビ局に電話して聞いたこともあった』
こんな行動派のママもいました。数少ない情報をなんとかして得ようとみんな頑張っていました。そしてやっぱり一番頼りになるのは年長者の声! という意見もありました。
『会社の先輩など、目上の人に相談。飲食店に関してはネットの口コミよりよっぽど正確で参考になった』
インターネットの情報にも勝る人生経験、さすがです!
はじめて行く場所には地図を持参、あとは勘
地図アプリやカーナビがない頃は、はじめて行く場所にどうやってたどり着いていたのかというと……
『手書き地図を持っていく。あとは勘』
『地理を知っている人と一緒に行く』
徒歩の場合は、みなさん手書きの地図を持参していたようです。あとはその場所に詳しい友達に案内してもらったりもしましたね。
『コンビニや交番や通りすがりの人に聞く。みんな親切でね、今みたいに冷たい世の中じゃなかったんだよね』
それでもやはり迷ってしまったときは、通りすがりの人に尋ねていました。聞くのが恥ずかしくてしばらくためらったあと、勇気を出して声をかけてみたらすごく優しく教えてもらえた、ということもたくさんあったようです。
『車には必ず分厚い地図があった』
『助手席の奴が地図帳で探すんだよ。そして車酔いするんだよ。そして結局見つからず喧嘩になるんだよ。大学時代の経験』
車の場合、カーナビのない頃はみんな地図帳を持っていたものです。地図が上手に読めるとなぜか周りからカッコイイと言われたりもしました。
『おばちゃんやおじちゃんは地図を頭に入れて、渋滞抜けはカンを頼りに運転してたよ。今でも、やっすいナビに勝つときがあるわ』
なかにはこんな猛者も。長年の運転で鍛え抜かれた勘がテクノロジーに勝つ……胸が熱くなりますね。
遠くへ住んでいる人には手紙を送る。文通も流行っていた
『遠くへ引っ越した幼なじみと文通』
『電話か手紙』
『FAXとか送ってた(笑)』
遠方の友達と連絡を取り合うには手紙・電話・FAXと、どれも手間がかかるしタイムラグもありました。今はSNSやアプリですぐに連絡が取れて、とても便利な時代になりましたよね。ですが、当時の人がタイムラグが発生する不便さを嘆いていたかと思うと、そうでもないようです。
『今みたいに手軽に連絡取れないけど、手紙届いてないかな? ってポストを覗くのが楽しかったな』
『旦那と遠距離恋愛だったから、当時もらった恥ずかしいラブレター、いまだにとってある(笑)』
手紙がいつ届くかワクワクしながら待つ時間も楽しかったし、もらった手紙が形として残るのが嬉しかったみたいです。たしかに今になっても手紙やはがきをもらうと何だかときめきますよね。
『友人とは遠方でなくてもよく、旅先の絵葉書なんかを送り合ったりしたよ。筆まめな人はレターセットを持ち歩いていた』
旅行先での思い出をしたためて大切な友達に送る……受け取った側も嬉しかったでしょう。心温まる交流がありましたね。
待ち合わせに遅れたら掲示板?
他にもママたちから「携帯電話がなかった頃は待ち合わせが大変だった」という声が多数上がりました。
『待ち合わせ場所の駅の出入り口を勘違いして、北口と南口にお互い待っていて会えないとかありました』
『携帯を持っていない頃、部活が長引いて彼氏と待ち合わせに1時間遅れたことがあるけど、根気強く待っていてくれたことがあった』
『待ち合わせは来なければ待ち続けるか、諦めて帰るかしかなかった』
待ち合わせ場所を間違えたり遅刻したりしてしまった場合、連絡手段がないのですれ違ったまま会えないことも日常茶飯事だったよう。当時のドラマや映画には「来ない恋人を何時間も待ち続ける」という切ないシーンが多々ありました。対策としては「とにかく待ち合わせに遅れないで行く」とのことでした。でもどうしても会えなかった場合は、こんな手段もあったそうです。
『待ち合わせは何分遅れたら先に行く、とあらかじめ決めておく』
『駅には伝言板があってメッセージを書くこともある』
当時は駅に伝言板があって「いつものカフェで待っています」など連絡事項を書き込めました。今ではほとんど見かけなくなってしまいましたね。
ちょっと不便だけれど、のびのびとしていて自由な時代だった
『昔はそういうのが当たり前だったから、とくに不便だとも思わなかった』
『携帯なんて知らないんだから、ないのが当たり前でどうにかなってたんだよ』
便利なツールがない時代は、みんなで知恵を絞ったり、人とつながって助け合いながら生活していました。また、学生時代にSNSがなかったママたちからは「今は便利だけど窮屈」という意見も上がりました。
『SNSをウザいと思うこともなかった。不便だけどある意味変なストレスがなかった。人の行動を監視したりもできないし、本当に連絡取りたいとき以外ムダに連絡取り合わないし』
『今のネット社会は便利だけど、闇もある』
『当時は簡単に動画送信して拡散していじめの要因になるSNSもなかったしね』
SNSは人と手軽につながることができて便利で楽しいツールである一方で、人とのつながりを重荷に感じている人もいるようで「自分が学生のときになくてよかった」と感じているママも多かったです。
『たしかに今の子どもたちに比べたら友人の総数は少ないんだろうけど、残っている友人は労力のかかる手紙とかの連絡を取りを続けてきた子たちだから、少なくてもすごく深い』
手間のかかる手紙のやりとりなどを経て、今もつながっている人とはとても深い友人関係を築けているようです。
簡単に人と連絡がとれたり検索できる、便利な「今」を経験してしまうと、スマホや携帯、インターネットのなかった時代は「あんな不便な生活、よくできたな……」と思うかもしれません。しかしその不便さの中に、キラキラ光る瞬間や思い出がちりばめられているような気がしてなりません。今後もテクノロジーの発展で、私たちの生活にもっと劇的な変化があるかもしれません。けれども、どんな時代でも人とのつながりを大切にしながら、毎日楽しく生活していきたいですね。
文・大島さくら 編集・横内みか イラスト・わたなべこ
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