<子どもの見守りとは>【前編】カードの残額不足でバスから降りられない小学生。あなたならどうする?
交通系ICカードの普及により、電車やバスに乗るときに小銭を用意しなくても乗り降りがしやすくなりましたよね。しかし便利なあまり、うっかりチャージをし忘れるなんてこともあるかもしれません。
『手持ちの現金がないのにチャージ残高が不足してしまい、バスから降りられない小学校高学年くらいの女の子がいました。バスが停留所に停車してから5分以上も発車できず。もしこの場に乗り合わせていたら、みなさんはどうしますか?』
小学生の女の子が運賃不足に見舞われたそう。交通系ICカードの残高不足は、大人でもうっかりやってしまうこともありますよね。高学年ぐらいとのことでお金やICカードの扱いに慣れていそうですが、小学生ならなおのこと残高不足に気づかないまま乗り物に乗ってしまうなんてことも起こり得るでしょう。
困っている子どもを放っておけなかった
このときバスの運転士さんは女の子を無理に引き留めていたわけではなく、女の子はバッグにお金がないかゴソゴソと探していたそう。その間に5分くらいが経過し、乗り合わせた乗客がイライラしてしまったようです。一瞬、バスの運転士さんが何か言ってあげればいいのにと思ってしまいますが……。きっとバスの運転士さんも声をかけようか迷いつつ、女の子の行動を見守っていたのかもしれませんね。運賃不足になってしまった女の子も、突然のことにパニックになってしまい、解決策が見いだせなかったのでしょう。
そこで投稿者さんはこんな行動をとりました。
『一番先頭の座席に座っていた私は、自分のお財布から200円を取り出し、あげるつもりで「もしよかったら使ってください」と差し出したんです。女の子は困った顔でオドオドしながら「大丈夫です」と言ったので、私は差し出した手を引っ込めることに。最終的には次回乗ったときに支払うことになったのか、女の子は無事に降りていきました』
投稿者さんはお金を渡そうとしましたが、特に金銭のやりとりはなく、女の子は無事降車。バスの運転士さんが「お金は次回でいいよ」と言ったのでしょうね。
もし目の前に、チャージ不足でバスを降りられないで困っている小学生がいたら、みなさんはどうしますか?
「私も不足分を出します」ママたちからの共感の声
『私も投稿者さんと同じ状況だったら、不足分のバス代数百円くらいあげるよ』
『「何も考えなくていいから使いなさい」って渡しちゃうわ』
たとえ見ず知らずの子であったとしても、子どもがうろたえ、困っている姿を見ると落ち着かないですよね。チャージ残高が足りない上に手持ちのお金もないとなれば、子どもが対応するのは難しいの一言ではないでしょうか。「これがわが子だったら」なんて想像してしまったら、思わず行動に出てしまいますね。
同じ体験をしているからこそ誰かにも優しくしたい
『昔、バスに乗ってから1万円札しかないことに気が付いて、運転士さんに「1万円札しかないんですけど、両替できませんか?」て言ったら、「できない」と言われたことがある。どうしようと困っていたら、一番前の席のおばさんが回数券をくれて、お言葉に甘えてしまった経験がある』
『中学の頃バスの値上げを知らずにバスに乗ってしまい、10円足りなくて困ったことがある。そしたら近くにいた優しいおばさんが10円をくれて、涙声でありがとうございましたと言って降りたことがある』
『私も昔似たような経験がある。本当に助かったし声をかけてもらえて嬉しかった。投稿者さんが声をかけた女の子も嬉しかったと思う。ただ受け取る訳にもいかないと思ったんだろうね』
人助けのご縁はこのようにしてつながっていくと思わせられる、ママたちの体験談。困っている人がいたら助けるのは当たり前と言われても、実際にはすぐ行動できないことも多いですよね。自分自身が助けてもらったからこそ、今度は他の誰かにつなげていく「恩送り」を躊躇なく行えるのでしょう。
困っていたら声をかけてあげるだけでもいいかも
今回の投稿者さんの行動に、「私も同じように行動します」といった声がたくさんよせられました。しかし子ども側の立場としては、「見ず知らずの人にお金をもらうなんてとんでもない!」と思ってしまったのかもしれませんね。普段から親御さんに「ものをもらってはいけない」と言われているなら、なおさらです。
ただ今回の状況を考えると、投稿者さんの行動は決して問題ではありません。困っている子どもを助けること、周囲の迷惑を解消させること、この2つを担っていたわけですから。
『相手の子がオドオドしていたら、「いいんだよ。他のお客さんにも迷惑がかかるから、このお金で払っていいよ」って有無を言わせず投入口にお金を入れちゃうかも』
あるママからはこのような声が寄せられました。本来であれば運転士さんが対応する場面でしょうが、どうしようもない状況が続くようであれば、周囲の大人がフォローすることも必要なのかもしれませんね。
文・櫻宮ヨウ 編集・山内ウェンディ イラスト・Ponko