＜マナーが変わる節目かも＞【後編】引き出物、出産祝い、内祝い。お祝いごとでモヤモヤしたことある？
前回からの続き。ママスタコミュニティに「お祝いの品、頂きものでモヤモヤしたことがある？」という質問が寄せられました。この質問に、お祝いの物品や金銭のやりとりについて、これまでにモヤモヤしたことのあるママから続々と声が寄せられています。みなさん、モヤモヤを吐き出す場所がなかったようで、ママスタコミュニティに投稿してスッキリした様子がうかがえました。
そもそもお祝いのやりとりは、なぜモヤモヤしやすいのでしょうか。
「お祝いの品は見返りを求めるものではない」と考える人
『頂きものはもらって終了。見返りを求める物ではない』
『モヤモヤしているって見返り求めてたということだよね？ 本当にお祝いする気持ちだけならお礼がなくても何とも思わない』
『見返りを求めるものではないけれど、もらった側が言うことではなくない？ いたずらした子どもの親が、お互い様って言うようなもんだよね』
お祝いをもらって見返りを求めるのは、「筋違い」と感じるママもいるようです。たしかに本来お祝いは相手からの厚意なので、見返りを求める必要はないとも言えます。お祝いのやりとりを相手とのコミュニケーションの一つとして捉えるママは、見返りを求めないようですね。一方こんなママの意見も……。
「お祝いとお返しはセット」と考える人もいる
『見返りって言葉よく見るけれど、お祝いとお返しはセットだよ。お返ししないことを愚痴ると、「卑しい」と言ってくる人いるけれど、お祝いってそういうものだし、そのつもりで渡しているから』
『言ってくれてありがとう！ お祝いとお返しがセットなのは常識だと私も思っている。必ず「お祝いや贈り物は気持ち」「見返り求めるな」というレスがつくけど。だからといって頂き物に直接ケチつけたりするのは非常識なのはわかっているから、こういうところで吐き出すくらいは許して欲しいな』
こちらのママたちは、祝いごとは儀礼的なもので「もらったらお返しするもの」と考えているようです。お祝いのやりとりを儀礼的な風習と捉えるか、相手とのコミュニケーションとして捉えるかでママの考え方も違ってきそうですよね。また地域の風習によっても贈答の仕方は変わるといった声もありました。
またお祝いの品を儀礼的に捉えているママたちは「お返しは、もらった金額の半返しが常識」と考えているようです。「相手との関係がより近い場合は半返し以上のお返しをする」といったママの声もありました。お返しをするときは、半返しを基本に関係に応じてプラスすると考えておくと、相手とのすれ違いがなくて済むのではないでしょうか。
日本の贈答文化は年々カジュアルになっている
ママのモヤモヤが多くなるのも、日本にはきめ細やかな贈答文化が古くから根付いている証拠ではないでしょうか。ただ、人によって温度差があり、地域によっても違いがあるのかもしれません。この贈答文化、最近は変化しているようです。
株式会社矢野研究所のプレスリリース「ギフト市場に関する調査を実施」を見ると、2019年の国内ギフト市場規模は10兆6,917億円。10兆円超えとは、巨大な市場ですよね。近年は冠婚葬祭などの儀礼的な要素の強いフォーマルギフト市場は、コロナ禍もあって減少傾向にあるものの、人とのコミュニケーションを目的としたカジュアルギフトは増加傾向にあるようです。
今後は、贈答文化は残りつつも、儀礼的なやりとりは減り、より相手の関係性に沿ったカジュアルなやりとりが増えてくるのかもしれませんよね。モヤモヤするママが多いということは、風習が変わりつつある証なのかもしれません。そうした背景を念頭に置きつつ、相手がどんな価値観を持っているのかを踏まえて対応すれば、モヤモヤする機会も減りそうです。
文・安藤永遠 編集・山内ウェンディ イラスト・わたなべこ
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- お祝い・頂き物関係でモヤモヤした事