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<お葬式は誰のもの?>【後編】他の人のお葬式はいいけれど、自分のお葬式はいらないと考えるのは変?

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前回からの続き。「お葬式は必要ですか?」との投稿者さんの素朴な疑問に、ママたちからは「必要ない」との声があがりました。「費用と労力がかかる」「無宗教」など、さまざまな理由から必要ないと判断したようです。しかし一方で「お葬式は必要」と考えるコメントも集まったようですよ。その理由を聞いてみましょう。

お葬式は遺族のためのもの?

「自分のお葬式は必要ない」との主張に対して「お葬式は故人のものというより、遺族のためのもの」との考えが寄せられました。

『お葬式は生きている人のためのものなんだよ。たくさんのお金をかける必要はないけれど、別れを感じる必要があるんだと思う。また生きていくためにね』

『お葬式関係でバタバタするのは、遺族が悲しみに落ち込まないための時間稼ぎなのかもね。バタバタして終わって疲れたころには時間も経過しているから、悲しみも最初のときより薄れているのかも。そういう人間の心理をコントロールするためのシステムとして昔の人が考えて作った習慣なら、よくできたものだわ』

『お葬式ってすごい忙しいんだよね。亡くなって悲しい……から一変してバタバタ。それできれいに送ってあげてひと段落。そうやって残された家族は気持ちの整理ができるんだと思うよ』

『お葬式って亡くなった人のためでもあるけれど、亡くなった人と生きている人との別れの儀式。生きている人が「その人が亡くなった」という現実を受け入れるための儀式だと思っている』

身近な人が亡くなるというのは、相当ショッキングなことでしょう。しかもその相手が自分にとってとても大切な人となると、その悲しみたるや計り知れないものであることは言うまでもありません。呆然としてしまったり、憔悴しきったりしてしまうことも珍しくはないでしょう。お葬式という儀式をしてきちんとお別れをしたり、式の準備でバタバタと忙しく立ち回ることで、悲しみも多少は薄らぐものなのかもしれませんね。ママたちの言う通りお葬式はもちろん故人のためでもあり、遺族のためでもあるのでしょう。

遺族がお葬式を必要とすることもあるかもしれない

故人よりも遺族がお葬式を必要とすることもあるのではないでしょうか。

『遺族が「したい、してあげたい」と思うならそれは「必要」だと思う。私本人はどちらでもいいけれど、だからこそやりたい人はやるべきだと思う』

『私自身もお葬式はやってもらわなくていいって考えだけれど、残された人は故人のために最後に何かしてあげたいって思うんじゃないかな』

どんなに「自分のお葬式はいらない」と考えていても、遺族が「お葬式をおこないたい」と考えるならばそれは必要なことなのかもしれません。宗教上の理由などではなく「費用や労力がもったいないから自分のお葬式はやらなくていい」という理由であれば、遺族の気持ちによってはお葬式がおこなわれる場合もあるのかもしれませんね。故人のことを大切に想っているからこそ「しっかりと最期のお別れの場を作りたい」と考えるものなのではないでしょうか。

どうしてもお葬式をしてほしくない場合は……

お葬式は遺族のためでもあるとはいえ、どうしても自分のお葬式をしてほしくない場合もあるでしょう。そのようなときにはどうしたらいいでしょうか?

『自分がお葬式をしなくていいなら「何もしなくていい」と遺言に残しておけば? あとどうするかは残った人の気持ちの問題だし、気にすることはないよ。お葬式は残された人が気持ちに区切りをつけるための儀式なんだし』

『「お葬式をしないで、海に散骨して、花を沿えて」などなど、希望がある場合は生前に葬儀プランを葬儀社と話し合って申し込んでおいたらどうかな』

『亡くなったらお葬式をするのが一般的になっているけれど、お葬式は義務付けられているものではないよ。「お葬式をする・しない」はそれぞれの家が自由に決めることができるし行わなくてもまったく問題ないから、投稿者さんが希望しないなら遺言書に書いておいたら?』

自分のお葬式をしてほしくないという強く思う場合には、遺言書やエンディングノートなどにその旨をしっかりと書き記しておくのがよいでしょう。どんな形であれ書面に残しておくことで、生前の意向を確認しやすくなります。最終的にお葬式をするかどうかは遺族の気持ちに委ねられてはしまいますが、故人の遺志として主張をするのには有効な手ではないでしょうか。

「お葬式は必要でしょうか?」というシンプルな疑問から、お葬式に関するママたちのさまざまな考え方がみえましたね。「自分はお葬式は必要ではない」という声から、「お葬式は遺族のためでもある」というコメントまで思わず「なるほど」と思ってしまうような意見もあったのではないでしょうか。言うまでもありませんが、お葬式は故人との最期のお別れの場です。故人だけではなく残された人のための儀式でもあるのでしょう。しかしどうしても「自分のお葬式をしてほしくない」と考えている場合には、きちんと文面で残しておくのがいいかもしれませんね。

文・motte 編集・荻野実紀子 イラスト・Ponko

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