お金の苦労をすれば親のありがたみがわかるの?義姉の言葉に納得できない……
親はいろいろな面で苦労をしながら、一生懸命子どもを育てていくもの。しかしそれが当たり前すぎて、子どもに親の苦労やありがたみがわかってもらえないこともありますよね。それを知ってもらうための1つの方法として「お金の苦労をさせてみる」ことがあるようですが……。
『子どもが大学生になります。大学には奨学金を使って行かせ、いずれ子ども自身で返済させる、在学中はアルバイトをさせるなど「お金に苦労させる」ことで親のありがたみをわからせた方がいいと義姉が言ってきます。実際のところ奨学金を使ったり、アルバイトをさせたりしないと親のありがたみはわからないと思いますか?』
経済的な理由によって進学が難しい人への支援策として奨学金制度(給付型・貸与型)というものがあります。これを利用することで学費を気にせず、本来の能力や適性にあった進路を選択することもできるので、子どもや親にとっても、とても助かる制度と言えますね。しかし貸与型の場合には(給付型の場合は返済の必要がありません)返済する義務があり、大学を卒業後、社会人として働きながら返済をしていくことになります。また大学在学中にアルバイトをすれば、お金を稼ぐ苦労もわかるでしょう。大学生になるならば、このような「お金に関する大変さ」を実体験させた方がいいというのが義姉の考えのようですね。それは一体なぜなのか? まずはその理由を探ってみましょう。
義姉はどうしてそんなことを言ったのだろう?
『言い訳でしょ。お金がないのよ』
『大学生に奨学金を使って親のありがたみを学ばせないとと言う人は、お金を出せない言い訳でしょ。うちは使わないと難しいからと素直に言う人には何も思わないけれど』
『お金がない人は、親が教育費を出すことの方が悪いように思わせるような、逆マウントを取ってくるよね。お義姉さんは自分を正当化したいだけ』
義姉の発言の背景には、自分の子どもには奨学金を使っていて、後めたさを感じていることがあるのかもしれません。本来なら親として子どもにお金の心配などさせたくなかったのに、それができなかった……。それがずっとわだかまりとして残っていて、周りにも子どもにも奨学金を使わせることやアルバイトをさせることを正当化できれば、自分を納得させることができると考えていたのではないでしょうか。
むしろ「親がお金を出した」方が感謝の気持ちが強くなるのでは?
『うちは私も夫も親が大学と留学資金を出してくれたし、私たちも親になってからは子どもたち2人の学費を当たり前のように出している。私は親にひたすら感謝してるけれどな』
『親がお金を出してくれていた方が、社会に出たときにありがたみがわかる気がする』
アルバイトをすることで、お金を稼ぐことの大変さがわかります。確かに大変な思いをすることで、親が苦労してお金を稼ぎ、進学させてくれたことに感謝する気持ちを持つことができるでしょう。しかし一方で、親が子どもの大学費用を作ってくれて、お金の心配をせずに大学を卒業することができたなら、それだけでも親のありがたみを感じることはできますよね。お金の心配をしなくてよかっただけではなく、子どもに苦労させたくなかったのだという親の気持ちも一緒に感じられ、余計にありがたみがわかるかもしれません。
大学は勉強をするところ。親のありがたみは違うところでも感じてもらえる
『親が学費を払えないのならばそれでもいいと思うけれど、払えるのに奨学金とかバイトをさせる人がいるなんて。理解し難い』
なぜ大学に行くのか? と考えた場合、まずは「学ぶこと」が一番の目的でしょう。筆者にも高校生の子どもがいますが、大学進学の目的はそこで学びたいことを学び、資格を取って、将来なりたい職業に就くためと考えています。そのため子どもには、大学ではしっかり勉強をしてもらいたいとの気持ちがあります。
もちろん奨学金を使ったり、アルバイトをしたりしながら大学に通うことは悪いことではありません。筆者も大学時代にはアルバイトをして、お金を稼ぐことの大変さを学びました。しかし「親のありがたみ」はお金でなくとも違うところでも感じることができるように思います。例えば自分が親になったとき、「お母さんはこんなに寝不足になりながらも育ててくれたんだな」「お父さんが仕事を一生懸命していたのは、子どものためだったんだな」と感じられた場面は多々ありました。親のありがたみは、お金ばかりでなく親が自身の姿勢を見せ続けることで、子どもが自然に学ぶものではないでしょうか。いずれにせよ子どもが大学で勉学に励める環境を整えることを優先したいものですね。
文・こもも 編集・清見朱里 イラスト・Ponko
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