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子どもが読み書き・計算ができなくて親が焦る?幼児教室で「自己発揮」を見守る経験から学んだこと

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幼児を持つ保護者の方の多くは、「小学校入学前にひらがな・カタカナの読み書き、たし算やひき算を完璧にできていないとダメなのでは……」と心配されるものではないでしょうか。お子さんが小学校に入学してから苦労しないための親心でしょう。

筆者はある学習教室で幼児指導の勤務経験があります。恥ずかしながら、筆者も勤務前は子どもみんなが「ひらがな・カタカナを書けるようにする」「たし算ひき算がミスなくできる」が大事だと思っていました。しかし子どもの成長は個人差があります。幼児の学習について調べるうち、学習教室にかかわらず、幼児の成長に重要なものを学びました。

それは○×の数や学習の進度だけでなく、子どもには“それぞれの日々の頑張りと成長がある”ということです。

自己発揮できる場が子どもを成長させる

学習教室の方針や保護者の方が求めるものはそれぞれ異なるとは思いますが、幼児に必要な力とは何なのでしょう。
幼児の成長については、文部科学省の指針に「数量・図形、文字等への関心・感覚」の項目があります。そこで「数量や図形、文字等へ関心を持つこと」「生活や遊びのなかで人と人をつなぐコミュニケーションとしての役割を知る」といった目標は示されています。そのため読み書き・計算などといったことは、一概に「卒園までに完璧にする」必要はないのではないでしょうか。

また幼児は、持っている能力や特性を「自己発揮」すること、そのまだ見ぬ力を発揮できるよう周囲の大人が環境を整え、さらに認めたり励ましたりすることもまた大切です。
その考え方を知って「できたらすぐ褒める」「否定はせず苦手意識をつけさせない」を筆者も心がけていました。そして子どもと接する機会が増えるほど、「自己発揮」の内容は子どもの数だけあると知ったのです。

(参考:文部科学省「幼稚園教育要領解説」

大人だって大変!?子どもと同じ体験で違った見方ができるように

そうはいっても、幼児にとって生活のすべてが大変な作業ではないでしょうか。教室に向かう一歩も大人より小さいですし、テキストや筆箱を入れたかばんも大きくて重いのです。筆者は子どもの目線に立つための“同じ学習を行う研修”で改めてそれを実感しました。
名前を書いて順番に読んだり書いたり、学習時間を自分ではかったりなどこまごまとした作業から反復練習。集中力はもちろんですが、体力も必要でした。教室の責任者が「幼児の学習は体力勝負の一面もある」と言っていた意味が身に沁みました。「はなが さく」といった簡単に見える2語文だけの音読プリントであっても、5~10枚をこなそうとするとなかなか終わりません。「はっきりした発音で。流れるように」「大きく口を開けて」など日々言っていた内容を実践すると顔の筋肉が疲れてしまいます。そして鉛筆をぎゅっと握って動かしていると、大人でも手が痛くなると気づきました。

幼児の体は小さく、腕や手首を大きく使って文字を書かなくてはいけません。単純に考えて動作は大人の2倍でしょう。「腕と手首を動かして大きくしっかり文字を書こうね」と指導していたけれど、いかに大変なのかを思い知らされました。

子どもにとっては日々の生活がチャレンジの連続。褒めることで自己発揮を促そう

環境づくりは子ども目線で、小さなことから

大人と同じ内容をこなしても全く平気な子どももいます。むしろ大人顔負けのパワーについていけないことも(笑)。しかし「鉛筆を握る」「いすに座る」など「そんなことが」と大人が感じるものでも、その子どもにとっては大きな課題であるケースもあるのです。
筆者も当初は、うまく文字が書けない子や集中力が続かない子には「今日の課題を何とか終わらせないといけない」と思ってしまいがちでした。そこで研修の経験から、「もしかしたら手が痛いのかな?」「だんだん手や口を動かすのが疲れてきているのかも?」と気をつけるようになりました。

幼児用の鉛筆(少し短めの12cmで6Bなど)に変えると、重さが減り芯が柔らかく少ない力で書けます。するとすらすらしっかりした文字を書けるようになり、「書くの楽しい!」と言ってくれるようになった子もいました。その子に合わせた自己発揮をできる環境づくりの大切さを学んだ出来事でした。

子どもはチャレンジして日々何かを得ている。褒めて自信になるように

子どもが読み書き・計算ができなくて親が焦る?幼児教室で「自己発揮」を見守る経験から学んだこと2
幼児は幼稚園・保育園に通って、日常生活でも日々学んでたくさん吸収していますよね。さらに学習もとなると、その小さな体より何倍も大きなチャレンジを常にしているんだと感じます。
「教室に来ることができた」のなら、あとは「宿題を持ってきた」「挨拶ができた」「鉛筆を持てた」「1行目が読めた」……と「できたことはとにかく褒める」を筆者は実践し、加点方式で褒めに褒めていました。褒められるとどの子もうれしそうで怖がらずにチャレンジしてくれるのです。1つ1つ小さな課題をクリアしていく姿は指導する側にとって喜びでした。子どもは察することが上手で、「自分はできない」とすぐ理解します。気づくと表情がさっと変わって自信なげにうつむき、チャレンジに怖さや不安を覚えてしまいます。しかしそんな日にも挨拶や鉛筆をしっかり握れたなどの小さなことだとしても“できたこと”はあるはずです。褒めることでその成功体験を印象づけられ、自信の土台ができて新たなチャレンジに立ち向かえる力となるのだと思います。

これは学習教室に通っていてもいなくても幼児の成長を見守る点では同じだと感じます。

成長が見えづらくもどかしいときも子どもの可能性を信じてみて

子どもが何かを習得したと思ったらすっかり忘れて、振り出しに戻っているなんてこともざらにあり、常に悩み……。ただどんな結果でも「今日も頑張ったね」と学習終わりには毎回ねぎらっていました。振り出しに戻っても、子どもはまたスタートして今日の課題に取り組むのです。だから「教室に来られたことだけでもえらいんだ」と指導スタッフは考えていました。見守られていた保護者の方は歯がゆい思いをされたり、それで良いのかと心配されたりしたのではと思います。それでも辛いことの繰り返しより、存分に能力を発揮できる環境づくりを優先させていました。
課題や宿題を毎回完璧にできることがもちろんベストだと思います。それでも、お子さんはチャレンジして少しずつ確かに毎日成長しています。保護者の方には、たとえ成長が見えないときでも、お子さんの頑張った証は必ずあるのだと伝えたいです。

文・木村泉 編集・しらたまよ イラスト・カヲルーン

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