いつでも、どこでも、ママに寄り添う情報を

life

【前編】発達障害の子どもが教室にいられない……別室登校から学んだこと

【前編】発達障害の子どもが教室にいられない……別室登校から学んだこと
我が家は転勤族です。そして軽度発達障害の娘がいます。主治医には「支援学級に入るほどではないけれど、本人だけにがんばらせるのではなく周囲のサポートも必要」と言われました。新しいこと、新しい環境に慣れるまで他の子よりも時間がかかります。

幼稚園年長~小学4年生までは同じ街で成長し、何かと気にかけてくれる友だちや先生にも恵まれ、ときどき「学校に行きたくない」とこぼしながらも毎日登校していました。しかし小学5年生になる春、ついに転勤となったのです。

テキパキと動く周囲に全くついていけない……

当時、上の息子が中学2年生ということもあり、転居先は市内でも学校・図書館などが多いエリアにしました。閑静な住宅地にあるY小学校は、新居から徒歩1分。児童の自主性を重んじる校風で、学校の雰囲気もとても落ち着いていました。転入してからわかったのですが、スポーツをしているお子さんが多く、みんな集団行動に長けています。「小学校高学年女子」というただでさえ友人関係が難しい時期に転校になってしまい、娘の特性も考えると「スムーズにはいかないだろうなあ」とは思っていたのですが、案の定なかなか学校になじめない日々が続きました。

Y小学校には支援学級がない代わりに、発達障害や不登校の児童に対応してくれるK先生が常駐していました。校内では何かと娘に声をかけてくださり、私も何かあればK先生に相談するという心強い味方です。

もちろん周囲も転校生として配慮してくださいました。けれど高学年になると委員会活動などで子どもたちも忙しく、休憩時間にゆっくり話す暇もありません。一方、娘は教室の移動ひとつとってもどこへ行けばいいかわからない状態です。1学期は運動会や宿泊研修などがありバタバタと過ぎていきましたが、娘から仲よしの友だちができたという話はありませんでした。

学校独自の行事を前に「教室がしんどい」

夏休みが終わり2学期が始まると、校内は「Yまつり」の準備でもちきりです。Y小学校でずっと続いている独自の行事で、体育館で音頭を踊ったり各教室で出し物をしたり……中学校や高校の文化祭に近い雰囲気なのですが、娘にとっては未体験の行事。まったくイメージできずに途方に暮れている様子でした。そしてついに「学校に行きたくない」と本気で言い始めたのです。

特にいじめられているわけでもないけれど、周りの動きについていけず孤独だったのでしょう。「学校に行くのが辛い、特に教室にいるのがしんどい」。けれど簡単に「休んでもいいよ」と言えない事情がありました。当時私は再就職したばかりで仕事を休みづらく、住居は集合住宅の1階、しかもちょうど周辺に不審者情報があり、娘一人を置いておくのは不安だったのです。そのとき、K先生が「どうしても教室にいるのが辛かったら、別室登校もできるよ」と言っていたのを思い出しました。「とにかく学校に行ってくれれば、それでいいから」と娘に別室登校を提案したところ、ひとまず「それなら」と受け入れてくれました。

孤独にも見える「別室」が娘には天国!?

Y小学校の別室は特に専用の部屋というわけではなく、たまたま空いている小さな部屋に会議用テーブルが置いてあるだけ。本来は担任に許可を得てから別室に移動するルールでしたが、娘は教室に入ること自体ハードルが高かったため、朝から別室のときは親が事前に学校に電話するルールになりました。

ときどきK先生や他の先生が別室を覗いてくれるものの、基本は娘一人で自習。たまに同じように教室に行けない子が来ている様子でした。「寂しくない?」と私が聞いたら「ううん、全然!」。マイペースな娘にとっては、かえって快適だったようです。勉強の遅れは気になりましたが私自身が「学校にさえ行ってくれればOK」と決めたのですから、そこは考えないことに。娘自身も特に勉強に困っている風はなく、「ずっと別室にいたい」とまで言っていました。しかし次第に思うようにいかない部分も明らかになってきたのです。

別室登校にも市内統一のルールがあった

別室登校を始めて1週間ほど経ったころでしょうか。娘が「やっぱり学校いやだ」と言い始めました。「別室がいやなの?」と聞くと「別室はいいんだけど、毎日、給食と掃除の時間は教室にいないといけない」。全く想定外でした。というか、私も娘もそこまで考えてなかったのですが……。

K先生と話したところ、「給食は個別に運ぶことはできない」「掃除は娘さんだけさぼっているように見られてはいけないので」ということでした。これは市内統一ルールだったようで、中学校で別室登校をしているお子さんのお母さんも同じことを言っていました。そもそも教室にいるのが辛いのに……? と思いましたが、ルールであれば仕方ありません。きっと市町村や学校によって、このあたりのルールは違うのだと思います。

他にも体育の時間や「Yまつり」の係決めの際には参加するように言われ、教室と別室を行き来する日が続きました。毎晩寝る前に娘の体をマッサージしながら娘が満足するまで愚痴を聞き、なだめる日々……。正直、私もしんどかったです。「修行」と思って耐えましたが、娘の愚痴を聞き終わった後は私もグッタリでした。

1カ月半ほど別室登校を続けましたが、「Yまつり」が終わると娘も少し落ち着き、逆に別室と教室を行き来するのが面倒くさくなったようで、教室にずっといられるようになりました。しかし2年後、中学1年生の夏に再び「別室に行きたい」と言いだしたのです。

後編へ続く。

文・千永美 編集・しらたまよ イラスト・善哉あん

関連記事

【後編】発達障害の子どもが教室にいられない……別室登校から学んだこと
小学5年生のときに別室登校を経験した、軽度発達障害の娘。その後、小学6年生で再び引っ越すことになりました。 新しい小学校はひと学年2クラスと規模が小さめ。娘は相変わらず新しい環境になじむのに...
子どもが不登校になりそうで心配。ママがしてあげられることとは
お子さんにとって学校とはどのような場所でしょう。何の問題もなく自分らしく過ごせる場所であればいいのですが、人間関係のトラブルや、学業の問題、漠然とした不安……。さまざまな理由により、学校に行く...
いじめ・不登校 に関する記事一覧