高橋ユウ:第3回「彼が登場した瞬間から、世界がスローモーションになりました!」
ファッションモデルや俳優として活躍中の高橋ユウさん。インタビュー連載の第3回目となる今回は、ご主人であるK-1ファイター卜部弘嵩さんとの出会いについてうかがいます。運命の出会いを果たしたことで、ユウさんの世界が大きく変わってしまったそうですが……?
出会った瞬間からの一目惚れ。さらに惹かれたのがギャップ
━━ご主人との出会いについてもお聞かせください。もともとK-1などの格闘技に興味があったのでしょうか?
いえ、まったくなかったです。嫌いというよりは、縁がないので無関心だったというか。ただ、姉(ファッションモデル・俳優の高橋メアリージュンさん)は好きだったんですよ。「本気のぶつかり合いにドラマがある」と言って、試合もよく観に行っていました。で、あるとき「ユウちゃん、一回観たほうがいい。格闘技には本当の男らしさがあるから」と誘ってくれて。
私はそのころ舞台の稽古中で、闘う役柄を演じることになっていたんです。だから格闘家の戦い方とか生き様が、役作りの参考になればいいなという気持ちで行ったんですよ。でも彼が出てきた瞬間、役作りとかそんなことは全部忘れちゃいました。いろんな選手が出てきて、もちろんみなさんカッコいいんですけど、彼の試合では入場した瞬間から世界が急にスローモーションみたいになって……。
━━そんな映画みたいなことが、現実にあるんですか!?
(笑)本当にあったんですよ。ゆっくり登場してきた……みたいに、見えたんです。すっごい覇気を感じたし、会場を満たすような“気”に釘付けになってしまって。あ、もちろん”この人と結婚する”という、運命的なものを感じたわけではないですよ? 一瞬でファンになってしまった、というのかな。”こんなに男らしい人がいるんだ!”というのは、思いましたね。
━━もともと男らしいタイプが好きだったんですか?
好きだったタイプは少女漫画に出てくるような、色白ではかない雰囲気の男性です。細くて髪の毛がサラサラで、髭なんてまったくないような。でも彼を見てからはむしろ髭がカッコいいと思うようになったし、色黒、マッチョが好きになりました。今では夫のようなタイプしか、男性だと思えないくらい(笑)。
━━180度変わってしまったんですね。そこからどうしておつきあいに進展を?
彼もフィリピン人と日本人のハーフで、兄弟で格闘技をやっているんですよ。私も同じくハーフで姉と同じ世界で活動しているという共通点があったので、あちらのスタッフさんが「マネージャーさんも含めてみんなでお食事会でもしませんか?」と誘ってくださったんです。で、私が一目惚れをしたことを知っていた姉がキューピッド役になって、グループLINEを作ってくれたんですね。そこからやりとりしているうちにふたりでランチに行くようになり、みたいな流れです。
━━おつきあいをはじめてから、卜部さんの印象は変わりましたか?
変わりましたね! 男らしい、強い、みたいな印象はもちろんあったし、だからこそちょっと近寄りがたいようなイメージもあったんですよ。でも実際に話してみると雰囲気がめちゃくちゃ柔らかくて、ちょっと天然でほわーんとしているんです。一緒にいるとすごく落ち着くし、心が休まる。そばにいるだけで自分のテンポもゆっくりしてくる気がして、そこにも惹かれました。
少しでも格闘技を理解したいと思い、はじめた努力
━━試合のときからは想像できないです。格闘家というお仕事を理解するために、努力したことはありますか?
まずひとつは栄養の勉強ですね。減量などもあるので食事のサポートをしたいなと思って、「スポーツ栄養スペシャリスト」という資格の勉強をはじめました。知り合いに栄養にとても詳しい方がいるので、今も気になることがあるとすぐに質問するようにしています。
あとは格闘技のこと。格闘家の精神も一緒に学びたいと思ったので、試合前になると一緒に戦うつもりで「これはどうしたらいいの?」とか「一緒に頑張ろうね!」と言っていたんですよ。ただ、夫からは「何もしなくていい」と言われました。日ごろからたくさんの応援の声をいただいているので、家ではそうでなくていい、と。「いつも通りのユウちゃんでいてほしい」と言われました。なので今でも続けているのは、栄養のことくらいなんですよ。
━━厳しい世界に巻き込みたくないという、ご主人のやさしさもあるんでしょうね。もともとお料理は得意だったんですか?
私、料理はまったくしなかったんです。だから彼とつきあうことになってから、”料理ができないのがバレたら、速攻でフラれちゃうかも!”と焦って。そこから料理をするようになりました。最初は本当にお料理サイトを見まくるところからのスタートで。まだまだ勉強中ですけど、今では料理が好きになりました。
きっと食べてくれる人がいるからだと思うんですよ。ずっとそうではなかったので、”いいや”って適当に済ませることが多かったんですけど。でもやっぱりアスリートだし食べたものが血となり肉となり、それが試合にも影響すると思うと……。生半可なことはできないなって思います。
「それほどドラマティックな出会いが、現実にあるの?」と、うらやましくなるほど素敵なご夫婦のなれそめ。さらに卜部さんは知り合う以前から、好きなタイプを問われると「高橋ユウ」と答えていたというエピソードも!
とはいえつきあって共に生活すれば、現実も見えてきますよね。次回はそうしたお話と、テレビ番組内で行われた公開プロポーズ(!)についてうがかいます。
取材、文・鈴木麻子