夫がアルコール依存症かも!?毎日多量に飲酒し続ける夫のために家族ができるアプローチは?
ある投稿者さんから、ママスタコミュニティに「旦那がたくさんお酒を飲むようになったのでやめさせたい」という相談がありました。
『旦那が毎日、しかも3年以上にわたって酒を飲み続けています。はじめは毎日500mlの発泡酒を2本ほどでした。今では500mlを6本飲み、それ以上になる日もあるほど。すべて飲みきらずに寝ても夜中、トイレで起きたときに残りのお酒を飲んだり、休日は朝から飲んだりします。飲酒をやめさせるには、やはり病院で治療するしかないですか?』
旦那さんの飲酒量が増えた原因は、仕事のストレスと感じている投稿者さん。病院への受診も検討していることから、旦那さんに「アルコール依存症」の可能性があると思っているようです。
「アルコール依存症」の症状や治療法は?
「アルコール依存症」とは、どのような病気なのでしょうか?
アルコール依存症とは?
厚生労働省のホームページによると
『飲酒を続け、耐性・精神依存・身体依存が形成され、飲酒のコントロールができなくなる状態がアルコール依存症です。アルコール依存症になると、身体・仕事・家族関係などの様々な問題が起きます』
と書かれています。アルコール依存症の場合、体内からアルコールが抜けると、手のふるえ、多量の発汗、脈が早くなる、イライラ、などの離脱症状(禁断症状)が出現します。不快な離脱症状を抑えるために再びアルコールを摂取してしまい、アルコールから抜け出せなくなってしまうのですね。
アルコール依存症は「自分が病気」だと認めづらい病気
厚生労働省のホームページによると、アルコール依存症の特徴には
『アルコール依存症になると、そのような問題があるとわかっていながら、自分では飲酒をコントロールできない状態になっており、酒を減らしたり止めたりできなくなっているのです』
と書かれています。投稿者さんは旦那さんの健康面に不安があることから、何回もやめるように伝えたり、病院でみてもらうよう促したりしたようです。しかし旦那さんには、聞く耳を持ってもらえず困っていると切実な思いを明かしています。もしかすると旦那さんは、自分がアルコール依存症であることを認めたくないのかもしれませんね。
アルコール依存症の怖さとたどっていく過程
相談を持ちかけた投稿者さんに、ママたちからはさまざまな声が寄せられました。
病院での治療を考えた方がいいと思うよ
『アルコール依存症は病気です。自分では治せません。病院に行ってください』
『アルコール依存は薬物依存と一緒で、自分では決して抜け出せないよ。病院へ連れて行って』
『病院をまず受診して治療を受けながら、自助グループに入るなどしてお酒をやめていくことになるでしょうね。体を壊したり凶暴になったりして、人によっていろいろな変化が出てくるよ。家庭崩壊にならないうちに、早めに病院へ行った方がいい』
投稿者さんの旦那さんがアルコール依存症と決まったわけではありません。しかしアルコール依存症の知識があるママからは、「少しでも疑いがあるのなら、状況が悪化する前に病院に行くべき」との声がありました。
近親者がアルコール依存症でした。たどっていく過程は?
『亡くなった父が依存症でした。アルコール依存症の父を見ているのは、本当に情けなくて恥ずかしくて嫌悪感でいっぱいでした。父が亡くなったあと、母が「いなくなると寂しいけど、本音をいうとホッとした」といったほどです。アルコール依存症も大変ですが、末期の肝硬変になったらつらくて本当に地獄です』
『義父と叔父がアルコール依存症でした。専門の施設に入院させたあと、身の回りからみりんも含めて酒類を隠しました。退院直後は飲まないで我慢できていたけど一時的で、2人とも結局亡くなるまでずっと治りませんでした』
『父が依存症です。家に行けば、酔っています。何度言ってもやめないため、私がお金の管理をしてお酒を買えないようにしています。父の所持金は0円。お酒を買いに行ってその辺で飲んでいるのは、本当にみっともないです』
家族や親族など、身近でアルコール依存症の方を見てきたママたちが貴重な意見を寄せてくれました。アルコールに依存している本人もつらいかもしれませんが、家族の苦しさもうかがえる内容です。身近な人がお酒につぶされ、変わりゆく様子を見るのはやるせない気持ちになるのではないでしょうか。アルコール依存症は、家族の心もむしばむ病気だともいえます。
アルコール依存症は「治癒はできないが回復はできる病気」
実は筆者にも、アルコール依存症と診断された親族がいます。もともとはお酒に弱かったのに仕事やプライベートで嫌なことがあると、お酒を飲んで鬱々とした気持ちをまぎらわしていたようです。1人暮らしだった親族は次第に飲酒量が増え、お酒が手放せなくなっていたのですが、周りの誰もが親族の変化に気づいてあげられませんでした。ある日、親族はけいれんを起こして意識不明になり、救急車で病院へ運ばれそのまま入院して治療することに。そのときはじめて、本人やまわりの人間にアルコール依存症であることが知らされたのです。
けいれんは離脱症状によるもので、ほかにもお酒による栄養不良、脳機能にも障害が見られ「アルコール性認知症」との診断も下りました。治療により認知機能もある程度回復しましたが、完全には元に戻っていません。いま現在、親族はお酒を飲んでいません。しかし「治ったわけではなく、やめている状態が続いている。この病気とは一生の付き合いになる」と主治医にいわれたそうです。鬱々とした気持ちを晴らすために飲んでいたお酒によって、認知症にまでなってしまうなんて本当に怖い病気だと感じました。
家族や自分に異変を感じたら、迷わず病院や専門機関に相談を
投稿者さんの旦那さんのように、大人の男性を無理やり病院に連れて行くのは難しいかもしれません。まずはご家族が、アルコール依存症についていつでも相談できるアルコール依存症の専門医療機関、精神保健福祉センターや保健所、同じ悩みを抱えた患者や家族で構成されている自助グループなど、家の近くで探しておくのも具体策の1つです。病気の詳細だけではなく、同じように家族のアルコール問題に悩んだ方の対処方法なども聞けるようです。家族のいうことは素直に聞いてくれなくても、第三者の意見や情報だと旦那さんを説得することもできるかもしれません。家族だけでアルコールに関する悩みを抱え込まないことも、回復には必要なことといえそうです。
アルコール依存症かも?と感じたら、早めに専門機関を頼って
アルコール依存症はお酒を飲む人なら、誰でもなる可能性がある病気です。また健康はもちろん、家族や仕事など大切なものを失うケースもあります。家族や自分に対して少しでも「おかしいな」「ひょっとしたら」と感じたら、迷わず早めに病院への受診や専門機関への相談をしてみてください。
文・rollingdell 編集・藤まゆ花
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