わが子の「思春期の取扱説明書」。あなたの家庭にもありますか?
ひたすら不機嫌なオーラを放っているかと思えば、急に甘えてくることも……。思春期のわが子に手を焼いているご家庭も多いのではないでしょうか。ママスタコミュニティに、こんなリクエストが届きました。
『思春期の取扱説明書。中学生女子。参考にしたいので、皆さんのお子さんのトリセツを教えてください』
投稿者さんは、なぜこのような投稿をしたのでしょうか。
長女の思春期で投稿者さんが学んだこととは
投稿者さんには2人のお嬢さんがいて、すでに上のお嬢さんの思春期は経験済みのようです。相当苦労された様子が伝わってきました。
『淡々と子どもの話を聞くってことが長女のときはできなくて。ついつい意見しちゃって……結構こじらせたんです。全然会話しなくなったり自傷行為があったり。いろいろあったんですが、意見せずゆっくり話を聞くようになったら一気に変わりました。今でも落ち込んで「私なんて……」と泣いてるときがありますが、そのときもひたすら「大変よね~」「しんどいと思うわ」「がんばってるねー」「何が1番大変なの?」って感じで、ひたすら話を聞いてます。
長女のときの経験があるので、次女も同じようにひたすら話を聞いて、彼女が私の意見を受け入れられる心持ちになったら意見する、そんな感じで今は安定してます』
投稿者さんの「思春期の取扱説明書」とは、どんなものなのでしょうか。
『疲れたとか愚痴を言ってるときは意見しない。
ひたすら聞いてあげる。
「大変だねー」とねぎらう。
よそのお子さんと比較してダメ出ししたりアドバイスしたりしない。
ある程度話を聞いてあげてから、少しずつアドバイスする。
意見しないで、ひと通りねぎらってあげたら、本人から「でもみんな大変だよねー」とか言ってきます。逆に「あなただけじゃないよ!」とか言うと面倒くさくなります、うちの子は』
わが子の話をひたすら聞いて、ねぎらって、それから少しずつアドバイスする……。まるでカウンセラーのよう、と思うのは筆者だけでしょうか。
ママたちが語る「わが子のトリセツ」
投稿者さんの呼びかけに応えて、他のママたちも取扱説明書を教えてくれました。
『世界の中心は自分と友だち。
今いる世界だけがすべて。
友だちのことは否定してはいけない。
否定するより理解する姿勢をもつ』
つい「今いる友だちだけが世界のすべてではないよ」と言いたくなりますが、まずは親が理解しようとする姿勢が大切なのですね。
『普通に会話するだけだよ、いつも。
「家族は社会の縮図だからね」
「あなたの気分に世間様は合わせてなんてくれないよ」
「自分の機嫌くらい自分で立て直しなさい」
「大人がご機嫌取ってあげなきゃならんのは幼稚園までだよ」
って言ってる。ただ、落ち込んでるときはコーヒー淹れてあげて「飲む?」って聞くよ。話して吐き出したきゃ、飲みながら話すから淡々と聞いてる』
なんだか大人にも共通しそうな鋭い指摘が並んでいます。やはり「話を聞く」という姿勢が基本のようです。
でもね、ママだって愚痴を聞き続けるのは辛いんだよ……
「話を聞くこと」が大事。ママたちだってよくわかっているんです。でもマイナスの感情を受けとめ続けるのは、たとえ大人であっても疲れてしまいますよね。
『中学生女子がいるけど、その話を黙って聞くことが苦痛で仕方がないときがある。聞くのが辛いくらい、どーーーでもいい話』
『わかる! 話を聞いてほしいんだろうから聞いてるけど、くだらない。「どうでもいい」って言ってしまいそうなときがある。愚痴ばっかりだし』
『同じような人がいて良かった(泣)。聞いてるこっちが疲れて病むときがある』
親から見たらささいなことでも、子どもたちにとっては大問題。「そんなくだらないこと」なんて言いたいけれど、ひたすら我慢、我慢……。親になるって大変です。
男子は「食事」がキーワード!?
男の子ママが教えてくれた取扱説明書は、どちらも共通点がありました。
『男子はとりあえず美味しいご飯作っとけば、そのうち反抗期も終わる』
とりあえず胃袋をつかんでおけばOK! ということですね。
『思春期の息子が2人いるけれど大変です。2人で無言で食べはじめ、2人で無言で席を立ちますが、そのときは「ありがとうね、お粗末様でした」と声をかけてます。最近はまた「いただきます、ご馳走さまでした」と言ってくれるようになりました。出かける際は「いってらっしゃい」と声かけたら、手をあげてくれるようになりました』
食事の後に無言で席を立たれても怒らず「ありがとうね」……なんて懐の深いママなんでしょう。そんな母の優しさに、息子さんたちも反抗するのが申し訳なくなったのではないでしょうか。
普段、部屋にこもっている男子も、食事どきには親の前に出てくるでしょう。言葉をかける貴重なチャンスかもしれませんね。
大人でも子どもでもない微妙な時期。子ども自身も大変なのかも
投稿者さんは、こんな風にも語ってくれました。
『つい最近まであんなに無邪気でひたすら可愛かったのに、中学生になったら一気に変わりますよね。でも「子どもも甘えたい気持ちと自立したい気持ちの狭間にいてイライラするのかなー」と思いはじめてから優しくできるようになりました。大人でもなく子どもでもなく思春期なんですよねー。その子それぞれの性格でまた変わるんでしょうけど』
「大人でもなく子どもでもなく思春期」……中学生と高校生の子どもをもつ筆者は、この言葉にドキッとしてしまいました。つい親の都合で「もう小さい子どもじゃないんだから」や、「まだ子どもなんだから」と言ってしまいますが、どちらでもない時期なのですよね。子どもたちも自分自身が大人なのか子どもなのかわからないなかで、自分の世界を模索しているのでしょう。「うんうん」と愚痴を聞いてあげられるこの時期は、親の元から羽ばたく前の貴重な時間なのかもしれません。わが家の「思春期の取扱説明書」を作りながら、そっと寄り添ってあげられたらいいな……そう思わせてくれた投稿でした。
文・千永美 編集・秋澄乃 イラスト・なかやまねこ
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